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Severnaya - Polar Skies (Fauxpas Musik:FAUXPAS 024)
Severnaya - Polar Skies
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ドイツのFauxpas Musikは深い音響によるメランコリーなアンビエントを提供するレーベル性が確立されており、この手の音楽が好きな人にとってはレーベルの新作が出る度に多少は興味を惹かせる程の魅力を持っている。2018年2月頃にこのレーベルからSevernayaなる見知らぬアーティストのアルバムがリリースされ聞いてみるとこれがまた神秘的なアンビエントで素晴らしく、調べてみると実はConforce名義でも活躍するBoris Bunnikの新たなプロジェクトである事を知った。今までにもConforce含め多数の名義を用いてDelsinやRush HourにEchocordやClone等多くのレーベルから、デトロイト寄りなテクノから深いダブに硬質なエレクトロ、実験的な音響テクノまでその多彩な音楽性を披露していたが、ここでは厳寒の中の凍てついたアンビエント性に焦点を当てている。プロジェクト名の「Severnaya」とはロシア語で北部を意味するそうで、彼が生まれたオランダの最も北部であるテルスヘリング島が本作のコンセプトになっているそうだ。その地がどんな環境であるかは知る由もないが、しかしアルバムから感じられるその色を失い白一色の凍えるような世界観は、北欧の氷河に囲まれたそれをイメージさせる。収録曲の多くはノンビート・アンビエントで、幻想的なシンセのドローンが持続しその中にほんのりと火が灯るような朧気なメロディーが入る"Proud Cliffs Garbed In Blue"は外では雪が吹き荒れる一方で家の中で暖炉で温まるような、そんなしみじみとしたメランコリー性の強いアンビエント。続く"Floating Space"では繊細でダビーな音響や機械音を配置して奥深い空間を作りつつ、宗教的な雰囲気さえもあるメロディーも用いてニューエイジにまで音楽性は広がっている。彼らしいノイジーかつダビーな音響が活かされている"Vivid Ascension"では重厚でモノクロなドローンが底辺で蠢き、明確なメロディーも無くひたすら不気味な効果音や金属音が展開を作る凍てついたアンビエントだ。その一方で雪景色の中に太陽の日がそっと割って差し込むようなSun Electricを思わせるオプティミスティックな"Quiet Arcs"は、ただただ静かにドローンと音の粒子が意味を込めずに無垢な響きのみを残している。そこに続く"Terramodis"は柔らかい音質ながらも躍動感溢れるリズムが打ち鳴らされ、夢の中を泳ぐアンビエント感覚ながらもダンスフロアを意識した作風は、このアルバムに於いてはやや余計だったかもしれない。しかしアルバム全体としてはBunnikのメランコリー性、深い電子の音響が正確に反映されたアンビエントが軸になっており、敢えて新たな名義を用いて制作しただけの意義はあるリスニング作品だ。



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