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2018/4/7 Contact 2 Year Anniversary Part 1 @ Contact
2016年4月1日にオープンしたContactも始動からようやく2年が経過、決して見通しが明るくない日本のクラブミュージックの業界で当初から変わる事なく単に集客すれば良いというスタンスではなく彼等なりの音楽観を持ってブッキングを行い、信頼に足るパーティーを作り上げている。さてそんなクラブの2周年記念の初日はイギリスからHot Since 82がゲスト出演するのだが、当方は全くその名前さえ知らないので調べてみると過去にはイビサのパーティーのレジデントを担当したり大型のフェスにも出演する人気DJだそうだ。そんな芸歴には特に惹かれる点は無かったものの、メインフロアには他にDazzle DrumsやCMTと日本から信頼のおけるDJが出演するのでならば楽しめるに違いないとパーティーへ参加する事にした。
当日はDazzle Drumsがオープンを担当するという事で日が変わる前に現地入り。早い時間帯にもかかわらず彼等のファンなのだろうか、ダンサー風な人達もフロアの前で自由に踊っており、アニバーサリーという事を抜きにしても良い雰囲気が出来ている。プレイの方も黒くファンキーな、そして骨太で低音の効いたハウスで間違い無しの音だ。エレクトロニックで暗いディープ・ハウスの"Outta Limits (Shelter Mix)"で跳ねるようなリズムで上げているが、ごりごりと荒々しい"Dance (Beats Version)"で重心低めに攻めたり、または官能的で色っぽいな歌モノのハウスで色艶を出したり、そして彼等が推し進めるアフロ・トライバルなツール系ハウスで土着感を強めたり、果てはトランシーな快楽もあるハウスなどあの手この手で引き出しの多いプレイを見せる。それらは決してばらばらになる事はなく、色々な支流が徐々に一つの大河へとなっていくような流れがあり、単にハウスDJではなく良い曲ならば何でもプレイする寛容性によって変化を付けながら盛り上げる。それでも普段よりはソウルフルな熱量は抑え目に、どちらかというとエレクトロニックでプログレッシヴなハウス感というかモダンな要素が強いのはゲストのHot Since 82を意識してだろう。そんなクールな流れの中に突如として耳をひつけるオールドスクールな音は"No Way Back"で、乾いてチージーなリズムが衝動的に精神を覚醒させる。がそれも長くプレイする事はなく直ぐにテッキーで幻惑的なハウスへと戻り、特に終盤は勢いがあるディープで妖艶なハウスで上げながら色っぽく染め上げる展開で、やや大袈裟な響きもある音楽性はアニバーサリーらしい。がそんなエレクトロニックで盛り上がった所に"Nothings Changed"という歌モノハウスの名作をぶっこんでくる瞬間、やはりフロアはハッピーな雰囲気に包まれ笑顔になってしまう。そしてラストは余りにも感情的でドラマティックな"Eminescence"、彼等が幾度となくプレイする名曲を今夜も用いて、しっかりとフロアを熱く盛り上げていた。

CMTは開始からズンドコとした切れのある4つ打ちハウス攻めだか、ひとえにハウス・ミュージックと言っても色々あるもので、例えばCMTはどす黒さよりもリズムが削り出されてグルーヴ感重視のハウスですっきりした音だが、それでも直線的に攻めつつ骨太なプレイはファンキーに感じられる。例えばNebraskaの"Done My Best"の荒々しくビートを刻むファンキーなサンプリング・ハウス、賑やかで陽気さが溢れる音楽はクラブという闇の中でも外向的なエネルギーに満ちている。忙しなく世界観を変えるのではなく直線的な勢いで押し通しつつ厳つくテクノ的なハードさもある選曲は、マッチョな肉体性を感じさせる。そのハードな流れに乗って妖艶ながらもやはり荒くファンキーな"Be your freak (Kenny Dope Ogutta' Mix)"もミックスして、そこからエグいアシッド・サウンドが激しく押し寄せるアシッド・テクノ、輝かしい光沢を放つファンキーなフィルター・ハウスの流れと徐々にピークタイムを意識したような怒濤の勢いに突入する。濁流となって押し寄せる激しくハイエナジーな流れに、ピアノの華々しさと激しいリズムが切り込む"Sunshine (Kink Remix)"で爆発する流れも文句無しに素晴らしく、一方で安っぽいリズム感が逆にファンキーなシカゴ・ハウスの古典やトランペットの旋律が官能的でディープにはめる"The Story Continues"でド派手に盛り上げ、抗う事も不可なアニバーサリーの祝祭らしい勢いと多幸感がフロアを満たしていく。そしてCMT必殺の情熱的な歌と派手なディスコ・サンプリングのフィルター・ハウス"You Don't Know Me"、闇のフロアを光で照らし出すような幸せ一杯の曲で、早くもフロアはピークを迎えているようだった。

さて、ゲストのHot Since 82は25時からとやや遅めの時間帯から出演。全く事前情報を持ち合わせていないのでどんなDJをするのか不明だったのだが、蓋を開けてみればこの日の中では最もグルーヴィーな機能性重視でややミニマルな要素もあり、スムースに流れるようなリズムでがつがつと攻め立てる。密度の高いリズムで空間を埋め尽くしながら勢いの強さが否が応でも肉体を揺さぶり、ゲストを務める立場としてのパワフルな盛り上げ方だろう。勝手にこの日はハウスの日だと思い込んでいたので半ばテクノのクールさや厳つさが打ち勝ち、全くソウルフルなハウスやアフロ系もプレイしないのにはやや面を喰らってしまう。がそれも慣れてしまえば途切れる事のない持続的なグルーヴに飲み込まれ、大箱向けにも思われるやや享楽的な雰囲気もアニバーサリーの雰囲気としては悪くなく、実際に上手くブレイクも持ち込む事でフロアの反応も良く盛り上がっている。あちらこちらへ振れる幅広いプレイよりは一点へ収束していく反復を基調にしたグルーヴ攻め、ある意味ではそのブレの無さは潔いし、同じようなグルーヴ感が続きながらも決して単調にも陥らずにフロアを撹拌するように勢いで飲み込んでいる。中盤では"Obsession (Hombre Lowdown French Kissed Edit)"のハードさと快楽が入り交じり、もはやほぼテクノと言った感じのプレイに移行。全体的には音は冷たく、エモーショナルとは対極的な無機質なマシーン・グルーヴが通底し、ひたすら機能的な持続性を追及しているようだった。

始発が始まる頃に合わせて当方はパーティーを離れたが、やはり情熱的な正にソウルフルなプレイをするDazzle Drumsやファンキーで厳つく骨太なCMTのハウスセットに魅了された夜で、知名度に関係なく日本のDJの実力の高さを再度認識する事が出来た。勿論ゲストのHot Since 82もピークタイムのフロアを間違いなく盛り上げたプレイで、当方の期待するハウス・ミュージックとは異なれど、その実力は偽りではなかった。アニバーサリーらしい賑わいが続いた夜、毎回こんなパーティーの雰囲気だと良いのになと思う。
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