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2019/1/26 Forbidden Dance × FreedomSunset ”New Years Party” @ Solfa
毎年夏の季節に湘南は江ノ島で開催されているSunset Loungeは老若男女が楽しめる夏の野外パーティーとして定着しているが、今回そこから派生したのはSolfaで開催されるクラブ型のFreedomSunset。しかも今回はSunset Loungeレジデントの一人である井上薫が主宰しているForbidden Danceとのコレボレーションで、更にはもう一人のSunset LoungeレジデントであるCalmも出演する事になり、クラブ型ではありながらも完全にSunset Loungeイメージそのものが投影される。クラブ開催ではありながらも夕方〜夜にかけての時間帯なので、また真夜中のパーティーとは異なる雰囲気もあるであろうし、期待が高まる。
17時頃に現地入りして先ずはBlock Party等でも活躍するKengoのプレイから楽しむ事に。普段のパーティーとは異なる夕方の時間帯という事でリラックスした感じのフロアに合わせ、サイケデリックな電子音が迸りゴージャス感あるディスコをプレイしていて、緩いダンス・グルーヴはありながらもじっくり丁寧と音を聴かせるプレイ。酒を片手に音に合わせて体を揺らし、懐メロ的な雰囲気に魅了される。Keyshaによる色っぽくもあどけなさが残るシンセブギーな"Stop It!"、Mike Francisのレトロなシンセ炸裂な哀愁ダンス・ポップの"Features Of Love"など、黄昏時のセンチメンタルモードを誘う流れにしっとり切なさに染まる。激しいグルーヴとは無縁ながらもしっかりと地を捉えるどっしりとした安定感あるビートに支えられ、気怠さと共に心地好く体は揺れる。そんな中にダブなリズムの"Little Fluffy Clouds (Cumulonimbus Mix)"も繋げてトリップ感やアンビエント感によりふんわりとした空気でフロアを満たして、夢心地な揺らぎを持続させる。そこから再度哀愁滲み出るディスコティックな流れに戻り、終盤はややビートも強くなりヒプノティックな電子音が目立つ現代的なハウスも織り交ぜて、夜の喧騒へと足を踏み入れる高揚感を作っていく。ラスト間近には"Jingo"の印象的なボーカルをサンプリングしたKeita Sanoの"Life Has Changed"もプレイして、快楽的にファンキーなノリで盛り上げてフロアの雰囲気を沸かす。

Calmは一旦前のDJから音を一旦切って、可愛らしい歌が印象的なHelado Infinitoのシンセ・フォーク的な"Encontrar"で仕切り直すように開始。そこにCalmの曲だろうかジャジーでセンチメンタルな曲を繋げて、如何にもらしい淡い叙情が一気にフロアを満たす。そこからはゆっくりと、しかししっかりと地を踏みしめる80年代ディスコや大らかに揺蕩うディープ・ハウスが連なり、胸を締め付ける郷愁か広がる。ダンス・ミュージックではあるが閉塞的かつ抑圧的なフロアではなく、密室のクラブの中にも青空が広がるような開放的な雰囲気のある選曲は正にバレアリックでもあり、一曲一曲に耳が惹かれる。とそんな中にDisko Drunkardsのギターやベースがうなるサイケデリック・ロック風なディスコの"Do It"も落とし込み狂うような妖艶な雰囲気を作り、少しずつ真夜中のダンス・フロアの雰囲気へと移っていく。勿論基本はダンスのグルーヴではあるが何か一点のジャンルに収束するでもなく、むしろジャンルに縛られずに躍れる曲であれば何でもありという感じで、テクノもハウスもディスコもトライバルもロックもと小さな源流が合わさっていき広大な大河の流れの中に飲み込んでいくように、様々なジャンルと要素がそこに混在している。Blay Ambolleyのアフロなパーカッションが爽快な民族的なハウス"Simi Rapp"にほっと一息つきつつ、Mike Oldfieldのプログレッシヴ・ロックに野暮ったいディスコが邂逅した"North Star / Platinum Finale"と、古くて青臭くもありながらセンチメンタル爆発のしみじみとした響きは夕方のパーティーにはまっている。また所謂一般的なDJらしく繋ぎ目を分からないようにするミックスに執着もせず、場合によっては一曲をフルでプレイする事でその曲自身の魅力を伝えるようなプレイで、ただ勢いで飲み込むのではなくCalmらしい包容力のある世界観が発揮されていた。そしてレゲエのアフタービートが爽快なディスコで再度フロアの緊張感をほぐしてから、土着的なロックへと移行したりと予想のつかない展開だからこそ、未知なる旅のようにわくわくしたりもする。それでも終盤はフロアを大きく揺らすダンス・トラックが増えてきて、土着的だったりプログレッシヴ・ハウスだったりしながらも、適切に夜のモードへと移行する事で盛り上げてDJを引き渡す。

ラストの井上薫奇は初っ端かな完全にダンスモードで、奇妙な鳴りをする電子音が響くディープテックな曲調で始まって深い混沌が広がる抽象的な響きから、&MEの更に闇深い所に潜っていくディープ・ハウスな"As Above So Below"で闇夜の中に妖艶なピアノが恍惚を生み、空間が融けていくようなドラッギーな流れだ。そこから同様にディープで官能的なハウスの"Roma Norte (Jimpster Remix)"に繋いで、序盤は真夜中のフロアそのものな色気ある雰囲気で、その深みにはめていくスタイルによってパーティーの熱量も高まるようだ。そして現れる井上らしい民族的な歌も加わったハウスではエレクトロニックな響きの中から霊的な力が溢れ出してきて、その壮大な世界観に畏敬の念を抱かずにはいられない。そこにTraumerによるエキゾチックなパーカッション炸裂なミニマル・ハウスの"Gonna Get"を落とし込む事で、世界を横断するクロスオーバーまたはコスモポリタンな性質が顕著になる。中盤に差し掛かるとディスコ・ハウスやテック・ハウスもプレイしつつも闇の中をを抜け去って光に照らされる陽な雰囲気が強まり、そしてファンキーかつポップな和モノブギーな"Funky Flushin'"を投下すればフロアはディスコの多幸感に包まれる。勢いに乗って生音が温かく感じられるディスコへと繋いでくれば、懐メロよろしくな懐かしい時代へと遡りお約束の時間帯の到来だ。ずんずんと響いてくるリズムと長いイントロ、そう合唱系ダンクラのコテコテな"Relight My Fire"によってフロア総勢で盛り上がるダンクラタイムへと突入。そこにRoxy Musicののドリーミーなシンセポップな"More Than This"の甘い世界に陶酔させられ、更には井上薫の至高の名曲である"Aurora"もかかればそこには絶対的な幸福圏が形成される。民族と都会が邂逅したサウダージ、全ての感情を吐き出す如く圧倒的にエモーショナルな曲でピークを迎え、その後力を出しきって弛緩した状態にサルソウル・クラシックの"My Love Is Free"の賑やかなディスコバージョンはフロアを神々しく照らし出すようにポジティブな力で鼓舞し、ダンスは止まらないぞという気持ちだ。そしてパーティーはもう終わりだ、家に帰ろうよと示唆するように再度Roxy Musicの夢現な甘いAORの"Avalon"によって微睡むアンビエント感を滲ませつつテンションを落として終了。

全てが終わった後のフロアは落ち着きを取り戻し安堵な空気が流れていたが、いつものSunset Loungeなら野外での開放的な体験だしいつものクラブなら真夜中の狂騒でとそれぞれ魅力はあるが、この夕方のパーティーにもそれらと異なる温かい雰囲気に満たされたフロアの魅力があり、週末は夕方のパーティーもこれからはもっと足を運んでみようという気持ちになる内容であった。早い時間帯から最後までメインフロアもサブフロアも多くの人で賑わっていて、とてもいい雰囲気のパーティーになったと思う。

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