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Hear & Now - Aurora Baleare (Claremont 56:C56LP011)
Hear & Now - Aurora Baleare
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2018年も注目すべきバレアリック・ミュージックは多くこのジャンルが豊潤の中にある事は間違いないが、そんな一年の中でも特に見逃せない作品がClaremont 56から夏頃にリリースされたHear & Nowの初のアルバムだ。Claremont 56と言えばPaul 'Mudd' Murphyによって運営されているUKのクラシカルなバレアリック・レーベルの代表格であり、バレアリックというスタイルの周りにディスコやクラウト・ロックにダウンテンポといった要素を取り込んで、特に生音の有機的な響きを用いた開放的なサウンドが特徴的だ。そんなレーベル性にこれ以上ない位にぴったりな音楽性を本作は含んでいるが、そのHear & Nowは2000年代から活動するイタリアからNYハウスへと接近したハウスアーティストであるRicky Lと、そして同郷のアーティストであるMarcoradiによる二人組の新しいユニットだ。このユニットの経歴としては同レーベルに一枚のEPを残しているだけで決して長くはないが、その音楽性はその活動歴よりも遥かに円熟している。アルバムは湿った霧が満ちる中でゆっくりと眠りの中から目覚めていくような"Aurora Baleare"で始まり、哀愁のギターの旋律と透き通ったシンセが溶け合い微睡んでドリーミーな雰囲気から徐々に動き出す。神秘的なシンセや凛としたエレピで青々しい空の下で闊歩するような長閑なニューディスコの"Stella Dei Venti"は、しかし中盤から印象的なベースも加わってよりオーガニックな響きによって血の通ったサウンドを増す。メランコリーな泣きのギターとからっとしたパーカッションが乾きながらも心地好いディスコダブな"Salsedine"、浮遊感と透明感のあるパッドを用いてバレアリックな壮大さを演出しながらもしっとりしたディスコのリズムがある"Trasimeno"、ここら辺もギターやドラムの生な音を前面に打ち出されており、身も心も包み込んでくれる優しさに溢れた温かさを感じる事だろう。風の音や鳥の鳴き声から始まる"La Marsa"はいかにも古典的なバレアリックとも言えるが、繊細なギターのメロディーから徐々にギターカッティングやシンセーベースも加わり、そして安っぽいマシンビートも入ってくれば途端にイタロの快楽的なディスコになる流れで、底抜けな多幸感へと突入する。そして最後の"Airone"はアルバムを締め括るに相応しい憂いの感情が溢れ出すセンチメンタルかつバレアリックなアンビエント系で、抜けの良いパーカッションがキックレスながらも大らかなビートを感じさせ、そこに哀愁溢れるシンセと泣くように咆哮するギターがこれ以上ない程にドラマチックに展開して、感動的な映画の一場面を見せるが如くのサウンドスケープを広がらせる。アルバム通して基本的には踊らせるのではなく心に響かせるリスニング主体となっており、特に感情を全く隠さずに豊かな心の内を見せる豊かな響きは何処までも清々しく、そして太陽の光を全身で浴びるが如くの楽天的な世界観だ。夏にリリースされた作品ではあるが、夜が長くなってくるこれからの季節にもぴったりな一枚。



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| HOUSE13 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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