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2020/3/7 Fred P. & Prosumer @ Contact
ハウス・ミュージックと一口に言ってもその中には色々な方向性があるが、現在のシーンでスピリチュアルな神秘性を持つハウスの先進的存在であるFred P. aka Black Jazz Consortiumと、Panorama Barのレジデントを務め古典からモダンへ渡りハウス・ミュージックの伝道師として活動するProsumerは、特にソウルフルやエモーショナルといった性質において共通項を持っているように感じられる。世間はコロナで自粛モードなものの、そんな人気・実力も抜群の二人が揃ってContactに登場するという貴重な機会があり、ハウス・ミュージックの魅力を体験すべくパーティーへと参加した。
今回メインフロアではFred P.がオープンから担当と豪華というかもったいない役割を担当しており、日が変わる前位に現地入りしたが、予想していたとは言えやはりフロアの客入りは芳しくない。そんな状況において、パーカッションが弾けるグルーヴィーなディープ・ハウス寄りのプレイは、しかしまだエモーショナルに展開するでもなく太く力強いビート感でタフさを強調している。それはハードというものではないがしやかに、そして快活に刻まれるビートはどっしり重厚感もある。しかし次第にFred P.らしい叙情的でスピリチュアルなメロディーも幻想の濃霧が満ちるようにうっすらと現れ、心地好いアンビエンス性やエモーショナル性も強くなっていくと、期待通りのFred P.らしい音楽性へ向かう。そして最近の彼の変名であるBlack Jazz Consortiumにも見受けられる、メロウなアコギと歌のメランコリーさが強いジャジー/フュージョンな雰囲気の曲も混ぜたりと、どんどん彼らしい音楽性が増えてその深くもスピリチュアルな世界に飲み込まれていく。肉体を突き動かす爽快なパーカッションのリズム、抽象的でもやもやしたアンビエンスのムード、神々しく希望を掲げるような美しいメロディー、それらがハイテックかつディープな世界を作っていく。しかし、時折差し込むソウルフルなハウス、例えば情熱的なサックスに先導されるざっくり生音なボーカル・ハウスの"Got 2 B U (Dennis Ferrer Eclipse Remix)"はジャジーな要素が強く、それらはBJCの音楽性から派生しているように思われる。そこから再度、深遠なるディープ・ハウスへと戻りグルーヴ重視で攻めながら、時折耽美なエレピやメロウなアコギといった生音を打ち出したジャジー・ハウス系も使う展開で、パーカッシヴなグルーヴ重視のハウスと艶やかな色っぽいソウルフルなハウスの対比はよりエモーショナル性を強調する。早い時間帯を担当していた事もあって派手さは抑えていた印象はあるが、終盤は流石にスピリチュアル性もある叙情性を前面に打ち出して、その微睡んでうっとりする深淵な世界観に引き込まれていく。終盤にはヒット曲の"Bar A Thym (Tom Middleton Cosmos Mix)"等、軽やかなパーカッションのリズムで体も軽くなり、心地好くステップを刻む流れ。そして情熱的なハウスで感動的なラストに向かって上り詰め、そこで音をスパっと切って終了。

折角盛り上がっていたのでパーティーの途中で完全に音を消してしまうのはもったいないと思ったが、Prosumerも自分のプレイへの自負が故だろうか、一から雰囲気を作り直す。"Darlene (CVO Remix)"の色っぽくもソウルフルな歌ものハウスで開始するが、やはり以前にも感じたがこの人はコテコテなハウス観で、そのクラシックな雰囲気に安心感を覚える。Fred P.の幽玄かつ幻想的な叙情性とは異なり、肉体的な血潮滾る汗臭いソウルフル性で、同じエモーショナルといっても色々な方向性があるものだと再認識させられる。"Welcome To My Groove (Hurley's Deep House Mix)"のようなヒップ・ハウス的な古臭いブレイクビーツも逆に新鮮で、更にはMidwayの"Set It Out"とギトギトしてエネルギッシュな古典のエレクトロニック・ディスコもプレイし、もう早くからディスコ・フレバーなフロアはハッピーでその突き抜け加減が清々しくもある。そこから暫くはピコピコ感が懐かしく思われるディスコ中心で、ドタドタとしたドラムと快楽的なシンセ・ベースで笑顔溢れつつ陽気に踊らされ、どんどんProsumerのハウス/ディスコへの偏執的な愛に満ちた世界に引き込まれていく。そしてハウスへと戻ると、今度はアシッディーで簡素で乾いた音質のシカゴ・ハウス調やスカスカに音を削ぎ落としつつ粗雑なリズムを刻む"Jack The Groove (DJ T. Edit)"といったローファイな音楽へ変化したりもするが、根底にハウスがあるからか流れはとても自然で、少ない音数ながらも逆に無骨で芯のあるグルーヴとなって肉感溢れる強さ。そして音数は絞った流れから今度はファンキーで感情が溢れ出すソウルフルなガラージ・ハウスの"Pride (A Deeper Love) (Continuous Play Underground Club Mix / Let's Go Chanting Mix)"辺りから勢いを増して、再度直球でコテコテに熱量の高いハウスな流れへ突入。ザラザラとしてラフな質感が熱いファンキーさを生む"Strider (Oracy's Extended Tried 2 B Shady Edit)"や、"Nu4him"のように鋭いビートを刻みつつ切なさを誘うモダンなディープ・ハウスなど、これでもかとハウスを軸にした感情が溢れ出すプレイ。そしてOcto Octaの質素な音質ながらもエモーショナルで希望の光が射すハウスである"Fever Dream"によってポジティブな空気に満たされ、骨格が浮かび上がるようなローファイな選曲ながらも、しかし胸を締め付けるような情熱的で切なくもあるハウスがフロアを希望で照らし出す。それ以降も楽天的かつ熱狂的なハウスから、ミニマルなグルーヴでゴリゴリと荒々しく無骨なハウスまで、とにかくハウス愛を感じずにはいられない程に実直なプレイで、そのジャンルに於いて多少の幅はあれど根底にある軸自体はぶれない。Grant Nelsonのざっくりラフなビート感にソウルフルな女性の声を執拗に反復させたツール性の"Rhode House"に、エレピやサックスが優雅な彩り感情を揺さぶる曲は非常にファンキーで、Prosumerのプレイは体を突き動かしつつも体の中にある心もじんわりと温める。

お互いのプレイを2時間ずつ体験したところでパーティーの途中ながらも離脱したものの、Fred P.のDJが自身のアーティストとして制作した音楽として並行した別の表現の場だとしたら、Prosumerは生粋のDJ気質でフロアの雰囲気に合わせて場を作り上げていくような感覚のDJで、ソウルフルな二人の音楽性に於いて両者の異なる特徴が明確に体験出来る一夜だった。コロナの影響により客足は悪く、もしこれが平常時ならもっと多くの人で賑わい更により良いパーティーになったのではと残念な気持ちもあるが、こんな状況でも来日してファンを楽しませてくれた二人には感謝の気持ちしかない。信頼に足る二人のソウルフルなDJ、是非ともまた状況が落ち着いたら万全の環境でプレイして欲しいものだ。

■Black Jazz Consortium - Evolution of Light(過去レビュー)
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■Prosumer - Fabric 79(過去レビュー)
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