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Damon Wild - Cosmic Path (Infrastructure New York:INFCD 003)
Damon Wild - Cosmic Path
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実に13年ぶりとなるアルバムを出したニューヨークを拠点に活動するDamon Wildは、自身で運営するSynewave等から良質なミニマル・テクノを90年代から送り出しているベテランの一人。初期活動に於いてはTim Taylorとのアシッド・ユニットであるThe Rising SonsやThe Pump Panelで暴力的なアシッド・テクノを送り出し、90年代中盤以降は時代に沿いながらクールな機能性に特化したミニマル・テクノで才能を開花させ、ニューヨークのテクノシーンを代表してもおかしくはない位までの存在感を放っていた。2010年以降になると作品のリリースペースはがたっと落ちその名前を聞く事も滅多になくなってはいたものの、突如として2017年の暮れに届けられたニューアルバムは以前にも増して無駄の無いミニマル性に特化しつつ、その上Jeff Millsばりのスペーシーな感覚も伴うひんやりとした機械的テクノへと傾倒している。特に勢いで押し通すのではなくしっかりとムードも重視されており、オープニングの"1242"ではビートレスの中に無機質な鳴りのSF的な電子音を用いてイントロとしての意味合いを持たせており、サウンド・トラック的な始まり方だ。続く"Aquarius"では淡々としたキックを刻むテクノでスピード感を得るが、ソナー音のような反復音やミステリアスなシンセの響きなどによる宇宙空間らしい世界観は、Millsが歩む道を辿っている。空間の広がりを得るシーケンスが浮遊感を生むスペーシーなミニマル・テクノの"Red"、ゴリゴリと岩石が砕けるような荒いビート感に奇妙なシーケンスに惑わされる"Mars Lander"、分厚い重低音が連続しながらも微弱な発信音が飛び交う骨太なテクノの"Amber"など、どの曲も厳つく芯の強さはあるが激しいグルーヴで押し通すのではなく、効果的な音の相互作用によってスペーシーな響きを生む作風で確かに今の時代のテクノらしいと言うか。『Cosmic Path』、つまり宇宙の道というタイトルが示す通りに宇宙をコンセプトにしたアルバムはその世界観は正しく確立されており、果てのない宇宙旅行へと誘う。無駄な装飾は削ぎ落とされ多層的な電子音のシーケンスと秩序のとれたビート感によるテクノは、勿論爆音で響くフロアではミックスされる事で効果的な流れを作り出すだろうし、この冷たい温度感の音はやはりフロアで聞いてみたいものだ。



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