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Placid Angles - First Blue Sky (Magicwire:MAGIC017)
Placid Angles - First Blue Sky
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初期デトロイト・テクノに於ける重要なレーベルであるRetroactiveのカタログに名を連ね、その後1997年に『The Cry』という叙情的なアンビエント・ブレイクビーツの名作アルバムを残したまま、その名義では活動を停止し続けてある意味伝説化したPlacid Angles。それこそデトロイト・テクノの中でも屈指のアンビエント性を誇るJohn Beltranの別名義で、彼らしい優雅で美しいメロディーに躍動感溢れるブレイク・ビーツを絡めた作風は、どこか哀傷的な気持ちさえ呼び起こす素晴らしいものだった。だがしかし2000年以降になるとBeltranはやたらラテンなりオーガニック性の強い音楽、またはポストロックやエレクトロニカ方面に手を出したりとやや行き先を見失っていたと思う。ところがこの2〜3年の活動では初期のブレイク・ビーツを含めたダンスのグルーヴをはっきりと打ち出し、多くのファンが望んでいる初期作風が見事に戻ってきている事を感じた者は多いだろう。そして2019年、John Beltran名義の素晴らしいアンビエント・アルバム『Hallo Androiden』とほぼ同時期にこのPlacid Angles名義では22年ぶりとなるアルバムがリリースされた。先ず断言しておくと期待を越えて素晴らしいアルバムであり、冒頭の"First Blue Sky"からして喜びが溢れ出して体が飛び跳ねるような力強いジャングル風なビートが走っており、そこに清涼で爽快なパッドと希望に満ちたシンセのメロディーが大胆な動きを見せ、スケール感の大きい叙情性と共に躍動感が突き抜けている。続く"Angel"は悲哀が心を浸すアンビエントなムードで始まりつつも、次第に鋭利なリズムが加わって骨太な4つ打ちを刻みながら、メランコリーに染めていく感傷的なテクノだ。"A Moment Away From You"は近年よく見受けられる作風で、キック抜きでスネアやハイハットによる荒々しいリズムが溜め感を作りつつ、動きの多いIDM系の美しいシンセも躍動感を作る事に付与する曲で、キック抜きでも十分にグルーヴを生み出している。また"Vent"も過去の作風でも印象的だった幻想的な女性ボーカルを用いており、そこにしなやかなドラムン・ベースのリズムが荒れ狂うようにリズムを叩き出し、桃源郷へと上り詰める如く美しいシンセによって上昇気流に乗る激しくも叙情的な一曲。ジャジーな感覚もあるざらついたブロークン・ビーツ寄りな"Bad Minds"は、シンセのドラマティックなコード展開と希望溢れるポジティブなリフによって、うきうきと跳ねながら喜びが溢れ出しているようだ。そして最後の"Soft Summer (Revisited)"、これは1996年のBeltran名義の作品のリメイクなのだが慎ましく静謐な弦楽器の美しさが際立つアンビエント寄りなテクノで、リズムは入っているものの実に穏やかで優しいビート感にうっとり夢心地となる。ファンとしてはもう文句無しの期待通りでリズミカルかつデトロイト的な叙情性爆発のアンビエント/テクノの応酬で、今Beltranが再度アーティストとして春を迎えている事が感じられる。8月には来日予定もあり、今から期待せずにはいられない。



Check John Beltran
| TECHNO14 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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