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Space Dimension Controller - Love Beyond The Intersect (R & S Records:RS 1916)
Space Dimension Controller - Love Beyond The Intersect
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音楽はただ音楽そのものが良ければそれでよいとも思う一方、信条やポリティカルを内包する事もあり、または音楽で物語を演出する場合もある。そしてJack HamillことSpace Dimension Controllerは音楽でサイエンス・フィクションや銀河の旅を語るアーティストであり、Hamillの分身であるMr.8040が24世紀から現代にタイムスリップし故郷へと帰還する話を題材としたのが、2013年作のデビューアルバムであった『Welcome To Mikrosector-50』(過去レビュー)だ。その後、2016年には2枚めとなるアルバムの『Orange Melamine』(過去レビュー)をリリースしたが、こちらはデビュー前に作られた未発表音源かつNinja Tuneからの作品という事もあり、SDCの本筋からはややずれた内容であった。そして2019年、遂にR&Sへと帰還してリリースされたこの最新アルバムは、デビューアルバム路線の銀河での冒険をコンセプトにしており、Mr.8040が宇宙空間で座礁し奇妙な惑星に衝突した事からその未知なる土地に降り立ち…という話を基に音楽が作られている。また、これまでにリリースされたEPでは基本的にはSFの世界観はありつつもフロアを意識したダンス・トラックが中心だったが、やはりアルバムでは完全に世界観を重視してエレクトロにシンセ・ファンクやシンセ・ポップにアンビエントといった要素をブレンドしながらじっくりと聞かせて想像力を喚起させる内容で、それによって壮大な宇宙やレトロフューチャーに遭遇する事になる。宇宙絵巻の始まりは抽象的なドローンだけによる"Burnout (Dawn)"で静謐なアンビエントがこれから待ち受ける冒険を予感させ、続く"PVLN"ではネオンライトのような光沢感を放つシンセやエレクトロのベース、そしてボコーダーを通した語りを用いてデトロイト・テクノの望郷を感じる空気にも似たエモーショナル性も携えたテクノとなり、宇宙や近未来の風景が浮かび上がってくる。続く"Voices Lost To Empty Space"では軽快で小刻みなビートによって加速しつつ、幻想的なパッドや情緒的なシンセの旋律と共にブイブイとしたベースがファンクを奏でて、シンセ・ファンクによってうっとりロマンティックな世界観を投影する。未知なる土地での孤独を表現したような淋しげで淡いシンセが広がるアンビエント・ハウス調の"Alone In An Unknown Sector"、ここでもMr.8040やロボットによる語りが入る事でSFの雰囲気を纏い、アルバム中盤にはインタールード的な"Intersect Encounter"でノンビート状態にドローンが覆いコズミックなシンセが散りばめられれファンタジーな景色が広がる。デトロイト・テクノと共鳴する望郷への思いが馳せるような感情を呼び起こすしっとりダウンテンポな"Gifted Sentience"、アシッド風なシンセベースが強調されロボットボイスが喋り近未来の風景を映し出す"Slowtime In Reflection"、そして最後は感動的なエンディングを演出する切ないゆっくりとしたシンセポップの"Love Beyond The Intersect"で、Mr.8040は不時着した惑星から遂に脱出しメランコリーな感情のままフェードアウトしながら消えていく。物語仕立てのコンセプチュアルなアルバムはとてもロマンティックで美しく、以前よりもアンビエント性が強まりリスニング志向が更に進んでいるが、これはアルバムとEPで音楽性を分ける事が上手く作用している一例だろう。音楽自体が素晴らしいのは当然として、そこに付随するストーリー性も音の響きと実にマッチしており、宇宙空間を支配するアーティスト名は伊達ではない。



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