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2018/7/27 Roundhouse @ Contact
シカゴ・ハウスの魅力を強烈に伝えるDJのRemiをレジデントに迎え、特にシカゴ・ハウス周辺のレジェンド達を日本に紹介すべく始まったRoundhouse。マイペースにパーティーを継続してアンダーグラウンドなハウス・ミュージックの魅力を伝えているが、その中でもやはり欠かせない存在はDerrick Carterだ。過去に2度出演しているCarterはご存知の通りClassic Music Companyという個性的で魅惑のハウス・ミュージックの倉庫であるレーベルを主宰していた傍ら、DJとしてもシカゴ・ハウスからディスコを軸に獰猛かつ熱量の高いグルーヴで飲み込んでいく手腕によってDJからも高く評価される存在であり、Roundhouseのスタイルにこれ以上うってつけなDJもいないだろう。今回は2016年の登場から2年ぶりにパーティーへと戻ってきて、また強烈な存在感をアピールする。
現地入りは24時半、メインフロアではRemiがプレイ中。まだまだパーティーは序盤、むやみに激しく上げる事もせずに鈍い音質とスカスカなシカゴな雰囲気のあるトラックを中毒的に聞かせる。荒れ狂う勢いで引っ張るのではなくズブズブと怪しい深みの中に誘い込むように、スカスカながらもアシッドが効いたトリッピーな曲やソウルフルでも卑猥さもある曲、またはパーカッションが乱れ打つ曲に"This Is House (This is House-A-Pella)"を被せたり、ディスコ・サンプリングな派手なフィルター系まで用いて、ゆっくりと着実に大地を踏みしめながらも芯のある太いグルーヴでじんわりと攻める。野暮ったくも、しかしラフで厳つさが溢れる音を軸にした選曲はファンキーかつドラッギー、そして中には"Can You Feel It"や"Atmosphere"といったクラシックが断片的に流れてくるエディットもプレイする事でシカゴ・ハウス特有のトリップ感も作り出している。自分の勝手な思い込みであるRemiのプレイはハードなシカゴ・ハウスであるという考えは、しかしこうやって勢いだけに頼る事をせずにどっしり安定感あるグルーヴを軸にディープに潜っていくようなプレイによって、またRemiのDJの魅力に改めて気付かされる。勿論中盤以降は徐々に勢い付いてタフな音質にスピード感も得て、より真夜中の狂騒の中にあるパーティらしく盛り上げるプレイへと変わっていき、パンピンなグルーヴの弾け方に否が応でもステップを踏んで肉体的な音楽に体が反応してしまう。ラップがのりのりなダーティーなハウスや、ディスコの煌めくサンプリングが鮮やかなハウス、ホーンがゴージャスにソロを奏でるファンキーなハウス、色々な要素が混濁としながら猥雑かつファンキーに昇華されるのだが、それらもRemiの骨太さを生む流れによってシカゴ・ハウスの世界観へ収束するようだ。

そんなハウスの世界で統一されたメインフロアに対し、セカンドフロアはこの日は強烈なテクノで攻めていたようだ。Wataru Sakurabaは初っ端Paperclip Peopleの"Floor"で開始。前のDJががっつりハードな4つ打ちテクノ・セットで上げていたのを引き継ぐようにファンキーなテクノで攻め上げるが、少しずつ勢いをコントロールして音の数も絞りながら叩きつけるようなビートのエレクトロもプレイしたりと、よりハードコアで渋く味のある展開へと移行する。押し寄せる勢いもあるが細く鋭いナイフが切り込んでくる鋭利なグルーヴ感は研ぎ澄まされ、そこから音の隙間を残しつつハードな4つ打ちへと移行。ハードではあるがけたたましいと言うよりは音の数を絞る事で疾走感を獲得し、目の覚めるような突進力で自然と体は揺らされていた。

さて、メインフロアのDerrick Carterのプレイは既に開始から1時間経過しており、途中から参戦。意外にもまだそんなに上げてる様子ではなく余裕が感じられるグルーヴ感に、しかし骨太でマッチョな音質のハウスは強制的に肉体を刺激する。結構低音のベースラインを強調していて出し過ぎかなと思うところもあるが、そこが獰猛で野性的なグルーヴにも繋がっており、肉厚な音の壁みたいな圧力が迫り来る。一言で言えばファンキーそのもので勢いだけに頼らずに、しかしがつがつと攻める厳つくマッドなプレイなのだが、大きく展開するよりは収束する感もあるところは用いる曲それぞれにミニマルな性質もあるからか。だからこそ持続性がより強調され、典型的なシカゴ・ハウスからディスコ・サンプリングな曲にソウルフルなボーカル・サンプルのループを用いた曲等を繋いでいても、世界観として大きく変わる事はなくCarterらしい猥雑としたグルーヴで飲み込んでいく。あれやこれやと考える暇もなくひたすら踊らせるプレイ、高い熱量と野性味溢れる感情性に満たされる。大半は知らない曲にもかかわらず肉体が反応せずにはいられない程の展開で飲み込みつつ、しかしFloorplanの骨太かつハッピーなミニマル・ゴスペル・ディスコな"Tell You No Lie"も混ぜてくるとゴスペルの多幸感に心も沸き立ち、衝動的でハイエナジーな展開も生み出していく。プレイする曲自体はどれも単調なループをベースにしたようなものが多く、だからこそミニマルな性質の展開は一直線的な流れも多いが、それが決して単調には陥らずに凶暴なエネルギーを発散しながら持続力をもたせている。そして始発がの時間帯が近付いてくると期待通りにディスコな要素も多くなり、"I'm Every Woman"のアッパーで図太いエディットにより祝祭感満たされる幸福の瞬間もあり、こんな朝を迎えられるのも真夜中のパーティの醍醐味だろう。ただそこでディスコに振り切れるではなく再度ゴリゴリでダーティーかつ野蛮なハウスに戻って半ば強迫的に踊らされるエネルギッシュなプレイは続き、まだまだ一向にテンションは落ち着かせない。そんな中にも"I Feel Love"のインストに"I Can't Go For That"のアカペラを被せたりと、格好良いミックススキルを見せる流れもあって、エディットに頼るのではなくDJとしての手腕が明確に発揮されていた。この日はCarterのプレイは期待通りに熱く踊れるプレイで満足したが、Carterまで上手くフロアを作りつつ自分のシカゴな個性も表現したRemi、そしてテクノセットでメインフロアに負けまいとハードに痺れさせたSakurabaと、パーティー全体に良いバイブスが溢れていたと思う。

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