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2018/12/21 25 Years of Paradise -King Street Sounds 25th Anniversary- @ Contact
筆者にとって2018年を締め括るパーティーはNYハウスを象徴するレーベルの一つであるKing Street Soundsの25周年記念を冠した「25 Years of Paradise」。出演するのはNYハウスの隆盛に貢献したJoaquin Joe Claussell、そして日本からはハウス・ミュージックへの深い理解と愛を持つDJ Nori×Dazzle DrumsのB2BセットやToshiyuki Goto、またジャパニーズ・ハウスの先駆けの一人でもあるSoichi Teradaのライブも予定など、ハウスを愛するものであれば避けては通れないようなパーティーである事は間違いない。正直なところこの10年間においてNYハウスの勢いは陰りを見せており、ダンス・ミュージックのシーンの中でも以前程の大きな影響力を持つには至ってない。しかしきっとこのパーティーに於いては(NYハウスだけではないがろうが)ハウスの時代を超える普遍性や魅力、ポジティブなバイブスを伝えてくれる事を期待し、特別な一夜を体験するためパーティーへと参加した。
当日楽しみにしていた一つとしてDJ Nori×Dazzle DrumsのB2Bセットがあったが、今や目を引く為の目的としてなってしまった感もあるB2Bを彼等が安易に引き受けるわけもなく、そこにかける意気込みは人一倍だろう。フロアに入った頃にはNagiシカゴ・ハウスのクラシックである"It's You (Vocal)"を回し、辿々しくもエモーショナルなハウスな歌や響きがフロアを温かく包んでいる。そしてフロアを見渡すとフロアの真ん中で体を振り乱して踊っているのはJoe 、パーティーの雰囲気を掴む目的もあるのだろうが、何よりもそれを楽しもうとしている行為が嬉しくこれは良いパーティーになる予感がする。続いてKeiはTR系の簡素なリズムのみがビートを刻むツール的なシカゴ・ハウス寄りの曲でどたどたと無機質なマシングルーヴでフロアを揺らし、そこにDJ Noriはファンキーなサンプリングが繰り返される"House Nation"を繋げるなど、DJの心が一体化した選曲でハウスの歴史を掘り下げていくようだ。粗雑で洗練されていない曲調を持続しながらも、しかし逞しくファンキーな響きは肉体的。更にNagiは凛としたピアノとボーカルがぐっとソウルフルに感情を高めるハウスでアップリフティングに展開し、Keiはピアノ繋がりを意識したのかSoft House Companyの"What You Need"で多幸感溢れるバレアリックな雰囲気をフロアに加える。更にはゴスペル風な祝祭感のあるAlison Limerickの"Where Love Lives"まで飛び出して、クラシックまっしぐらハウス展開に盛り上がらずにはいられない。がそんな明るい展開だけでなく、洗練されたダークで妖艶なハウスで闇に潜ったり、熱く血潮が滾るハウスでぐっと感情的になったり、サルサ風なリズム感が小気味良いハウスで爽快に踊らされたりと、ハウスを軸にジャンルは揺れながら、そしてDJがそもそも音楽やパーティーを楽しんでいるかのような雰囲気が伝わるプレイだ。小難しく考える必要なんてない、ただ目の前の素晴らしい音楽に実を任せればよいのだと思わずにはいられず、いつしかフロアは踊る人も増えてきてもう準備は万全だ。終盤にはDJ Noriのアコギのフレーズがセンチメンタルな"Nomad"もかかり、トライバルなリズムに揺らされつつメランコリックな旋律にうるっとさせられぐっと感傷を強めていた。そしてまさかの"Say That You Love Me(FK EK Japanese Vocal Mix)"、クラシック中のクラシックな合唱系ハウスは誰しも幸せな気分に浸らずにはいられないだろう。King Street Soundsの25周年を冠したパーティーだったのである程度はクラシック多めとは予想していたが、序盤からそんな黄金時代を掘り下げる選曲で懐かしさと共にハウスの魅力存分なB2Bは、まだまだこれが続けばという思いさえあった。

そしてフロアが盛り上がってきたところでJoaquin Joe Claussellの登場。初っ端Mateo & Matosの"Maw Basics"、オルガンの印象的なコード展開のディープ・ハウスを繋げ、そこに続けたのはファンキーなトランペットサンプリングと自己陶酔系なボーカルが蠱惑の魅力を放つ"I'll Be Your Friend"と開始から一気に魅了する強烈な幕開けだ。早速大胆なイコライジングも発揮し大きな揺さぶりの展開を持ち込み、自身の煮え滾る感情の塊をぶつけてくるようなプレイ。そしてアフロなパーカッション、土着的なグルーヴ、ソウルフルな歌などJoeお得意の選曲に荒々しくも魂を揺さぶる過激なイコライジングも炸裂し、強烈で太い4つ打ちグルーヴと熱い世界観に引き込まれるドラマを展開する豊かな響きでフロアを大きな波で飲み込んでいく。甘くもソウルフルな"Rain (Let It All Come Down) (DF's Rainforest Mix)"にも荒削りな音響処理が加えられ、一曲の中だけでも大きな感情の揺さぶりを産み出していく。基本的にはアッパーな4つ打ちで最初からがつがつと盛り上げているので、流れ的に単調さが否めない点もあるが、しかし祈りにも似たような感情の込め方や肉体性のある生々しいグルーヴには抗う事も出来ず、力強い音が響き渡るフロアの雰囲気もハッピーな賑やかさに溢れている。

ここで一旦フロアはFoyerへと移動し、寺田創一のライブを聞く事に。寺田はPCやキーボードに小さい電子機器まで用意したライブセット。手を振り体を揺らし、機器も弄くり回しながら可愛らしいメロディーを奏でつつ、基本はベーシックな4つ打ちハウスで、30分という短い時間の為かさくさくとショートバージョンで曲を繋げていく。陽気なキャラクター性で身振り手振り大きく客を扇動しつつも、曲自体は非常にキャッチーで人懐っこい性質だから親近感さえ感じさせる。昔何処かで聞いたような、そんな懐かしい雰囲気は最早古典と呼ぶべき曲調で、しかしそういった性質だからこそ今の時代でも色褪せない普遍的な魅力があり、ハウス・ミュージックの良さが実直に伝わってくる。後半にはよいすら節をハウスみたいにした歌を寺田が歌い出すなど、ハウスをやりながらもそのユニークさが面白おかしい。ラストはあの定番の"Sunshower"、メランラコリックでキャッチーな情緒にしんみり気分であっという間の30分。ステージ最前線では多くの外人の客も楽しそうに盛り上がっていたけれど、音だけでなく体全体を使って楽しませるライブは確かに国境を超えて盛り上がれるものだったと思う。

その後、再びJoeのプレイを聞きにメインフロアへ。先程と全くテンションや雰囲気は変わっておらず、相変わらず弾けたように陽気でアッパーな土着/アフロなグルーヴのハウスの応酬が続いている。やはりTeradaの音楽に比べると湿度があり生っぽく、その有機的な響きにJoeの熱量の高い情熱が込められている。と思ったらいきなりブギーでディスコな"Boogie Wonderland"も突如ミックスされ、ディスコの派手派手しい賑やかさと共にピースフルでハッピーな雰囲気でうきうき陽気な気分。そこからKimara Lovelaceの"When Can Our Love Begin"の愛くるしい歌も入ったソウルフルなハウスでほっと心も温まる時間帯で、束の間の甘い休息的な雰囲気に安らぎを感じる。そこから再度、地響きのようなトライバルなパッカーションやキックが力強くビートを刻むハウスへと戻り、フロアが洗濯機の如く怒濤の勢いで掻き回される。そしてずんずんと響いてくるあの印象的なピアノの響きは、合唱系ゴスペルの"Most Precious Love"でぐいぐいとハイエナジーな魂の鼓動に引っ張られ、そこからエレクトロニックな響きの強いドラッギーな&MEの"In Your Eyes"まで拡張し、暗き闇を妖艶に美しく彩っていく。そこから暫くは硬質でテクノにも近い覚醒感あるテッキーなハウスでひんやりとした妖艶さを強めたりと、決してただ感傷的に昔を懐かしむようなプレイではない。が、やはりまた後には生々しい土着/アフロなハウスへと戻るのはある意味予定調和だろう。どうしたって感情が溢れ出すように熱くなってしまうJoeのプレイ、それは何かを伝えようとするジョーの姿勢の現れ。時にはミックスもミスったりやり過ぎなイコライジングもあったり、曲を弄り過ぎて微妙な展開もあったりするが、そういったものを超越して煮え滾る情熱で聞く者の心を共鳴させるソウルフルなプレイはJoeの個性である事は間違いない。この日はスピリチュアルと言うよりは真っ直ぐに情熱的なハウスの感情を前面に押し出して、(少なくとも自分がその場にいた時間帯は)愛や平和に希望といった雰囲気を伝えてくるような4つ打ちセットが中心だったからこそ、その分かり易さに身を委ねて踊る事が出来た。DJ Nori×Dazzle DrumsからJoe Claussellの流れは、勿論King Street Soundsの25周年というパーティーの性質上懐かしくなるのは当たり前だったのはあるにしても、あのSpace Lab Yellowの空気を思い起こさせる賑やかでハッピーな雰囲気があり、それを期待していただけあって本当に素晴らしい一夜を体験出来た。たまにはこんなハウス・ミュージック漬けの一夜も良いものだ。

■Soichi Terada - Sounds From The Far East(過去レビュー)
Soichi Terada - Sounds From The Far East
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