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2018/1/26 Relay Day 1 @ Saloon
Yellow、Elevenと時代のクラブに身を置きつつ、その後はSaloon店長へと就任して早4年半。ダンスフロアの愛すべきキャラクター、加茂誉満が最後に手掛けるパーティーが今回の「Relay」だ。今ではUnitがクラブ・パーティーを殆ど開催しなくなった反面、その下にある正にアンダーグラウンドなフロアのSaloonで平日から息巻いてパーティーを開催していたが遂に今回のパーティーを以てSaloonを退職する事になり、その総決算が今回の「Relay」なのだ。タイトル通りにリレー=中継する事、つまりは音楽で人と人の繋がりを生む事を示唆しているのだろうが、そんな加茂氏の交流の広さがあるからこそ最後のパーティーの出演者も素晴らしい面子が揃っている。初日はArtemis (P-Yan / Shake M / Yasu)、CMT、CYK (Nari / Kotsu)、Kabuto、Keigo Koda、Ryosuke、Taro、Yoshinori Hayashi、You Forgotが参戦だ。
現地に着いた頃にはCYK(Nari & Kotsu)がプレイ中。ごりごりとしたハードな質感のリズムのテクノからキャッチーなメロディーから多幸感発せられるテクノ、どっしりしたハウスのビートに加えアシッドの鈍いうねりまで色々な要素があるが、何となく愛らしくポップな雰囲気が通底している。二人でのB2Bのプレイだからか振れ幅は大きいものの、骨太なグルーヴでどっしり重心を低く保って安定感をもって踊らせる。そして弾けるように明るくポップな流れからトリッピーに飛ばされる多幸感爆発の"Inspector Norse (Justin Van Der Volgen Mix)"へ繋がった展開を聞くと、フレッシュで嬉々としたポジティブなエネルギーが感じられ、こういう陽気なダンスフロアも無邪気に楽しめるものだ。普段クラブで聞く音楽がシリアスな面が強い点に比べると、若さ故の陽気さなりオプティミスティックな面が打ち出されていて、パーティーの早い時間帯には合っていたと思う。

CMTに変わるとやはりと言うべきか一気にフロアはシリアスな雰囲気に満たされ、つまりは普段通りの雰囲気のフロアへと一変する。ダークで毒気付いたハウスから、マッドな妖艶さとアシッディーな音の中にソウルも込めた""Be your freak (Kenny Dope Ogutta' Mix)"、トランス気味のハード・アシッドなど序盤から熱量高めに猛烈な攻めを展開。そこにJunior Jackによる強烈なフィルター・ハウスの"Happiness"を繋げるなど、上げ目のプレイには踊るんだ!というポジティブなメッセージが込めらたように伝わってくる。そこらからもズンドコと地響きの如く地面を揺らすグルーヴが貫き、ファンキーかつソウルフルで汗が吹き出すような熱いハウス攻め。Armand Van Heldenによるディスコ・ハウスの"You Don't Know Me"でハードながらもフィルターによる華々しい響きや、一旦落ち着かせるようにゴージャスなブラスとソウルフルな歌に優しく包まれる"Best Of My Love (Sami Dee's 67 East 3rd Street Remix)"を織り込み、そして"Lovin (David Morales Disko Mix)"にも強烈なエフェクトを掛けながら幸せな空気で満たすように、怒濤のハウス攻めはある種の派手な祝祭的な雰囲気だ。いつの間にか闇を振り払いフロアには天上から光が降り注ぐようなハッピーな空気が満ち足りて、どうしたって盛り上がらずにはいられない。

続くはYou Forgot。ミニマル気味のじわじわとアシッドが迫るテクノで、ハードさを保って引き継ぐ。覚醒感を煽りつつ、そこからも直球で暴力的にさえ聞こえる圧力のある4つ打ちで押し迫り、ロウな質感の響きからは荒々しく武骨な意志が伝わってくる。そして"No UFO's (Moodymann Remix)"の黒く色っぽさもハウスはレトロな懐かしさを誘い、ラップの入ったスカスカなエレクトロ調の"Major Brain Malfunction"など、贅肉は削ぎ落とされながら骨格が浮かび上がり芯の太さが際立ってくる。ブレイク・ビーツ気味なB-Boy風のハウスやノリノリなヒップ・ハウスもファンキーに跳ねていて、ハードでロウなテクノにさらっと黒人音楽の要素を混ぜ混むプレイにはYou Forgotの個性が現れている。再度ハード目な展開に戻りつつ"1960 What (Opolopo Kick & Bass Rerub)"ではジャジーながらも太いペースラインが脈打ち黒い芳香を発し、どんどん熱量は高まり肉体感も現れてきて、更には鈍いアシッド気味のテクノが暴走するように接続したりと色々とジャンルは振れていく。そこから一転メランコリーなダブ・ステップ調の曲へと転換したり、目まぐるしい流れながらもロウな質感による肉体性や激情を伴う事での統一感を成すプレイがYou Forgotらしい。


次のTaroは流れやジャンルを纏めるように、ミニマル性の強い曲調を用いた展開。パーカッシヴななテクノや荒々しい質感のテクノ、そして4つ打ちから外れたブレイク・ビーツ調の曲まで用いるが、あちらこちらにぶれる印象を受ける事はなく持続感を打ち出しながらリズムやグルーヴで引っ張っていくプレイだ。中には90年代のブレイク・ビーツを用いたAIテクノにも似た感覚のある曲も繋いだりと、しなやかに跳ねるリズムもあって派手な展開は無くとも控えめに情緒を醸しながらリズミカルに揺らす。どんどんリズムは複雑化しながら中盤以降はは4つ打ちは殆ど皆無だったと思うが、小刻みに打ち鳴らされるキックとスネアの軽快さに随分と流麗な流れを感じられた。またギクシャクとした鋭利なエレクトロで変化球を持ち込んで上手く抑揚も付けて飽きさせず、またBicepのトランス的ブレイク・ビーツの"Opal"がしっとりとフロアを情緒的に染め上げる。結局その後も4つ打ちは用いず上げ目のプレイも控えめに、崩れたブレイク・ビーツを中心にインテリジェンス・テクノの雰囲気を纏いながら淡いエモーショナル性も漂わせ、何だか懐かしくもある音が今という時代にしっかりとハマる事を再認識させられた。

その後もまだまだパーティーは続きArtemis (P-Yan / Shake M / Yasu)やRyosuke & Kabutoのプレイも残っていたものの、最近は体力的にも厳しくその辺でパーティーを後にした。加茂氏のラストパーティーと言う事もあり多くのDJを詰め込む事で各DJの持ち時間は減ったものの、だからこそ短い時間の中で盛り上がりを凝縮したであろう各DJのプレイは当然盛り上がったし、加茂氏が最後の手掛けるパーティーだけあって何だかフロアも和気藹々とした雰囲気で居心地の良い時間を過ごす事が出来た。また何処かのフロアできっと加茂氏と出会える事を楽しみにしたい。
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