CALENDAR
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< October 2020 >>
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS
<< 2019/12/1 Euphony @ Aoyama Zero | main | Mark Barrott - Sketches From A Distant Ocean (International Feel Recordings:IFEEL070) >>
Toshifumi Hinata - Broken Belief (Music From Memory:MFM042)
Toshifumi Hinata - Broken Belief
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)
 Amazonで詳しく見る(MP3)
『東京ラブストーリー』等のサウンド・トラックも手掛けるコンポーザーの日向敏文が、今エレクトロニック・ミュージックの界隈で注目を集めている。それもニューエイジやアンビエント方面では随一の発掘力を誇るMusic From Memoryが、日向の作品の発掘作業のおかげである事に異論は無いだろう。筆者もそうだがまさかこんな素晴らしい音楽がかつてあったと認識していた人は決して多くないのだろうが、日本ではなく海外から日向の音楽が掘り起こされるとはMFMの嗅覚は恐るべしと言わざるを得ない。レーベルインフォによ依れば1982年に米バークリー音楽大学卒業後、アコースティック楽器よりもその当時の最新の楽器であったアナログシンセサイザーに可能性を見出し、電子楽器をアナログテープに多重録音し、そしてバイオリンやピアノを含むその他を伴奏を重ねて音楽制作をしていたと言う。その探求が結実したのが1985〜1987年にリリースされた初期4作『Sarah's Crime』『Chat D'Ete』『Reality In Love』『Story』であったのだろうか、MFMの運営者であるJamie TillerとTako Reyenga、そしてオブスキュア・ミュージックの先駆者であるChee Shimizuがそこから選りすぐりの曲を纏め上げたのが本作である。豊かでしっとりとした情緒的なシンセサイザーの響きを軸に生音も合わせたサントラ的なイメージ喚起型の音楽はかつてならコンテンポラリーミュージック、現在の感覚で呼ぶのであればニューエイジやアンビエントになるのだろうが、制作から30年以上経た今でも全く魅力が損なわれないのは、やはり一曲一曲の魅力的な旋律や整ったコード展開による普遍的な音楽性が故だろう。アタック感の強いシンセドラムの響きと叙情的なシンセのレイヤーが甘美に誘惑する"Sarah's Crime"は、温かいフレットレスベースや途中から入るしなやかなヴァイオリンの音色にもうっとりさせられ、バレアリックな空気が満ちる白昼夢へと落ちていく。フィールド・レコーディングや会話も交じる民族的な雰囲気から始まる"Midsummer Night"は、そこからすっと分厚いシンセのレイヤーが情緒豊かに浮かび上がりニューエイジ風だが、耽美なピアノの演奏に耳を惹き付けられドラマチックなドラマの1シーンを見ているようだ。ビートレスな構成だがゴージャスなシンセが伸びて、そして繊細で切ないピアノに心が憂う"異国の女たち"も、どこかサントラ的でその後ドラマに音楽を提供するようになったのも自然な流れだ。シンセが歌っているような"Broken Belief"は鐘らしき音も入り混じり宗教的な厳かな佇まいだが、そこからふっと朗らかに幻想的なピアノと微睡みのシンセが展開し、色彩がぼんやりと滲んだような淡いサウンド・スケープには耽溺せずにはいられない。そして最後の抜けの良い太鼓と静謐なシンセのリフレインと弦楽器が物悲しく、和の侘び寂びな感覚を生む"小夜花"まで、徹頭徹尾メランコリーな感情に満たされるリスニング性の高い音楽が一貫している。複数のアルバムから選び抜いた曲群ではあるが全く違和感の無いシネマティックなアルバムで、色々な風景をイメージさせる豊かな表現力が後のドラマ等のサントラ制作にも反映されたのだろう。ニューエイジやアンビエントの分野で再評価著しいが、間口を狭める事なく日常を彩るBGMとしてお薦めな一枚だ。



Check Toshifumi Hinata
| ETC4 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 12:00 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック