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Bartosz Kruczynski - Baltic Beat II (Growing Bin Records:GBR019)
Bartosz Kruczynski - Baltic Beat II
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アンビエントやニュー・エイジの再評価は過去への視点だけでなく未来へも向いており、その後者において特に躍進を果たしたのがポーランドのBartosz Kruczynskiだ。Earth Trax名義ではレイヴ色の強いドラッギーなディープ・ハウスを、Pejzaz名義では甘く気怠いチルウェイブやダウンテンポを、Ptaki名義ではダビーなニュー・エイジ寄りと、それぞれの活動でも注目を集める才人であるが、大本命こそはこのKruczynski名義である事に異論を唱える者は少ないだろう。この名義でのデビューとなったGrowing Bin Recordsからの2016年作『Baltic Beat』(過去レビュー)は、有機的な響きが幻夢に溶け込む叙情的なサウンド・スケープで、その年を代表するアンビエント・アルバムの一つであったと思う。それから3年、その続編となる本作も前作同様にフィールド・レコーディングやギターやベースにフルート等のオーガニック性を盛り込んだ内容で大きな変化は無いが、より瞑想的な作用を増して深い自己の世界へと潜っていく世界観を獲得している。川のせせらぎのサンプリングで始まる"Pastoral Sequences"は、そこに静けさが際立つ静謐なピアノと電子音が微細な装飾を行いながら、途中からは祈りのような歌とミニマルなマリンバのフレーズも入ってくると途端に瞑想感を増して、宗教的な空気もあるニュー・エイジ風の曲。"In The Garden"は優しいピアノの和音と共にボッサ風なパーカッションが軽いビート感を生み、流麗なストリングスや穏やかなマリンバの旋律が心の奥に眠った懐かしい記憶を呼び起こすようなセンチメンタルなバレアリック系。微細なパルス音が持続する中に"Petals"もビートレスなアンビエントだが、動きの多い電子音の反復に合わせて悲哀のピアノが情緒を付け加えて、躍動を感じさせる。"Voices"になるとマリンバと電子音のシーケンスは現代音楽のミニマル的で、そこにギターやピアノがキャンバスに絵を描くように感情の高まりを加えていく。B面に移るとより現代音楽的な雰囲気は強くなり、"If You Go Down In The Woods Today"はマリンバや弦楽器のミニマリズムに霊的なコーラスが加わりまるでSteve Reichの"Music for 18 Musicians"を思わせ、その反復をベースにした流れでぐっとインナースペースへと潜っていく催眠性を発揮する。"The Orchard"も同様にマリンバの反復を基盤にしつつ咆哮しながら遠くへと霞となって消えていくようなギター風な響きや、微睡んだシンセが流体の如く動いて、宗教的な匂いもあるニュー・エイジ色が強くなっている。そんな観念的な世界から一転して"Along The Sun-Drenched Road 1 & 2"はフルートやピアノ等も導入しながら有機的な響きをただ垂れ流すように聞かせ、何も無いおおらかな大自然の中で一人夢想し佇むような感覚に陥る安堵に満たされたバレアリックな世界観で、もはや意識さえも霧散する。アコースティックとエレクトロニクスの自然な調和に安寧を感じ、瞑想や催眠をしつつも魂の開放を目指すおおらかなサウンド・スケープは、またしても2019年のアンビエントやニュー・エイジを代表する一枚となった。



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| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
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