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Âme - Dream House (Innervisions:IVLP09)
Ame - Dream House
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2004年にリリースされ世の中はデビューアルバムだと思っていた『Âme』(過去レビュー)は、実は本人達の中ではコンピレーション的な意味合いだったらしく、デビューから15年を経てようやくリリースされた本作こそ本当のデビューアルバムだと言う。そのように述べるアーティストこそベルリンのディープ・ハウス市場を長らく席巻するInnervisionsを代表するアーティスト、Frank WiedemannとKristian Beyerから成るÂmeで、様々なミュージシャンとのコラボレーションも行いながら構想も含めて3年に渡る制作の結果、ダンス・ミュージックという枠を越えてホーム・リスニングに耐えうるアルバムを完成させた。兎にも角にも「Rej」というフロアを揺るがす大ヒット作が記憶に残るものの、アーティストが成熟するにしたがってありがちな展開であるダンスにこだわらないホーム・リスニングという構想に良くも悪くもはまってしまったのか…という杞憂も無いわけではないが、元々ビート感に頼らずともメロディーとコードでの魅了する才能を持っているからこそ、結果的にはリスニング仕様になったからといって彼等の魅力は大きくは変わっていないし、ダンスだけにならなかったからこそより表現豊かにもなっている。Matthew Herbertをフィーチャーした"The Line"はビートレスな構成で、魔術を唱えるような歌に合わせミニマルな電子音の反復を合わせ、何やら宗教的な荘厳ささえも感じさせるアンビエント性があり、じわじわゆっくりと艶やかに展開する様はÂmeらしい。続く"Queen Of Toys"は比較的ダンス性の強い曲だがこれも上げるのではなく、歪なキックや不気味な電子音が暗い闇を広げてずぶずぶと深い所へ潜っていくディープなニューウェーブ調。"Gerne"ではジャーマン・ニューウェーブのMalaria!のメンバーであったGudrun Gutをフィーチャーしている事もあり、レトロな時代感のあるボディーミュージック的というか、刺激的なマシンビートを刻みながら汗臭くあり肉体感を伴うグルーヴが感じられる。そして遂にはジャーマン・プログレの鬼才であるClusterからHans-Joachim Roedeliusも引っ張り出して完成した"Deadlocked"は、前のめりなダンスではない変則ビートを用いた上に、キーボード演奏らしきフリーキーなメロディーや重厚な電子音響がどんよりと立ち込めるクラウト・ロック調で、変異体であったジャーマン・プログレへの先祖返りを果たしつつÂmeらしく深遠にメランコリーを響かせている。勿論全てがリスニング向けというわけでもなく、"Helliconia"ではDavid Lemaitreによるサイケデリックなギターをフィーチャーしながら、覚醒感を煽る多層的なシンセのリフと低空飛行のじわじわと持続するグルーヴ感によって、パーティーの中で感動的な場面を作るようなダンス曲もあり従来のÂmeらしさを踏襲している。しかしやはり全体としてはじっくり耳を傾けて聞くべき作風が多く、その後も木製打楽器のような不思議なリズムに祈りを捧げるような合唱で神聖な響きを打ち出したエレクトロニカ調の"No War"や、切ない感情を吐露する歌とメランコリーなバレアリック調のトラックを合わせた"Give Me Your Ghost"と、強烈なビート感は無くとも何度も聞くうちにじんわりと肌の奥底まで染み込んでいくようだ。シングルヒットを重ねてきた過去の作風と比較すれば一見して地味なリスニング寄りのアルバムであるのは否定出来ないが、じっくりと時間を掛けて制作した事もあり何度も聞く事で魅力が深まっていく作品でもある。ダンス曲も聞きたいという思いもあるが、それはこの業界らしくEPで披露するという事なのだろう。



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