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Darling - Tulipa Moves (Safe Trip:ST 012-LP)
Darling - Tulipa Moves
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Young Marcoが主宰するSafe Tripは現在形のダンス・ミュージックのレーベルではあるが、何処か懐かしい時代感を含んで特にシンセサイザーの多幸感ある響きにこだわりがあるように思う。実際にMarcoはイタロ・ハウス/ディスコの再燃への貢献、またはGaussian Curveの一員としてモダンなバレアリック/ニュー・エイジの開拓に励んでおり、Safe Tripの音楽性はいなたくもほのぼのとした快楽性がある。Darlingはそんなレーベルで中心的に活動する一人で、本作は2018年にリリースされた彼にとっての初のアルバムだ。オランダのアーティストであるという以外はDarlingについての詳細は不明なものの、過去の作品を聞いても辿々しいドラムマシンによるリズムやアナログであろうシンセを用いて、イタロの系譜上にありディスコやエレクトロも盛り込んだダンス・ミュージックは古い味わいもありながら若々しいエネルギーに満ち溢れている。そしてこのアルバム、ダンスのリズムがある電子音楽ではあるが熱狂的なクラブの中のダンス・ミュージックではなく、ほのぼのとした田園風景が広がる仄かにバレアリックな曲群は底抜けにポジティブでドリーミーだ。神秘的な電子音のソロから始まり闊歩するようなリズムが入ってくる"Estimu"からして、無意味ながらも楽観的で豊かな電子音のメロディーや動物の鳴き声にも似た電子音の反復がコズミック感を作っており、70年代の電子音と戯れていたジャーマン・プログレが幾分かダンス化するとこんな曲調だろうか。"Tulipa Moves"はTR系の乾いたリズムがカタカタと軽快に躍動しオールド・スクール感のあるハウス調だが、透明感のある清涼な電子音の上モノは遊び回りながら長閑な世界に包んでいく。落ち着きながらもエレクトロ気味のリズムである"So Did We"はやや内向的で沈み込むようなメランコリーがあり、しかし光沢感のあるサウンドはシンセポップ調でもある。"The M Song"ではリズム無しで神秘的なシンセが描くメランコリーな旋律は、火照りを冷ますニュー・エイジやチルアウトの系譜上にある。"Pillow People"はその安っぽく原始的なリズムが初期テクノを思わせ、チャイムらしき可愛らしい音色や幻想的なシンセのメロディーも加わる事で、90年代のベッドールーム・テクノであるArtificial Intelligenceを思い起こさせる。アルバムは曲それぞれが異なる個性を持っているが総じてレトロフューチャーと呼ぶべきか、ヴィンテージな音の響きや野暮ったいリズム感を伴っており最新の音楽でありながらどこか懐かしく、聞いていると心がほっと安心する穏やかさに満ちあふれている。



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