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Mark Barrott - Nature Sounds Of The Balearics (Running Back:RBINC003CD)
Mark Barrott - Nature Sounds Of The Balearics
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International Feelを主宰する事でバレアリック・ミュージックの芳醇を促し、そして自身もアーティストとしてもその音楽性を開花させている現行バレアリック・シーンの代表格であるMark Barrott。その彼によるニューアルバムは何とInternational FeelではなくGerd Jansonが運営するRunning Backからのリリースになるが、これは単純に彼とTalamanca Systemなるユニットを組んでいる関係性もあっての事であり、「Nature Sounds Of The Balearics」というタイトルからも分かる通りそのバレアリックな世界の中にある自然的な音響は全く変わっていない。その一方で本人曰く本作について「テクノ・アルバム」とも呼んでいる事もあり、過去の木々が生い茂るトロピカルでオーガニックな世界観に加え爽快で透明感のある綺麗な電子音響やカチッとしたリズムも前面に出ており、大自然とエレクトロニクスの見事な調和が結実している。過去の作風はリスニング重視でビートレスな曲も珍しくは無かったが、本作はカタカタとしたローファイなビートが入った"Aroon"で幕を開ける。と言っても有機的な笛らしき音色やニュー・エイジ調なシンセが融和しており、最後には虫の鳴き声も混ざりながら自然の中で深い瞑想へと誘われるような感覚から始まる。続く"Morning Star"は完全にビートが無いインタールード的作品で、アシッドなベースが生命の営みのように自由に蠢きつつ美しい複数のシンセのラインが豊かさを演出するバレアリック志向な曲。"Point & Figure"も豊かな大自然を感じさせる曲で、アタック感の強いキックを用いた緩いビートに合わせ深い森林を想起させる生命の音や透明感のあるオーガニックなシンセの響きが壮大な世界観となり、いつしか心は南国のトロピカルな森の中。一方で"TRIX"はキレのある電子音局が大胆に躍動しシカゴ・ハウスにも近い乾いたビートが荒ぶるテクノ色の強い曲で、とは言ってもビートが走る事はなく溜めを効かせたまま引っ張り続け、爽快な電子音響が刺激的に肉体に降り掛かってくる。そして一般的にイメージされるであろうバレアリックという曲なら大らかな青空に包み込まれるような緩いダウンテンポの"Keltner & Chalkin"もあれば、"Ichimoku"では心地好いアシッド・ベースのシーケンスが走りながら90年代前半のArtificial Intelligenceを思わせるギャラクティックな宇宙遊泳を楽しむ如く浮遊感のある曲もあったりと、バレアリックとテクノの自然な調和が存在するアルバムだ。最後は夜の帳が降りてきてしっとりムーディーに染まる"Evening Star"、幻想的なシンセのレイヤーがメランコリーで静かに幕を閉じていく。過去の作風に比べ随分とシンセサイザーの瞑想的な旋律を用いており、テクノやアンビエントにニュー・エイジの要素も濃くなった作風ではあるものの、根底にある自然主義のバレアリック性も変わらず実にBarrottらしくもある。記事にするのが遅れて間に合わなかったものの、2018年のベストアルバムに入れたかった程に素晴らしい作品だ。



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| TECHNO14 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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