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Mark Barrott - Sketches From A Distant Ocean (International Feel Recordings:IFEEL070)
Mark Barrott - Sketches From A Distant Ocean
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現在のバレアリック・シーンを先導するアイコン的レーベルであるInternational Feelの主宰者として、そして自らもクラブシーンとの繋がりを保ちつつ自然豊かな響きを持つバレアリック・ミュージックを手掛け、このジャンルを象徴する存在のMark Barrott。しかし2017年の「The Pathways Of Our Lives」を最後に暫くリリースが無かったのは、忙しない活動のせいだったのかどうやらそれ以降音楽を制作する意欲が無くなってしまったいたそうだ。そこで故郷であるウルグアイへと帰郷し束の間の休息をとっていたのだが、植物園を散歩している時に音楽が自己表現である事に気付き、音楽制作へと戻ったと言う。そこから出来上がったのが本作、島シリーズの続編と捉えるべき遠い海の風景だ。遠くまで広がる海洋の上という事もあり、以前の南国感は残しつつも緑が生い茂る土の香りではなく、青々とした爽快感や開放感に優れたバレアリック性が何となくではあるが感じられる。"Galileo"では以前にも制作に参加したギタリストのJordan Humberをフィーチャーしているが、この曲は穏やかな波が何処までも続く遠洋をクルージングするような緩い正にバレアリック系で、朗らかで陽気な南国ムードのギターと流麗なストリングスが緩く長閑な空気を生み、明るいシンセやカラッとしたパーカッションが爽やかに響いて、大人の余裕に満ちたリゾート感に包まれる。一転"Low Lying Fruit"では民族的な打楽器やフルート、そしてエキゾチックな弦楽器が海ではなく土着的なリズムを刻んでいるが、それでも太陽光が砂浜から照り返す海辺の近くのような陽気なトロピカル感があり、有機的な響きに生命を感じさせる音楽性が自然を愛するBarrottらしい。"The Rowing Song"では豊かな色彩感のあるシンセに残響豊かなギターが広がっていき、トリップ・ホップ的な崩れたリズムでついつい足取りも軽くなり、広大な海洋で全身に太陽光を浴びるような快適性。最後はやや内面志向的なアンビエント性がある"Xarraco"、情緒的なシンセストリングスとマイナー調のコード展開、そこに祈りのような切ない歌も合わせて物哀しさが込み上げるビートレスな曲で、陽気な曲にしろこういった曲にしろ人間の豊かな感情をそのまま音像化したような作風が彼にとっての自己表現なのだろう。久しぶりの新作でも自然との共生を果たすオーガニックな世界観は変わらず、しかし現在のバレアリックを代表する存在感は衰えるどころかより一層大きくなり、Distant Oceanが新たなシリーズとなるであろう事に喜びを隠せない。



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