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Dopplereffekt - Cellular Automata (Leisure System:LSR020)
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アンダーグラウンド、またはミステリーという表現がこれ程適切なユニットは他にそうはいない、メンバーであるJames Stinsonの死によってユニットは消滅し伝説化したデトロイト・エレクトロのDrexciya。コンセプトであるDrexciya人の深海の冷えた世界を表現したエレクトロはダンス・ミュージックの著名人からも高く評価を受けるものの、ユニットが消滅した事でそのストーリー仕立ての音楽もおおよそ途絶えてしまい、その音楽の継承者は今も尚そう多くはない。しかしDrexciyaは一人ではない事が幸いだったのだろう、もう一人のメンバーであるGerald Donaldは多数の名義を用いて活動しており、Drexciyaを継ぐ者としての存在感を放っている。その中でも特に知名度の高いものがこのDopplereffektだろうが、アルバムとしては実に10年ぶり、3作目となる本作は蓋を開けてみれば全てノンビート作品と驚くべき内容だ。ビートレスな事でアンビエントな性質も強くはなっているが、しかしオープニングの"Cellular Automata"を聞いてみれば重厚なベースラインや電子音のシーケンスからは間違いなくエレクトロの響きが発せられており、暗く何処か謎めいたSF的世界観は正にDrexciyaのものだろう。続く"Von Neumann Probe"も鈍く蠢くベースには毒々しさが宿っているが、その一方で祈りのような女性の声やデトロイト的な神秘的なシンセからは逆境の中に希望を見出すポジティブな感覚もあり、ただ陰鬱なだけの作品ではない。エレクトロと言えばKraftwerkに強く影響を受けたジャンルであり、それが如実に感じられる"Gestalt Intelligence"ではピコピコした電子音のシーケンスが用いられているが、アンダーグラウンドを地で行くDonaldにかかれば凍てついた世界観へと変貌する。モジュラーシンセらしき音が振動するように鳴りながらデトロイト直系の情緒的なパッドが降臨する"Isotropy"は、アルバム中最も美しいアンビエントで荒廃する世界の中の救いだ。Drexciyaと言えばどうしたって不気味で暗くハードな音楽性と言うイメージがあるが、それも逆境から生まれた未来へのポジティブな思いと考えれば、こうやって音自体に安らぎが現れるのも自然な流れなのだろう。尚、幾何学模様のデザインであるジャケットからも分かる通り、本作は音自体もそれに準じたイメージが強く、エレクトロでありながら独特の内在するリズム感が面白い。そしてビートレスな事で浮かび上がったエレクトロのシンセの美しさにも気付かされたり、Drexciyaの伝説はまだ続いている。



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