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2020/1/17 GUIDANCE 15th × SLEEPING BAG @ Vent
1月のこの時期は毎年恒例のGuidanceのアニバーサリー・パーティーで、15周年となる今年はファッションとダンス・ミュージックに携わるSleeping Bagとの合同企画。そんな祝祭の日にゲストとして予定されていたのは近年多大な注目を集めるようになったパレスチナからのSama'だったのだが、直近になりキャンセルが発表され期待が削がれた人も決して少なくはないだろう。しかし元々Guidanceは日本のDJ/アーティストを積極的に後押ししてきたパーティーであり、今回も過去Guidanceに参加してきたDJ/アーティストを招いてある意味ではこれがGuidanceらしくなった。DJとして参加する予定だったAltzは久しぶりのソロライブへと変更し、ヒップ・ホップ〜ハウスとフリーフォームなDJをするKensei、Ventに初登場となるDJ Yogurt、Sleeping Bagの面々がメインフロアを担当する。
久しぶりのVentに入るとSama'がキャンセルになったにもかかわらず多くの人で活気に溢れたフロアとラウンジで、GuidanceやSleeping Bagのファンも多く来ているのだろうか、一先ずアニバーサリーとして賑わっている様子を見て一安心。メインフロアは丁度Sleeping BagからDJ Yogurtへと交代する辺りで、"Transport (Carl Craig Remix - DJ Deep & Roman Poncet Rework)"もかかるなど硬質なテクノがVentの暗く凍てついた無機質なフロアにはやはりテクノが似合っている。20分程はDJ YogurtとSleeping BagがB2Bを続けて無骨なテクノで十分に盛り上げる雰囲気を受け継ぎつつも、DJ Yogurt単独へ移行すると太いキックが地面を揺らし重厚感のあるテクノで開始。そこから激しい打撃音と金属が捻れたような効果音が脳髄を刺激するテクノ、ミニマルなアシッドのラインで執拗に攻め上げるテクノと、序盤からSama'の喪失感を払拭するかのような勢い。すっきりと洗練させて纏めていくプレイではなく、骨太なグルーヴに色々な電子音響を付け加え、もりもりと表面を上塗りして更に強固さが増していくテクノで、例えばノイジーなディストーション・ギターが咆哮する凶悪なテクノまで用いて、甘さは一切無しの荒涼とした地平が広がるひんやりとしたテクノ中心の攻め方だ。90分のセットの中で息抜きらしい緩んだ時間はほぼ皆無で、後退は無しと言わんばかりに激しく厳ついテクノでフロアに鉄槌を振り下ろす。鈍く唸る電子音、覚醒的で毒々しいアシッド、幻惑的なダブ音響を用いて闇の中を疾走するテクノ・セットは、豊かな感情性を排す事で逆にその肉体を刺激する音に一層意識が向かい突き動かされるのだ。とそんなハードなテクノに飲み込まれたままかと思いきや、最後にはアフリカン・パーカッション乱れ打ちなテクノが飛び出して、そこから爽快感のあるダブで切れよく終了。

去年はバンド形態となるAltz.Pとしてライブを行っていたAltzは、今回本当に久しぶりのソロライブを披露。ゴーっとしたノイズ風な音響が広がり、混沌が渦巻く不気味な魔境の始まりか。霧が晴れるようにノイズも開けて、その中から生臭いディスコ・ダブなリズムを鳴らしだす。アシッドのラインも現れると土着マシン・ファンクと化し、生命の胎動の如きうねるグルーヴが底辺を這い、奇妙な電子音を散らしつつダブ音響も聞かせくらくらと中毒的な酔いへ引き込んでいく。単独ライブなのでバンド形態よりはミニマルな構成を打ち出しつつも、どこか肉体感のあるうねりや血の通った熱い響きはAltzの得意とするものだ。ブイブイとしたベースや気の抜けたボイス・サンプルのループ、そして不思議な笛の音色も現れたりと、原始的な民族系の踊りを思わせる生々しい躍動に飲み込まれ、"Dadop"もかつて聞いた事のないバージョンはディスコとファンクとトライバルが融合した紫煙が揺らぐサイケなダンスと化していた。そこからピコピコした電子音が飛び交い、ぐるぐると撹拌されるトリッピーなディスコ・ファンクで脳髄を刺激され、そしてディスコ・ダブ名曲である"World 1st Day (version ALTZ)"も投下。ビートレス状態でダビーなギターカッティングと奇妙な電子音が入り乱れる展開を長く引っ張って焦らしつつ、そしてズドンとキックを差し込んできて完全なるサイケデリックなディスコ・ダブへと突入する。酔うような気持ち良い残響が飛び交いサイケデリックかつファンキーな世界観、そこから樹海を彷徨い儀式を行っているような太鼓が乱れ打ちなトライバルな曲へと移行し、完全に未開のどこか異国の地を思わせる。ハッピーなのにマッドネス、ファンキーなディスコ・ダブ仙人によるダンスは汗が吹き出す程に熱くなる。なのに最後は華々しいオーケストラも登場して、アニバーサリを祝うかのような展開がユーモラスで、その遊び心に自然と笑みが溢れてしまう。

メインフロアの最後はDJ Kensei。彼のプレイを体験するのは何年ぶりだろうか、ヒップ・ホップだったりハウスだったり音楽性の広さ故に今夜はどんなプレイを披露するのか、興味は尽きない。最初は軽快なパーカッションが心地好いビートを生むハウスから開始し、続く曲も自然的な感覚のある朗かなハウスで緩さも感じられまったりさせられると、次第に硬いキックが出現し太い低音が響き官能的なボーカル・サンプルが反復するミニマル寄りなハウスであるLuca D'Arleの"Party Experience"へと移行し、一気に深い闇へ潜るようにフロアのテンションを上げていく。そこからMove Dの叙情性が溢れるモダンなディープ・ハウスの"Your Personal Healer"でビート感を均してじんわりとムーディーな雰囲気に染めたりと、どうやら今夜はハウスのモードのようだ。ミックスにスクラッチも混ぜて印象的な瞬間を作るミックスは流石ヒップ・ホップ上がりで、繋ぎもスムースだったりトリッキーだったりと、選曲だけでなくミックスの技でも魅了する。そして徐々に闇へと潜って行くようにツール性の強いディープ・ハウス〜テック・ハウス〜テクノまで、ずんずんと重いキックと空間を覆う壮大な音響で、まさかKenseiがこんな硬いキックが打ち出されたツール系の曲重視なセットをするとはと意外性もある。完全にスムースな4つ打ちで快楽的に踊らせるが、深い闇やハードさも兼ね備えた世界観が久しぶりにKenseiのプレイを聞く当方にとっては新鮮だ。そんな中ハードな中にチャイムが小気味良い"Sturd-T-Strong Committed"のジャジー・ハウスは一時の甘美な夢に浸らせるが、そこから直ぐにタフで硬質なハウスへと回帰しグルーヴ感で飲み込んで行く。そしてインド帰りだという影響なのか、インド風なエキゾチックなメロディーが妖艶なハウスも回したりと、色々なユニットで多彩な音楽に取り組んでいたからなのか所々にユニークな音楽性を差し込んでくるのが面白い。

パーティーは6時までの予定だったが十分に満喫したので、当方は5時頃には現場を離れる事に。結果的にはメインフロアのDJやライブはみんな異なる音楽性で、その多彩な雑食性もある意味では非常にGuidanceらしく思われる。直前でのSama'のキャンセルは楽しみにしていたファンにとってもそうだが、オーガナイザーにとってはそれ以上に厳しかったに違いないが、DJ/アーティストの協力も経て日本人だけの出演でアニバーサリーの形を作れたのは、GuidanceとSleeping Bagが長年パーティーを継続してファンを作ってきた賜物だろう。決して楽ではないパーティーのオーガナイズで今まで酸いも甘いもあっただろうが、今回やり切ったのだからきっとこれからもパーティー好きな人を楽しませてくれるに違いない。
| EVENT REPORT7 | 17:30 | comments(0) | - | |
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