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2019/2/9 NUTS @ Grassroots
東高円寺の音楽酒場であるGrassrootsでは複数のレギュラーパーティーが開催されているが、その一つがNehanが主宰するNUTSだ。かつてはUnit等幾つかのクラブにて開催されていてたARTEMISのメンバーでもあるNehanが、2015年頃から新たに自身の表現の場として立ち上げたパーティーであり、またゲストには有名無名に限らず実力ある国内の、そして音楽的な繋がりのあるDJを迎えて、不定期ではあるもののGrassrootsの看板の一つとして地道に開催を続けている。今回は同じくGrassrootsで長くレギュラーパーティーを持つKabuto、そしてDessous Recordingsからも作品をリリースし作曲家としてもDJとしても評価を獲得しているIori Wakasaをゲストに迎えており、今年初のNUTSは盤石の布陣をもって開始する。
日が変わってから現地入りすると、パーティーはまだ序盤ながらも程良い人数の客が遊びに来ており、騒がしくはなく落ち着いた雰囲気の中でみな会話を楽しんで団欒としている。こういう風景を見るとクラブに来ながらも誰かのお家にお邪魔しているような感覚がGrassrootsという酒場の魅力に感じられ、真夜中のパーティーの興奮と言うよりは心落ち着く場所だなと常々思う。そんな中でNehanも会話を楽しんでいる場を壊さないように耳に馴染みの良いうっとりしたスムースなハウスでゆらゆらとした心地好い揺らぎを作り、ダビーな音響のある曲なども用いて官能や色気さえも漂わせている。盛り上げるわけでもないが下げるのでもなく、淡々としたクールなプレイはBGMとしても最適なプレイで、パーティーのウォームアップを後押しするようにオープニングDJの役目に徹していた。

続くIori Wakasaはハウシーな流れを引き継ぎ、朧気なシンセのリフが色気を生むディープ・ハウスで情緒豊かに開始。ミニマルに統制されたグルーヴ、無駄な装飾が省かれたシンプルな曲調、ダブ・ハウス的な残響も混ぜてきたりとするが、大袈裟な展開はなくフラットな持続感が滑からで心地好い。じわじわと辛抱強くグルーヴを引き延ばし少しずつ盛り上げる展開で、酒を飲みながらでも楽しめる丁度良いリラックスした感もある。その滑らかな展開はいつしか勢い付いて真夜中のざわめきも強くなり、曲調もアシッドを用いながらもセクシーなハウスやノリノリで躍動感溢れるヒップ・ハウスなどが出てきて、選曲の幅も大きくなって盛り上げていく。が、大袈裟なメロディーで派手な展開を作る事はなく、やはり持続感のあるグルーヴ重視で反復を強調する中にうっすらと妖艶なリフや淡い叙情性のあるメロディーで上品に装飾して、強迫的に聞かせる事や踊らせる事は全くなく自然と音に引き込んでいくプレイ。テック・ハウスやディープ・ハウスといった音楽が軸になっており、時折色っぽい女性ボーカルを用いたセクシーなハウスも飛び出す辺りはIoriのエモーショナル性が感じられ、汗臭くなく綺麗な響きにはすっきりと洗練されたモダンな感覚が込められている。また逆に芯の太いキックが打ち付けるハウスではうねるアシッドのベースラインも相まってファンキーな要素を打ち出すなど、ハウスという枠組みの中で肉体的なグルーヴから心を震わすエモーショナル性が共存しているのだ。終盤は跳ねるようなリズムで疾走感も伴って、盛り上がったまま次のDJへと交代。

Kabutoは前から続くスムースな勢いを落ち着かせるように、鈍い音質のリズムが刺激するエレクトロ気味なテクノで開始。粗悪なアシッドのベースがうねりリズムは捻れ、そこからも歪なリズムのエレクトロがカクカクとしたビートを刻み肉体を震わす。勢いを落とすと言うよりは崩れたリズムが躍動感を生むプレイで、どこか時代感のある音はニューウェーブやオールド・スクールな点とも共鳴しており、Akwaabaの原始的な脈動を感じさせるディスコダブな"Munkey"までプレイしていたのは印象的。音数は少な目ながらも重心低めの厳ついテクノ/エレクトロで鞭打つファンキーさを発揮し、次第にプレイは重さからスピード感へと変化して弾けるようにリズムは躍動し、そしてデトロイト的なエモーショナルな上物も入ってくれば希望に満ちた高揚感も増してくる。しかしそこから再度音を削ぎ落としてリズムという骨格を浮かび上がらせて、簡素なエレクトロ寄りなテクノで無骨に攻める。音の密度を少なくしながら骨太なキックや鋭利なスネアによってびっしばっしと強烈なリズムを叩き付け、勢いや音数の多さに頼らずとも攻撃的なDJを表現し、肉体的に十二分に刺激のあるプレイに痺れる。その後もエレクトロを基調にした選曲でボディーブローのようにみぞおちに効いてくるプレイを続け、木琴のメロディアスな響きがエモーショナルなTerrence Parker変名のPolartronicsによる"The Deep (Instrumental)"が投下された瞬間は、Kabutoのエモーショナル性が特に感じられ心に残る印象的な時間帯だった。こういったデトロイト宜しくな仄かに温かい感情性が広がる上物が時折入ってきたりするのもKabutoらしくもあるが、朝方になるとやや曲調は明るくなってきてエレクトロ・ビートも軽快さを増して無骨なだけでなく爽快な空気を纏う。特にTB-303とTR-808の簡素な響きのリズム帯と透明感あるパッドを用いた余りにも穏やかなディープ・ハウスの"Tonight (Big Strick Remix)"、スカスカながらも清々しく仄かにセンチメンタルなこの曲は朝方の気怠い雰囲気にはぴったり。いっぱい飲んで踊って楽しんだ後の疲労感の中で、こんな風に心身を癒やす曲がやってくるのだから、最高以外の何物でもない。

本当はオープニングしか聞けなかったNehanの更なるダンスセットも聞きたかったし、この後もそれぞれ2回目のDJへと突入してまだまだパーティーは続く予定だったのだろうが、それぞれの魅力的なDJを楽しみ美味しい日本酒も飲みGrassrootsのホームパーティー的な雰囲気も十分に楽しんだので、6時前にはフロアから退散。勝手知ったる3人だからこそ、それぞれが異なる音楽性で魅了しながらも実に情緒豊かな一夜を飾るパーティーになり、清々しい気分でフロアを後にした。
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