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Takashi Kokubo - A Dream Sails Out To Sea (Get At The Wave) (Lag Records:LAGREC003)
Takashi Kokubo - A Dream Sails Out To Sea (Get At The Wave)
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まだまだ再評価は著しい和モノ音楽は特に国内からではなく海外からの力が強いが、2017年にUKにて始動したLag Recordsは日本の音楽の再発掘をコンセプトを明確に掲げている。そんなレーベルからの復刻3作目は小久保隆が1987年にリリースした『Get At The Wave』のリイシューで、元々は家電メーカーであるSanyoのエアコンのプロモーション音楽として制作されたもので一般発売はされていないという非常に貴重な音源だ。小久保はシンセサイザーを用いる音環境デザイナーで1980年代からシンセサイザーの音を前面に打ち出したアニメの音楽や建築物内のBGMを手掛けるなど、環境音楽家の先駆者の一人。ここでも正に環境音楽、つまりアンビエント・ミュージック的でもあるが、現代的に言うならばバレアリックな澄み切った多幸感が広がるサウンドデザインだ。新たに用意されたジャケットは無垢なトロピカル感の佇まいがあり、これだけでも何となくアルバムの音楽性を想像する事は出来るだろうか。クリスタルな透明感のあるシンセが伸びる中に耽美な響きを鳴らすハープ、そよ風を全身で受けるような優しく平穏な世界観の"Symphony Of Glory And Wind "は、点々と音が配置される事で間も活かされて実に落ち着いたバレアリック・アンビエント。"Underwater Dreaming"に移るとリズムは入っていないものの動きのある多数のシンセによって緩やかなビート感が生まれ清流に流されるような爽やかな雰囲気に満たされ、中盤から極彩色の羽衣が舞うような電子音のシーケンスが現れると、行き着いた先は悩みや苦しみから開放された極楽浄土の世界。A面ラストは繊細で美しいピアノ線の細いシンセによって静けさが強調される"Breath Of Blue Water"で、水が滴り落ちて波紋が広がっていくような臨場感のありながらただただ静謐で、静けさの中にもバレアリックな多幸感を見つける事が出来るだろう。B面にはオリジナルアルバム製作時の未発表音源である"Ocean Breeze"が収録されているが、15分にも及ぶこの曲では波の音から始まるフィールド・レコーディングも用いて、そこに優雅でクリアなシンセを加えて何処か南の島の楽園のようなトロピカル感覚に包まれる。音そのものに意味を込めずにひたすら音の鳴りの気持ち良さを強調した音楽は想像性を喚起するようでもあり、自分の心の中で現実を離れたトリップをさせる。80年代にこんなに素晴らしい環境音楽、そして今でも通用するバレアリックな音楽が日本にあったとは驚きだが、こういった音楽がクラブ・ミュージック側の人達から再評価されるのも、ハードワークなパーティーライフからの解放何ていうのもあるのだろうか。日常の中でずっと聞いていたいBGMだ。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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