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2018/11/10 Theo Parrish & Marcellus Pittman 2018 @ Contact
2018年のクラブにおけるパーティーの中でこれ以上無い程に話題性十分な夜が、このTheo ParrishとMarcellus PittmanによるオールナイトB2Bロングセットだ。レーベルとしても圧倒的な存在感を放つSound Signatureを主宰しDJをとしても制作者としても孤高の存在であるParrish、そして自らはUnirhythmを主宰しながらもハウスを軸にファンクやロウハウスにビートダウンを展開するPittman、どちらもデトロイト・ハウスを体現するアーティストだ。そして二人共3 Charisのメンバーとしても活動していたように何か共通する音楽的観念もあるのだろう、近頃は二人一緒になってのツアーを海外でも行っていたようだが、遂にそれは日本へもやってきた。
オープンからクローズまでのB2Bという予想だったので当日は23時半頃にはフロア入りするも、やはり期待していた人も多いのだろう、フロアは既にその時点で人混みで溢れている。B2Bという触れ込みだったが、恐らくその時はParrishがプレイしていたように見える。Warの熱気溢れるアフロ・ファンクな"Good,Good Feeling"をプレイしており、どす黒く粘性の高いディスコで早くもフロアは図太く芯のあるグルーヴで汗臭く揺れている。そこから甘く誘惑するような女性の歌が入ったディープ・ハウスから、しかし奇怪な金属音に意識がくらくらさせられるロウ・ハウスへの転換と、序盤から混迷としてジャンルを軽く超越した世界観。極端に膨れ上がった低音のアンバランスな響きはParrishらしく、蒸し返す熱さの次にこうやって無機質で錆び付いた響きもあり、一見纏まりのない選曲がしかし何故こうも聴く者を魅了するのか。Mixxの"Salut The Noize With A Laugh"など新し目の曲でもしかし古き良き時代のシカゴ・ハウスのヒプノティックでロウな粗雑さが肉体を刺激し、歪んだ音質さえもが彼等の世界観の味付けとなる。かと思いきや古典であるChez-N Trentの"The Choice"の甘美でスムースな流れのディープ・ハウスが飛び出したのは意外だが、その流麗でエモーショナルな流れに気持ち良く踊らさせられる直球ハウスな展開もある。そこから暫くは艶のある甘さや陶酔感もある滑らかなハウスも積極的に用いていて、特に夜のダンスフロアらしい比較的ノリの良い雰囲気で、時折音のバランスを崩したり濁らせたりしながらも彼等にしては随分とクラシカルな印象だ。

この日はB2Bという話だったものの、実際には一曲毎に交代するのではなく30分〜1時間毎に交代していたようで、現場では殆どフロアの後方に居たのでParrishとPittmanのどちらがプレイしていたのかは分からないが、1時過ぎには朝方の至福な時間帯と同様の空気になったHarold Melvin & The Blue Notesによる"Don't Leave Me This Way"も飛び出してちょっと時間帯を間違えてやしないかという思いもありつつ、祝祭感溢れるフィリー・ソウルに強烈なイコライジングもかけてフロアをこれでもかと煽るように盛り上げる。そこから暫く続くディスコの時間帯、生のバンドサウンドは歪んだイコライジングにより更に生々しく荒々しく無骨な音となり、濁った低音が地面から迫り上がるが如く現れて、ぐるぐるとフロアを掻き乱す。所謂ミニマルとは真逆なあちらこちらに振れる展開の大きさにもかかわらず全くグルーヴが途切れる事はなく、フロアの熱気が高まっていき、時にはウェ〜イウェ〜イとフロアの前方から掛け声が上がったのにはやや苦笑。でもそれ位、この日のフロアの興奮や熱狂は格別だったに違いない。

そのディスコ・タイムの先に開けたのはロウなハウス。豊かな色彩の音は省かれて簡素になる事で骨の剥き出し感が強くなり、厳つく野性的なグルーヴを増す。古い曲のみならず新しいアシッドでレイヴィーなハウスもプレイするが、しかしそれすらも原始的な胎動を感じさせるオールド・スクール感に染まり、どたどたとした野暮ったいビートが逆にフレッシュに感じられる。と思いきやまたディスコに戻って生のラフな躍動感が走り出し、体の中から熱さが込み上げ汗も吹き出す感情性豊かな展開に、笑顔も自然と溢れてしまう。そしてジャジーな曲調ではより自由なリズム感がスウィングし、ジャンルの壁を壊しながらエモーショナルやサイケデリックといった要素が融解する。もはやハウスとは全く別のエキゾチック感の強いパーカッションや掛け声が入ったトライバルな曲、または甘い空気と揺らぐ残響が特徴の爽快なダブなど、またしてもがらっと展開を崩しながら息継ぎを入れるように一旦フロアを落ち着かせると、そこから再度激しいグルーヴが牙を剥くエネルギッシュなディスコで攻勢をかける。どたどた不安定さもある勢いのあるドラムが暴れテンションは上がりっぱなし、しかしそこからの急転直下なピアノの響きもしんみりとしたL.T.D.による"Love To The World"のハウスリミックスでぐっと切なく切り返したりと、ビート感や展開の振れ幅は非常に大きく全く先の予想はつかない。

中には正確にビート感を合わせずにミックスするぶっこみスタイルで、強引に雰囲気を転換させるミックスも無いわけではなく一般的に言えば決して自然な繋ぎではない時もあるのだが、もはやそういった点も含めて世界観を楽しむプレイなのだろう。その粗雑な繋ぎさえも味わいと呼ぶのは言い過ぎたろうか、しかしそれが許されるだけの説得力のあるプレイの背景にはどれも熱く燃えるような感情という共通項があるようにも思う。次第にボーカルと優美なエレピを用いた直球どハウス、硬く締まりのあるテクノ的なキックを用いた厳つい4つ打ちなどでグルーヴを均して、しかしそこから展開を崩したり逆に勢い良く走り出したり、そして曲自体にも過剰なエフェクトをかけて大胆な展開を生む。朝方には"Can You Get It (Suzie Caesar)"の土着的かつ原始的なファンクなディスコが地響きの如く響き、Evelyn "Champagne" Kingの"Out There"のソウルフルで熱い感情が溢れる弾けるディスコに胸は締め付けられ、常にエネルギーを放出してテンションは高く基本的にはディスコ/ハウス中心で押し通していた。この日は朝の4時頃になっても特段人が減る事もなく、勿論この後もまだまだ盛り上がるであろうプレイが続くのは分かってはいたのだが、早めにパーティーに来た事もありその時間帯にはフロアから退出。二人でのプレイは何となくParrish単独の時よりは勢いがあってテンション高めだったかなと思うが、結局どちらがプレイしていようとそれらは熱量の高い感情が爆発するダンス・ミュージックとして統一されており、兎に角心から楽しく幸せな気持ちになれるパーティーになった。フロアの中で掛け声がかかったりしたのもきっと彼等のプレイに心が反応したからだろうし、ああいう場面が見られるのも昔の活況だった頃のクラブの猥雑としたエネルギッシュな雰囲気があったからこそだと思うと、音楽大好きなリスナーやノリで遊びに来る層とかも含めてやはり色々な人種が居ればこそパーティーは成り立つのだなと久しぶりに感じた一夜だった。
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