<< ラーメン豚山 中野店 | main | ROTLA - Trasmissioni (Edizioni Mondo:MND010) >>
Various - 雲の向こう 2丁目 (Jazzy Couscous:JC12)
雲の向こう 2丁目

日本の音楽をこよなく愛する日本在住のAlixkunは、現在の日本産音楽が世界的に見直しされるブーム前からJazzy Couscousを運営し、特にジャパーニーズ・ハウスの復権を後押しするように特に日本人アーティストの新作や旧譜のリイシューに勤しんでいた。また近年はアンビエントやニューエイジが世界的に再燃している動きに合わせたのだろうか、2018年には『雲の向こう : A Journey Into 80s Japan's Ambient and Synth-Pop Sound』(過去レビュー)というタイトル通りの日本のアンビエントやシンセポップの、決しては有名ではないものの今も尚聞くに耐えうる名作を纏めたコンピレーションを手掛け、ちょっとした話題となっていた。そして2019年も日本の音楽はより一層脚光を浴びているのだが、その流れにのって送り出されたのが『雲の向こう 2丁目』というタイトルまんまの第二弾。並んでいるアーティストは前作以上に聞いた事のない人ばかりで、良く言えば知る人ぞ知るというタイプなのかもしれないが、前作を気に入った人であれば本作も間違いなく愛聴するのは間違いないアンビエント/ニューエイジ/シンセポップの名作が詰まっている。斎藤美和子による"12 No Garnet"は当時は決してアンビエントを意識したのではなく可愛らしい歌も含めるとポップスとして制作したのだろうが、エレクトロニクスのキラキラとした輝きのある音や東洋的な不思議な旋律も用いて、しっとりとして落ち着いた感はポップス成分のあるニューエイジとして受け止められる。鈴木良雄による"Touch Of Rain"はジャズ・ベーシストだけありうっとり艶のあるベースが肝だが、そこに透明感のあるエレクトロニクスが静謐な空気を生み出し、コンテンポラリー・ジャズ×アンビエントな洗練されたBGMとして実にムードを感じさせる。鍵盤奏者の伊藤詳による"Essence Of Beauty"はいかにもアンビエントやニューエイジそのもので、波飛沫の音から始まりミニマルな電子音のループと揺蕩うような上モノにゆらゆらさせられる楽観的で弛緩した世界に、一寸の淀みもなくリラクゼーションな一時を味わう。ダンス寄りな曲も収録されており、安野とも子による"Sur La Terra"はアンニュイな歌とポップなメロディーに対してエレクトロかシンセファンクかのような機械的なビート感の安っぽさが逆に格好良く、やたら耳に残るのは細野晴臣プロデュースと知れば納得。サントラにアンビエントやニューエイジが起用される事は珍しくなく、本作にはサントラからの収録(畑野貴哉 による「Kanki」)もあるのだが、同様に漫画のイメージ曲として作られた笹路正徳の"Rune"は、シタールらしき音やパーカッションが効きながらもそのイメージ・アルバムという性質上随分と感情を揺さぶる系のエモーショナルなシンセやピアノの旋律が入っており、ドラマ性の強いエスノ・アンビエントだ。その他の曲も含めて和製のアンビエントやニューエイジにシンセポップの隠れた名作がずらりと並んでおり、近年それらの音楽のリイシューが盛んな状況においても本作のレア度という価値と音楽的な質は頭一つ抜けており、Alixkunの日本の音楽への偏愛さえも感じられる素晴らしいコンピレーション。アナログ仕様ではあるものの聞き易さもあって、この手の音楽の入門編としても参考になる一枚だ。



Tracklistは続きで。
a1 Miwako Saito - 12 No Garnet
a2 Yoshio Suzuki - Touch Of Rain
a3 Ayuo Takahashi - Mizu Iro No Kagami
b1 Toru Hatano - Kanki
b2 Akira - Essence Of Beauty
b3 Osamu Mizukami - Flower Moon
c1 Tomoko Yasuno - Sur La Terra
c2 Masanori Sasaji - Rune
c3 Shi-Shonen - Harvest (Long Size)
d1 Flat Face - Hibi No Awa
d2 Hiroko Kokubu - Barcarolle
d3 Mio Fou - Picasso No Ao
| ETC4 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
スポンサーサイト
| - | 12:30 | - | - | |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック