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2019/12/5 ALL-GROUND @ Contact
今回のパーティーは平日開催ながらもデトロイト・テクノにラテン要素を持ち込んだGerald Mitchell率いるLos Hermanosが久しぶりに来日ライブを行うため、翌日休みを取って参加する事に。近年はヨーロッパのテクノが世界的にも人気で、デトロイト・テクノは最早古典というか日本でも若者には人気は無いように思われるが、それでもテクノの原点の一つであるデトロイト・テクノのファンクネスとエモーショナル性は今も尚大きな影響を残している。そんな音楽は当方にとってもルーツの一つでありいつになっても心に残るものだが、今回はそんなLos Hermanosに合わせて、強烈なデトロイト・テクノのフォロワーであるIan O'Brienも加わる特別なセッション、これを体験せずにはいられないだろう。
平日開催だから集客はどんなものかと思っていたが、実際に現地入りしてみるとやはりLos Hermanosへの期待も高いのか思ったよりも人も多く、賑やかなフロアに一安心。プレイしていたのはTera、平日の夜だというのに週末の雰囲気と何ら遜色のない高揚感。プログレッシヴ・ハウス風な艶やかで快楽的な曲、Innervisons風な快楽的でドラッギーなディープ・ハウス調、そしてデトロイト・テクノ風なエモーショナルな旋律が舞う疾走感あるテクノまで、勢いを緩める事なく攻勢をかける。そして湧き上がるように響いてくる美しくスピリチュアルなシンセのリフ、Karim Sahraouiの"Nightflow"だ。じわじわとエネルギーを溜めながら高揚の頂上へと上り詰めるデトロイト・テクノの名曲で、これを機に一気に気分は上げられて、そこから鈍いアシッドの低音が毒々しいダーティーなテクノで更に煽りつつ、トランシーな旋律のループに幻惑させられたりと、メロディーを重視した選曲によって明確に展開を意識させる流れで期待を高める。終盤にはTony Lionniのピアノ優美なコードが印象的なテック・ハウスの"Found A Place"に酔いしれて、深い闇の中に煌めく光が出現する。最後には"Equinox (Henrik Schwarz Remix"で湿っぽくディープに潜っていき、ヒット曲を出し惜しみせずに誰でも楽しめる盛り上げる事を意識したプレイだった。

そしてお待ちかね、Los Hermanos Feat Ian O'Brienのライブ。キーボードとCDJ担当のMitchell、キーボードとギター担当のO'Brienで、ベースとなる曲はCDJで流してそこに演奏を重ねるスタイルのようだ。最初にジャジーな二人のキーボードとギターのインタールードから開始し、そしてMitchellの掛け声と共に"Central Nervous Systems"へと雪崩込んでいく。リズム的なメロディアスなシンセリフに対してMitchellが被せる演奏はセッション性があり、O'Brienのギターカッティングがファンキーさも付け加えて、原曲の雰囲気とはまた異なる攻撃性を見せる。そこからの荒々しいグルーヴが脈動する"Resurrection 2011 Remix"ではMitchellは歌いつつシンセを被せながら徐々に厚みを持たせ、怒濤の勢いでテンションが上がるファンクネス溢れるテクノと化していた。リズムやシンセリフはCDJで流すのに頼っていてライブ感の有無に不安はあったものの、蓋を開けてみればがんがんにギターを弾き、キーボードで感情を揺さぶる音色を付け加え、これぞLos Hermanosらしいエモーショナルなテクノ/ハウスに引き込まれる。そしてまたキーボードで物哀しい旋律を強調したインタールードを挟み、そこから浮かび上がってくるメランコリーのあのループは"Quetzal"だ。ビートレスで長く引っ張りつつ、キックも入ってダンスモードへと突入すると、エレピで切なさを煽るコードを加え、ラテンパーカッションが爽快に響き、重いキックが地面を揺らす。なんとタフで、しかしなんとメランコリーな曲だろう。序盤は皆知っているヒット曲で引き付けつつ、中盤になるとテクノではなくP-FUNK的な熱いファンクな曲も演奏し、ワウワウなギターや艷やかで優美な鍵盤ワーク、太くうねるリズムも加わって肉体的なグルーヴに飲み込まれる。または土着的で獰猛なリズムに中東風の怪しいメロディーを付け合わせたトライバルな"Bellydancer"もプレイし、往年のLos Hermanosらしい選曲だ。そして二人による叙情的なシンセプレイのインターバルにうっとりさせられつつ、ぶっといキックが地面を揺らすその曲はO'Brienの"Umi"。輝くシンセが空を飛翔するように飛び交い、ズンズンと強烈リズム感がうねり、これぞO'Brien流のハイテック・テクノは天にも昇る高揚感でフロアは至福の雰囲気に満たされる。続くもO'Brienの曲であろハイテック系、ずんずんと太いキックが地面に刺さりつつ煌めくシンセが飛び交い、Mitchellのオルガンが加わると黒くファンクな音へと遷移する展開も見せる。そして最後は二人の共作である"Put Your Color In Music"、輝かしい程に目映いコズミックなシンセ、勢いよく跳ねるリズムによって小宇宙へと放り出されたような高揚感。執拗なシンセのリフによってどんどん厚みを増し螺旋階段を上り詰める如く絶頂へと向かい、最高にポジティブなエンディングを迎えた。

最後を締めくくるのはデトロイト・テクノ好きのYonenaga。いきなり"Transition"のデトロイト・クラシック、ライブ後に客をフロアに引き付けるための大ネタを投下しつつ、妖艶なシンセのリフが快楽的なテクノで真夜中の艶やかさを演出。そしてトライバルで不気味さ満点の"Demented (Or Just Crazy)"でフロアを執拗に煽り、ライブ後も熱を冷まさないようにフロアに活をいれる。ある程度強い印象を植え付けてからは、スムースな4つ打ちのテクノで安定したグルーヴ感を作りつつ流麗なシンセの響きが特徴なデトロイト性を打ち出して、丁寧な流れで心地好く踊れる時間帯。Maydayの"The Darkside"などデトロイトの中でも地味ながらもスルメのような味わいを感じさせる曲もプレイする辺りは、Yonenagaのデトロイト・テクノへの偏愛が反映されており、こういった渋い選曲にはにんまり。そして疾走する切れ味鋭いテクノから"Kao-Tic Harmony (Remixed & Reconstructed)"も繋げてくるなど、コズミック感やエモショーナル性が爆発しパーティーの雰囲気に上手くハマっていた。そういったクラシック的な曲は存分に用いるも、またやたらめったら上げるわけでもなくグルーヴの安定感があり、それが滑らかな持続性にも繋がっておりぐいぐいと引っ張っていくプレイだった。

平日開催ながらもライブの時間帯は特に盛り上がり、今も尚Los Hermanosの人気の高さを伺わせたが、こうやってライブを聞くとデトロイトの他のアーティスト含めて、もっと新作を制作しライブやDJを披露して欲しいと切に願う。デトロイトの古参が新作をリリースする事も少なくなり日本含め世界的にもデトロイトの音楽が陰りを見せる状況で、特に若い世代にアピールするには兎に角新しい音楽を送り出し体験してもらうしかないのだから。それによりまたデトロイト・テクノが盛り上がれば、またLos Hermanosもフルバンド体制での来日ライブも行ってくれるに違いない。

■Los Hermanos - On Another Level(過去レビュー)
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