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LSD - Second Process (LSD:LSD 001)
LSD - Second Process
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何ともいかがわしいユニット名はクラブシーンに蔓延る危うさを匂わせるが、実はLuke Slater(Planetary Assault Systems)とSteve BicknellにDavid Sumner(Function)というハードテクノやミニマルにおける重鎮が手を組んだスペシャルプロジェクトで、3人の名前の頭文字がユニット名となっている。Planetary Assault Systems名義では骨太でファンキーかつハードなテクノを展開してきたSlater、UKにおけるミニマル・テクノの先駆者であるBicknell、そしてFunction名義でディープな音響も活かしたテクノで魅了するSumnerと、それぞれがテクノというジャンルにおいて自分のポジションを確立したアーティストである。そんな彼等によって2016年にベルリンのBerghainにおけるライブからユニットは姿を現し、そして2017年にはOstgut Tonから初の作品である『Process』をリリースしていた。その後もヨーロッパの大きなフェスやクラブでライブを披露し経験を積んだ上でリリースされた本作は、アナログでは2枚組となる十分なボリュームでこれでもかとフロアでの機能性に特化したミニマルかつハードなテクノが繰り出されている。基本的には良い意味では作風は統一されているので金太郎飴的な印象にはなるのだが、ヒプノティックな上モノのループと肉体を鞭打つ刺激的なキックによる疾走感に金属的な鳴りの音響を被せた"Process 4"だけ聞いても、このユニットのダンスとしてのグルーヴ感や麻薬のようなサイケデリックな覚醒感を重視した音楽性を追求しているのは明白だろう。"Process 5"ではより鈍く唸るような低音の強いキックやベースラインのファンキーな空気はBicknellの個性を感じさせるし、"Process 6"のFunctionらしいヒプノティックなループやSlaterらしい骨太なリズムパートを打ち出して勢い良く疾走するハードテクノは全盛期のJeff Millsを思わせる程だ。"Process 7"の電子音ループは正にMillsらしいというかスペーシーな浮遊感があり、その下では地面をえぐるような怒涛のキックが大地を揺らして、その対比の面白さと共に爽快な高揚感に包まれる。得てして音楽におけるこういった特別なプロジェクトは、各々の大きな知名度とは対照的に各々の個性が上手く活かされず凡作となる事も少なくはないが、このプロジェクトに限って言えば期待を裏切る事は全くなく、それどころか甘ったるさ皆無のハードなテクノが痛快でさえある。近年はハードな音楽を聞く機会が減った筆者にとっても、この刺激的なテクノが眠ったテクノソウルの目を覚まさせる。



Check Luke Slater, Steve Bicknell & Function
| TECHNO14 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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