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Thomas Fehlmann - Los Lagos (Kompakt:KOMPAKT CD148)
Thomas Fehlmann - Los Lagos
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ベルリンのニューウェーブ変異体であるPalais Schaumburgの元メンバーであり、Moritz von Oswaldとの3MBによってベルリンとデトロイトを結び付け、そして何よりもThe Orbのメンバーとしての輝かしい功績を持つベルリンのダブ・テクノ/アンビエントの重鎮中の重鎮であるThomas Fehlmann。DJではなく生粋のライブアーティストである彼が生み出す音楽は、揺らめくダビーな音響と緻密な電子音の変化、そしてシャッフルするリズムを組み合わせてダンスとしての機能性に芸術的な美学を持ち合わせた職人芸的なものだ。特にその音響面の才能は、例えばAlex Patersonがコンセプトを生み出すThe OrbではFehlmannがダブ音響の多くを担っているのではと思う程に、研ぎ澄まされた電子音の響きには個性を持っている。ソロアルバムでは前作から8年ぶりと随分と間は空いてしまった本作、繊細な音響面に於いては全く陰りは見られないものの年を経たせいもあるのだろうか、一聴して以前よりは地味でアブストラクト性を増している。オープニングの"Loewenzahnzimmer"は地を這うようなのそのそとした粘性の高いダブ・テクノで、モワモワとしたヒスノイズの奥には繊細な電子音響が散りばめられ、闇が広がる深海を潜航するようだ。続く"Window"で浮遊感ある上モノとしっとりしながらも軽く走り出す4つ打ちのテクノに移行するが、過剰な残響を用いずとも空間に隙間を残してダブらしき音響効果を作っている。"Morrislouis"ではお得意のシャッフルするビートで軽快に上下に揺さぶられ、徹底的にミニマルな構成ながらも微細な鳴りの変化によって展開を作り、ヒプノティックな世界に嵌めていく。元Sun Electricの一人であるMax Loderbauerが参加した"Tempelhof"は比較的幻想的なアンビエントの性質もあるが、シャッフルするリズムに加えて敢えて金属的な歪な響きの電子音を加えて目が眩むようなトリッキーさを加えている。しかしここまで聞いても以前と比べると随分とアンビエントの性質や甘美なメロディー等は抑えられており、ひんやりとした温度感で閉塞的な印象だ。しかし中盤以降、官能的ですらある妖艶なメロディーのループと溶解するようなねっとしたダブ・アンビエントの"Freiluft"、ギターサンプリングのループや色彩豊かな電子音を用いて祝祭感が溢れ出すダウンテンポの"Neverevernever"、そして惑星や星々が点在する無重力の宇宙に放り出されたかのように繊細な電子音が散りばめられたノンビート・アンビエントの"Geworden"と、前半とは打って変わって途端に鮮やかな色彩を伴いながら叙情性が現れて、こちらの方が以前のFehlmannの作風の延長線上だろう。アルバムの前半後半でがらっと雰囲気が変わる点でバランス感はやや崩れているが、それでもベルリン・テクノの音響職人としての才能はいかんなく発揮されており、するめのような噛みごたえのあるアルバムだ。



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