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Tourist Kid - Crude Tracer (Melody As Truth:MAT11)
Tourist Kid - Crude Tracer
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オーストラリアはメルボルンはダンス・ミュージックのみならずニューエイジやアンビエントでも光る才能を持ったアーティストが近年目立っており、その土地のアーティストだと分かれば少なからず興味を惹かれる事は少なくもない。現行ニューエイジで頭角を現したJonny Nashが主宰するMelody As Truthは基本的にはNashの作品が中心ではあるものの、そんなレーベルから2018年にリリースされたアルバムを手掛けているのが、メルボルン発のRory GlackenことTourist Kidである。2016年から作品のリリースを開始し本作でまだ4作目と活動歴は浅いものの、MATに抜擢されただけありこのアルバムの朽ちて壊れ行く中に存在する倒錯的な美学は特異なものだ。ほぼビートレスな構成で非現実の幻想に迷い込んだ世界観は非常に美しいものの、割れたガラスの破片から乱反射する光の眩しさ、または破砕された金属片の光沢が想起される音使いは、グリッチやカットアップを用いたエレクトロニカ的な方向性も強く現れている。それは冒頭の"Example"から顕著で、細かいヒスノイズの持続から徐々にぼんやりとではあるものの淡い色彩感覚を伴うメロディーが構成されていき、次第に明確さを増しながら甘美な夢の世界へと至る構成は、美しくもどこか不完全である。ぶつ切り風、またはカットアップと呼ぶべきか、断続的な電子音の響きが歪な"Discourse II"では女性のコーラスと厳かな弦楽器の持続も加わり、大きな展開もなく長いドローンによって内なる深い精神世界へと落ちていく。比較的自然な作風なのが"Learn"で、薄っすらと叙情的なパッドの持続音が張った上に悲壮感のあるメロディーが反復されるこの曲は、後半にはガラスの粒子が舞うような音も入ってきて非常にドラマティックなニューエイジである。しかしTourist Kidのユニークさは、例えば"Variegare"のように不規則なリズムのパーカッションやどこか調子の狂ったノイズ風の音色にカットアップ手法等を交えた一時期の複雑だったエレクトロニカを思い起こさせる作風にあり、エクスペリメンタルな風合いを感じさせるニューエイジが面白い。勿論、神聖なストリングスが放射され繊細な電子音のメロディーや温かみのある有機的なベースが融和し、感動的に盛り上がっていくニューエイジ/アンビエントに振り切れた"UV Bleacher Tangent"といった曲も素晴らしい。新人ながらもMATに掬い上げられたのも納得な音響美で、今という時代の音楽性が表現されたアルバムだ。



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| ETC5 | 12:00 | comments(0) | - | |
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