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Junyamabe - Serenade EP (Junyamabe:jnymb-2)
Junyamabe - Serenade EP

元Mexicoというプロジェクトの時代から見ればベテランの域にいるJun Yamabeは、2001年に日本のテクノ黎明期のレーベルとして名を馳せるFrogman傘下のU.S.B.と言うハウスレーベルからデビューを果たしている。繊細な響きや素朴な雰囲気のダンストラックは熱狂的ではなく、どちらかと言えば部屋に篭って耳をしっとり傾けたくなる淡い情緒が広がるハウシーな音楽で、それは幻想の中に存在するロマンティックな風景画のような物だった。期待される日本の新鋭として注目している人は少なくなかったと思うが、00年代後半に入ると活動はほぼ見られなくなり、時折単発での新作や未発表曲をリリースする位で一線からは退いていたように見受けられる。が2015年の暮れ、突如として自身のレーベルであるJNYMBを立ち上げて『slowdowndown/slowslowdown』をリリースし復活の狼煙を上げた。それは過去の既発曲と未発表曲を纏めた内容で、今考えれば再出発の意思を込めた作品だったのかもしれない。そして本作へと繋がりここに於いては完全に新作となる3曲を収録しているが、これが今までよりも非常にダンサンブルで眼差しはフロアを向いているように思われる。しなやかで太く弾けるようなリズムトラックによって疾走感を得た"Sail Away"、しかしながら繊細で透けるような上モノや霧の中に消え行くようなか弱い電子音の響きを用い、これまでと変わらない淡い情緒も含んだ幻想のテック・ハウスはYamabeらしくもありフロアのエネルギーと言うか骨太さも獲得している。よりキックが太くベースが重い"Let's Show Them!"は疾走感よりも地に根を張った安定したグルーヴ感があり、美しいシンセのコード展開を用いてスムースな流れを作っている。厳寒の中で幻想的な雪景色を見せるような美しさを持っているのは"Hakuei (No One There)"か、カラッとした乾いたパーカッションが弾ける中にうっすらと耽美なピアノの調べやか細いウィスパーボイスが現れるロマンティックなこの曲は、初期Mexicoの繊細さと優しさに満ちた世界観を思い起こさせる。確かにフロアに適合した揺れるテック・ハウスであり、そしてまたMexicoらしい素朴な情緒も変わっておらず、過去の作品からアップデートして現在へと辿り着いたYamabeの音楽そのものだ。この勢いに乗ってアルバム制作もと期待せずにはいられない。



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