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Jung Deejay - Wave Idea (Lillerne Tape Club:LL110)
Jung Deejay - Wave Idea

デジタル化が進み過ぎた反動なのか、近年ヴァイナルや更にはカセットテープといった手間の掛かる聞き方が必要なメディアが一部の若者の中で脚光を浴びているようだが、それを体験した事のない世代には新鮮さがあるだろうしレトロな雰囲気が逆に良いのだろう。対してリリースするレーベル側もテープというフォーマットにこだわって運営するのも珍しくなく、そこにBandcamp上から物理メディアを購入すればデジタル音源もダウンロード可能な販売方法を活かして、テープの再燃を後押ししている。シカゴのLillerne Tape Clubは2007年発足時からテープでのリリースにこだわっているレーベルで、その音楽性はテクノやハウスだけでなくドローンやロックにシンセ・ポップと特に制約が無いが、近年は特にアンビエントが中心となっているようだ。そんな中たまたま聞いていたら気になったのがJung Deejayによるこのデビュー作で、アーティストについては全く情報が無いのだが、ローファイ感を打ち出した音質に親近感を覚えつつバレアリックな雰囲気が清々しく耳に響いてきた。ドタドタとしたタムのリズムから始まる"Miyu Pattern"、シカゴ・ハウス風な簡素なビートがカタカタとリズムを刻み、透明感のあるパッドが浮かび上がってくると実に清らかな空気に満たされたバレアリック性が広がっていく。やはりローファイで機械的ながらもゆったりとしたダウンテンポのリズム、そして美しく壮大なパッドと牧歌的なピアノが感動的な"Nico 3.0"は、厳寒の冬を越した後にやってくる春の息吹との出会いかのようだ。ややリズムは激しくブレイク・ビーツ風ながらも攻撃的というよりは爽快感がある"Yumi Pattern"も、すっと薄く綺麗なパッドが繰り返し浮かんできて、朝方のフロアで体験したら至福に満たされるに違いない。そして殆どリズムの入らず抽象的に綺麗なシンセが揺らめき瞑想じみたアンビエンスが続く"Tourisme Montreal"から、最後は金属的な打撃のするドラムマシンや強いシンセベースがねっとりとしたマシン・ファンクとなる"Wave Idea"で幕を閉じる。曲によってダンスからリスニングまであるが、作品内にある美しいメロディーの統一感が穏やかに耳へと響いてきて、大自然の中で太陽の光を全身で浴びるような温もりに心もほっこり。



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| TECHNO14 | 16:00 | comments(0) | - | |
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