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2019/10/11 Modern Disco Feat. Harvey Sutherland @ Contact
Yosa & Taarがレジデントを担当するModern Discoは新世代のハウス〜ディスコを聞かせるパーティーで、今までにもベテランだけではなく新鋭のディスコDJも多く招聘し、特に若い世代に人気を博している。今回はモダン・ブギーやディスコにファンクといった音楽をライブで表現する新世代では特に実力のあるHarvey Sutherlandをゲストに迎える事になり、ヴィンテージなアナログシンセを用いたディスコ・サウンドによって現在形のディスコを体験させてくれるに違いない。
フロアに到着するとレジデントのYosa & Taarが既にプレイ中で、スピード感は抑え目ながらも太く重いキック、粘りのあるビート感で綺羅びやかなディスコや弾けるシンセ・ポップ、シンセ・ファンクを軸に丁寧に攻める。生音のうねるベースや躍動するオルガンのソロ、情熱的なボーカルといった要素を含むディスコ・ハウスは、ダンスとしての機能性を備えつつも豊かに展開する音楽性があり、弾けてうきうき心踊るポップな世界観が堪らない。黙々と深い自己の世界に没頭させるタイプの音楽ではなく、ひたすら外交的に陽気なノリはミラーボールから光が乱反射するキラキラとしたフロアがイメージが脳裏に浮かび、これぞディスコなパーティー感覚の中にある。ディスコだけではなくラテン・パーカッションが炸裂する情熱的なハウスで妖艶に染めたかと思えば、艶やかなシンセベースがうねる快楽的なディスコ・ハウスでイケイケに上げたり、特にメランコリーなピアノと快楽的なアシッド・ベースも用いた壮大でソウルフルなディスコ・ハウスの"Perfect Fire"ではフロアも盛り上がっており、若い世代の熱心なファンも定着しているように思われる。享楽的ですらある派手な曲をふんだんに用いて分かりやすく盛り上げるポピュラーさ、しかしそれはモダン・ディスコという言葉からイメージされる音楽そのもので、Purple Disco Machineの"Body Funk"にしろエレクトロニックな響きながらも汗臭い肉体性を感じさせるハイエナジーな雰囲気は、ただひたすら肉体を突き動かす。そこに和モノ・ファンクな"とばしてtaxi"繋げる非常に熱量の高いファンキーな流れ、更に快楽的なシンセベースが跳ねる"Midnight Mouse (Revised)"とコテコテに濃密なディスコ・ファンクで下げる事を知らずに勢い良く攻める。更にKeita Sanoのリズムが鋭利に切り込んでくるタフでパーカッシヴな和製ディスコの"Haruwofon"と、後半は和モノも積極的に用いて盛り上げつつ、ソウルフル・ハウスの古典でありつつフィルター・ハウス化した"Back Together (Copyright Re-edit)"も飛び出すなど、出し惜しみせずに名曲をふんだんにミックスし誰しも盛り上がれる流れで、若さ故の初々しくもフレッシュな勢いが感じられるプレイでフロアは高揚に包まれていた。

Harvey Sutherlandの出演時間になると一気にフロアに人が押し寄せ、人気の高さを伺わせる。Juno 60含む複数台のシンセにPCやミキサー等を配置したブース、そこにSutherlandが現れると幕開けからゴージャスな響きのシンセをぶちかまし、光を放つようなシンセがアルペジオを刻みはじめ、ビートレスな状態で溜めながら長く引っ張っていく。次第に4つ打ちも入り、徐々に硬いパーカッションも加わり曲を形成していくが、随分とミニマルな構成ですっきりタイトなハウスのビート感で攻める。突き抜ける疾走感は以前には無かったもので随分とフロア寄りな変化を見せるが、分厚いアナログ音を活かしたシンセソロの瞬間はゴージャスな響きもあり、エレガントに煌めく。がそこから細かいリズムを刻むジャスやブロークン・ビーツ調の曲へ移るとこれぞSutherlandな音楽にフロアも沸き立つ。切れ味があり弾けるリズム、動きの多く豊かなシンセのメロディーはエモーショナルで、生き生きとしたライブ感がこれでもかと迫り来る。ディスコぽい効果音や生音を打ち出したベースサウンドなど、一人のライブではあるもののその表現力はバンド形態と何ら遜色は無い。またボーコーダーを通した歌も入った曲はもはやレトロなシンセ・ファンクな空気で、とことん豊かなシンセによって心を鷲掴みするメロディーが満載だ。とにかく前半は勢いのある曲で押し通すが、中盤にはすっきり無駄な音は削がれながらも随分と骨太かつ変則的なリズムとファンキーなチョッパー・ベースが浮かび上がり、ディスコ・ダブ的なすっきりした音響によるユニークな曲も披露する。しかし基本的には随分と力強いビートで疾走するハウス性を基調にしており、以前よりも踊らす事を目的としているように思われる。終盤にはシンセの美しい音色を活かしたテック・ハウス調の洗練された機能的な曲もあり、ブギーな要素は残念にも以前より減退したが、力強さを獲得しながらもシンセのうねるファンク感は失っていない。と結局そのまま押し切り彼を一躍人気アーティストへと押し上げたヒット曲は一切プレイしなかったように思うが、少し寂しさもありつつも新しいSutherlandの音楽というものを体験出来た。最後は一旦流れを切って、ざっくりドラムがライブ感ありベースが弾け眩いシンセが暴れまくるブギーな、つまり過去のSutherlandらしいフュージョンやシンセ・ファンクを発揮した曲によって陽気でハッピーな空気の祝祭感に包み、一気に盛り上げてキレよくライブは終了。

最後はokadada、重心低く安定感のあるハウスビートでフロアを作っていく。Yosa & TaarやSutherlandに比べると持続性を活かしたかっちりとしたビートで、盛り上がったフロアを一から作り直していくような展開だ。そこから少しずつゴリゴリと荒ぶれたビートのハウスや、ミニマルで覚醒感を煽るMatthias Meyerの"Infinity"など、ハウスのグルーヴを軸に触れ幅を持ち出す。こちらのプレイの方がより普段自分が慣れ親しんでいるDJ的でその意味では安心感があり、そして持続性のある流れでディープに潜っていくのが心地好い。そして剥き出しの荒々しさがある"Venus (Pepe Bradock's Saucy Precog Remix)"のディスコなフィルター・ハウスもかかったり、こちらのプレイもある意味ではファンクネスが炸裂している。無骨さに溢れ男気を感じるプレイだが、エグいアシッドが暴れるアシッド・ハウスもあったり、深い森の中で躍り狂う太鼓乱れ打ちトライバル・ハウスもあったりと、ジャンル的に言えば幅は広く雑然としているが、それが散漫にはならず一つの流れが形成されたグルーヴとなりぐいぐいと引き付ける求心力で高揚感の中に誘い込む。しかし当日は台風直前とあり早い時間帯にパーティーから離れたが、そんな状況で決して盛況とは言えないパーティーだったものの、自分のような中年ではなく若い世代が多く遊びに来ている事が感じられModern Discoが次の世代の心に刺さっているのは嬉しく思われた。

■Harvey Sutherland - Harvey Sutherland(過去レビュー)
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