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2019/3/9 Funky Sensation @ Contact
Body & Soulの一人としても活躍しニューヨークのディスコ時代から活動を続けるDJ中のDJ、Francois Kevorkian。ダブをコンセプトに長らく開催してきた「Deep Space」を終了させた彼が新たに向かうのは、自身のルーツを顧みるようにディスコやファンクを軸としよりパーソナル性の強い音楽で、それこそ「Funky Sensation」だ。ディスコやファンク、ハウスやテクノから時にドラムン・ベースやロックまでその言葉通りにクロスオーヴァーな音楽性を体現するDJではあるが、ここ10年程はパーティーによってはかなりテクノ色を打ち出した時も少なくはなく、その意味ではルーツ回帰な面もあるコンセプトは逆に新鮮味を帯びている。当方にとっては2016年のContactのオープニングにKevorkianが抜擢されながらも開始早々に中止になってしまって依頼なので、リベンジの意味もある今回のパーティーに寄せる期待は大きい。
フロアに入ると既にもろに生っぽいディスコな選曲の中でミラーボールが回転しながらキラキラとした光で彩り、早くもパーティーはハッピーで和気あいあいとした雰囲気。DJブースに入っているのはToshiyuki Gotoで、パーティーのコンセプトに沿ったDJでこの時点で胸が高鳴ってくる。そこからアシッド気味なハウスやボトムの太いエレクトロニックなハウスなど、どっしりした4つ打ちを保ちながら深い闇へと入っていく選曲で、プレイはもう終わりかけで正味30分程しか聞けなかったものの、Kevorkianまでの時間帯を適切に作っていた。

そしてKevorkianが登場し、渇いたパーカッションがカリビアン的な"Cuando Brilla La Luna (Mr. Marvin Tribal Mix)"から開始。奇抜な金属的な響きから次第にぶっといキックが入ってくるイタロな恍惚感のハウス、開始早々に壮大なグルーヴに飲み込まれていく。そこから多彩で躍動するリズムと豊かなピアノやフルートが炸裂する"Flying Machine (The Chase)"で強烈なディスコ・ファンクも繋がれ。一気にフロアは賑やかで嬉々としたLove & Peaceなディスの空気に包まれる。更には太いベースがうなり管楽器が派手に響くファンクで汗も吹き出しながら熱量を増すなど、この時点からルーツ志向という「Funky Sensation」のコンセプトが明確に現れる。クラブという密室にもかかわらず抑圧とは無縁の開放的で清々しい雰囲気、熱気が立ち込めながらも闇を振り払うように爽やかで、そして何よりも深き闇ではなく燦々と太陽に照らされている気分だ。例えば昨今のテクノには多々ある抑圧的かつ退廃的なものではなく、むしろ優しく身に寄り添ってくるような親近感のある音。勿論それはただおとなしいというものでもなく、次第にリズムやグルーヴは多彩さを増し、振れ幅は大きくなりなりながらも決して世界観や流れが途切れる事はなくKevorkianという大きな源流に沿って展開される。ミックスされる事を目的としてはいないディスコやファンクの曲群も難なく自然と紡がれ、エフェクトも大胆かつスムースに駆使しながら大きなブレイクも入れる事で衝動的な展開を作り、序盤からしてそのプレイに圧倒される。そして非常に耳に残ったのはKH(Four Tet)の新曲である"Only Human"で、民族的なボーカル・サンプルと硬いダブ・ステップのキックが跳ねる魔術的なダンス・トラックは、流石Kevorkianの長い経験と深い知識に裏打ちされたクロスオーヴァー性が感じられ、そこからテクノ色の強いクールな選曲の中にもブラジリアンなフレイバーもあったりも、様々な要素が上手く融和しているのだ。そして"Earth Can Be Just Like Heaven"と華々しく賑やかなガラージ・クラシックのディスコへと戻るが、こうやって電子の打ち込み系と生音系の曲をそれぞれ聞くと後者の方の熱量の高さや生々しい臨場感に迫力が感じられ、このパーティーではフロアの反応も後者に軍配は上がっているようだ。ビートが肉体を刺激しハッピーな旋律が心を躍らすハウス〜ディスコ〜ファンクが交互に怒濤の勢いで押し迫りながらも一旦ピークは弾けて、そこからFSQの落ち着いてバレアリック感もある清々しいディスコの"I Zimbra (Alternate Mix)"で高まったフロアのテンションを整えていく。

ここでメインフロアを離れてセカンドフロアのKuniyuki Takahashiのライブへ。PCやキーボードにTR-8Sを合わせたいつものセットを備えており、序盤はTRの渇いたパーカッション等のリズムを民族的かつミニマルに展開して簡素な響きを極めたディープ・ハウスで緩く始まり、そこにキーボードによるフリーキーな旋律を被せて渋い情緒を付け加える。やたら滅多に盛り上げるのでもなく寧ろ淡々としながら持続感を打ち出し、ある意味では枯れた詫び寂びの味わいがしんみりと心に染みてくる。土着的なパーカッションの響きは深い森の中で鳴っているような感覚があり、安っぽく思われてしまうと困るがそれはスピリチュアルな響きでもある。次第にリズムを刻む打楽器の数も増え大地の胎動の如く太いグルーヴによって揺さぶられ、それに合わせてキーボードのプレイも熱が入ったように感情的に盛り上がっていく。また笛も吹いたりとマルチ奏者らしい演奏ぶりは目でも引き付けるライブで、たった一人で行うライブながらも色々な楽器を用いて演奏してセッション感が生まれているのだ。展開として然程ぶれずに特にリズムで引っ張っていくような点が目立っていたが、最後には地震のような響いてくるキックはあの名曲"Precious Hall"だ。どでかく響くキックと荒々しいパーカッション、そして原曲以上に切なさを誘うメロウなピアノが一体となり、パワフルにフロアを揺らしながら心を熱くする見事なハウス・トラックによって文句無しにライブを締め括った。クラブ・ミュージックのライブというとどうしてもある程度は出来上がったものという制約の中で機械的な印象を拭えない事は多々あるものの、Kuniyukiのライブは霊験あらたかで生命力の息遣いを感じさせる点に魅了さられる。

その後は再びメインフロアへと戻りKevorkianのプレイを聞く事に。一旦ピークタイムは過ぎたのだろうかテンポはやや落ち着いているが、肉体性を伴う情熱的なディスコやファンクが鳴っており、Horse Meat Discoのベースがブンブンうなるファンキーな"Let's Go Dancing"など強烈なグルーヴががつんとみぞおちに差し込んでくる。ルーツ志向なパーティーてはあるものの懐古的だけではなく最新のディスコも咀嚼し、そこからモダンで洗練されたテック・ハウスや色気発する歌モノのニューヨーク・ハウスも同列にミックスし、再度熱を伴いながらテンションを上げていく。特にテック・ハウス等の曲では滑らかなグルーヴ感と綺麗な音に心地好く爽快に踊らされるが、そこにいきなり"Welcome To Our World (Joey Negro Funk In The Music Mix)"を落とし込んでがらっと懐かしくセンチメントな空気に一気に切り替えるなど、聞く者が盛り上がる術を熟知していると言えばよいのか、スムースな繋ぎから大胆な上げ下げまで行いながらもそれが不自然でもなく、流暢に流れに乗っていく。朝方はより自由さが強く出てディスコからファンク、ハウスやテクノがどんどん切り替わり目まぐるしくもそれがスピード感へと繋がっていて、フロアのテンションは一向に下がらずに幸せな空気がフロアに満たされてディスコ・フィーバーしている。そしてデトロイト好きは歓喜する名曲"Blackwater (Strings Vocal Mix)"で妖艶かつエモーショナルに彩り、盛り上がった流れから金属系の硬いパーカッション乱れ打ちの強烈なダブ・ステップへ転換するなど、鮮烈に記憶に残る瞬間も作る。またLouie Vegaによる古典再構築の"Get With The Funk"の陽気な賑やさかがファンキーなハウスにしたって、ディスコでありながらも現在形として成り立っており過去と現在と未来の橋渡しを実践。最新の曲もミックスする影響もあってルーツを巡るプレイは懐かしくも古臭くはなく、全体としてKevorkianらしいスタイリッシュで洗練された世界観になるのだろう。朝方になりパーティー途中で会場を後にしたが、2000年代に入ってからのテクノ色が強くなる前のFrancois Kevorkianといった趣きのプレイは期待していた通りながらも久々の体験は新鮮味もあり、「Deep Space」のダブの深い音響とは異なりながらも「Funky Sensation」も深いルーツを十分に感じさせるものだった。齢65のDJは衰えるどころかより一層輝きを強く放っており、文句無しの一夜となった。

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