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Afriqua - Vice / Principle EP (R & S Records:RS1808)
Afriqua - Vice/Principle EP
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80年代テクノを代表するレーベルの一つであるR & S Records、ニュービートから始まりハードコアなテクノやデトロイト・テクノを先取りし、時代を象徴するムーブメントの一旦を担った重要なこのレーベルは、しかしある意味では頑さが故にその後は流行に乗り切れずに2000年頃に一度は倒産してしまう。その後復活を果たして以降はやや流行も意識して新しいジャンルにも手を伸ばしつつ再度の繁栄を見せているが、それでもしかしこういった艶かしく催眠的なミニマル・ハウス/テクノにまで手を拡げてきた事にはやや驚きを隠せない。本作を手掛けたのはアメリカはバージニア州出身のAdam Longman ParkerことAfriquaで、これより前の作品でも生っぽい湿り気を帯びた流行りの繊細なミニマル・ハウスを手掛けていたものの、本作でその機能性と芸術性は極致へ辿り着いている。レーベルインフォでは70年代のクラウト・ロックやジャズに触発されたとの触れ込みだが、それ以上に掴み所のない滑った音楽性は個性的だ。ビートレスながらも繊細で変則的なパーカッションと彷徨うように方向性の無い電子音の旋律によってふらふらと酩酊する"Vign"に始まり、映画のシーンからのボーカル・サンプルを用いた"Melamed"でそのミニマル・ハウスは艷やかな花弁を開くように、妖艶な美しさを露わにする。官能的な電子音のリフ、生っぽい弦楽器風を民族的に用いたループは覚醒感を誘い、太いどころか細く連なる繊細でしなやかなビートはその軽さにしなやかに揺らされ、霊的なトライバルビートとなってエキゾチック・トランスとでも呼ぶべき原始的な快楽を呼び覚ます。"Noumenon"はアシッド・ハウスとは異なりながらも鈍いアシッドのベースが跳ねながらつんのめったようなリズムと合わせて、細いグルーヴ感を活かしながら躍動的に跳ねながらコズミックかつファンクな、それは何処かデトロイト・テクノのエモーショナル性とも共振するような響きがある。そして10分越えの"Cerch"は例えばチリアン・ミニマルの線が細くも艶めかしさを強調した作風で、ここではジャジーなベースが正に生命が胎動するようにリズミカルにビートを刻み、様々な電子効果音と爽快なシンセのメロディーを散りばめながら陽気にウォーキングするノリで軽快に引っ張っていく。残りの曲も基本的には骨格が浮き出て音の隙間を活かしながら繊細なグルーヴ感と生っぽく滑りのあるミニマルな曲調で纏められており、基本的にはここ数年の流行りのミニマルなモードを踏襲はしているのだが、没個性にならずにジャズ/エキゾチック/コズミックといった要素を自然と取り込み自分の音として消化出来ているように思う。非常に素晴らしいモダンなトラックではあるのだが、思い出の中の頑固職人的なテクノをやっていたR & S Recordsの音とは随分異なる点も面白くもある。



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