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Max Essa - Themes From The Hood, The Cad & The Lovely (Deconstructed By Balearic Demand) (Hell Yeah Recordings:HYR7183)
Max Essa - Themes From The Hood, The Cad & The Lovely (Deconstructed By Balearic Demand)
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イタリアから現行バレアリックを先導するHell Yeah Recordings、そこから2017年にリリースされたMax Essaによる『Themes From The Hood, The Cad & The Lovely EP』はレーベルオーナーのMarco Peedooをして「これまでにリリースした中でも最もバレアリックなレコード」と言わしめた作品だ。英国生まれ日本在住のEssaはBear FunkやIs It Balearic?からも作品をリリースするなど、現在のバレアリック隆盛以前からその音楽性をハウスに取り込んで開拓してきたアーティストで、特にここ数年はその音楽性は豊潤さを増している。その決定打とも呼べる作品が前述のEPなのだが、そこから更に「バレアリックな需要に合わせて解体された」という作品が本作だ。元々は12分にも及ぶ「Themes From The Hood, The Cad & The Lovely」がここでは4つへのパートで計17分への作品へと生まれ変わっており、曲そのものは殆ど変わっていないものの曲を分割する事でバレアリック向けのDJに使いやすいように編集したというところか。ベルや笛に弦楽器らしき音などを用いてどこか和のスピリチュアル感もある始まり方の"Setting Sail"、重厚で美しいシンセストリングスも入ってきて深い瞑想を誘うニュー・エイジ/アンビエントなスタイルのパートで、終盤では繊細ながらも悲哀のムードを注ぐピアノが感傷的だ。そこに続く"Gold Hush (Part 1)"で軽くビートも入ってきて視界も開けたように清々しくクリアなバレアリック性が湧き出し、大海原をヨットに乗ってクルージングするような大らかで爽やかな世界へと出航する。"Dance Indigo"はおそらくニューパートだと思われるが、前のパートの雰囲気を引き継いだダウンテンポで、透明感のあるパッドやディレイするシンセで空間の広がりを作りながら、微かにしっとり切ないピアノの用いて叙情をもたらす。そして最後の"Gold Hush (Part 2)"で清らかでメロウなピアノのコード展開を続けながらまた静けさが漂う凪の状態へと戻りながら終息するなど、4つのパードで構成された組曲は薫風がそよぎ燦々と太陽の光が降り注ぐ大海原やビーチを思い起こさせる真夏のバレアリック・ミュージック。これからの季節にもぴったりなスローモーバレアリック、季節感があって実に素晴らしい。



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