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Midnight In Tokyo Vol. 2 (Studio Mule:Studio Mule 6 CD)
Midnight In Tokyo Vol. 2
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近年再発掘がされる和モノはもはやムーブメントに近い勢いとなっているが、その流れに乗るレーベルも少なくはない。2005年の設立以降、ダンス・ミュージックのシーンにおいて世界規模での成功を成し遂げた日本のMule Musiqもその流れに同調し、2018年初頭からダンス・ミュージックという制限を取り払ったStudio Muleから和モノのシリーズとして『Midnight In Tokyo』を開始させている。第一弾はディスコやブギーが主題となっていたが、その第二弾となる本作は全体としてエレクトロニックなフュージョンやジャズ、またはシティーポップが中心となっており、当方は収録されているアーティストについて大半は知らないもののそれでも尚直ぐに魅了される程の普遍的な魅力を持った曲が集められている。オープニングはサックス奏者の沢井原兒による"Hikobae"だが、これがかなり異形なフュージョンで面白い。回転数が狂ったのかスローモーなテンポに和なのかエキゾチックなのか訝しいサックスのメロディーに民族的なパーカッションも加わり、空間も歪むようなサイケデリックな感覚に満たされるこの曲は、Bill Laswell率いるMaterialがプロデュースしたとの事で納得。続くTodayʼs Latin Projectはラテンのカバープロジェクトだったようで、"Danza Lucumi"は燦々とした太陽の日が降り注ぐカリビアンの長閑な雰囲気に溢れており、その青々として清々しいイメージは正に南国だ。そして坂本龍一も制作に加わった鈴木茂による"On The Coast"は、AORやシティー・ポップの範疇だろうかレトロながらもキラキラとした都会的な響きで、特に咽び泣くようなメロウなギターが心に染みる。一方でかなりジャズ色の強い曲もあり、King Kong Paradiseによる"Samarkand"はリズムは大胆かつライブ感溢れて展開しギターも感情が爆発した如く咆哮し、ラテンとジャズが融合したセッション性の強い激熱な展開が繰り広げられる。そしてアルバムの終盤は特にメランコリーなフュージョンが中心で、鳥山雄司による透明感のあるシンセに切ないギターが表情を付けていくアーバン/ブギーな"Bay/Sky Provincetown 1977"、しんみりとしたエレピに女性ボーカルも起用して切なくしとやかなAORに仕上げた奥慶一による"Heat Wave"、そして最後はSafariによる南国のリラックスしたビーチサイドな雰囲気が溢れる郷愁のレゲエ風味もあるラテン・フュージョンの"Day Dream At The Bob's Beach"と、メランコリーな曲調が続きぐっと引き込まれる事間違いなし。7〜80年代の日本に、そしてクラブ・ミュージックではないものの、こんなに素晴らしい音楽があったなんて今更ながら再発見であり、こうやって素晴らしい音楽に出会う機会を提供するStudio Muleの役目は非常に大きい。



Tracklistは続きで。
01. Genji Sawai - Hikobae
02. Today's Latin Project - Danza Lucumi
03. Shigeru Suzuki - On The Coast
04. Air Suspension Club Band - In The Hot City
05. Yasunori Soryo & Jim Rocks - So Long America
06. Jugando - Twisty
07. Kingkong Paradise - Samarkand
08. Katsutoshi Morizono With Bird's Eye View - Imagery
09. Om - Windmill
10. Parachute - Mystery Of Asian Port
11. Yuji Toriyama - Bay Sky Provincetown 1977
12. Keiichi Oku - Heat Wave
13. Safari - Day Dream At The Bob's Beach
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