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James Holden - A Cambodian Spring OST (Border Community:49BC)
James Holden - A Cambodian Spring OST
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鬼才James Holden、トランスやプログレッシヴ・ハウスから始まりいつしか幻惑的なサイケデリック・テクノやアンビエント、実験的なエレクトロニカ風やアバンギャルドなロックまで、多様な音楽性を発揮しながらもそれぞれのジャンルにおいても尖った才能を見せ付ける強烈な存在が、2019年初頭には『A Cambodian Spring』という映画のサウンドトラックまでもリリースした。映画はグローバリズムに飲み込まれるカンボジア、ボウンカク湖を開発する政府に反対する民衆の姿を捉えたドキュメンタリーであるが、この映画の監督が2013年作の『The Inheritors』(過去レビュー)に収録されている"Self-Playing Schmaltz"の使用を求めた事から、最終的には映画全編の音楽をHoldenが手掛けるようになったそうだ。本作は『The Inheritors』制作にも用いられた古いアナログシンセのProphet 600を全面的に利用して制作されたそうで、また映画の内容もあってか不安気でどんより陰鬱としたムードのサウンドトラックはHoldenの分裂症気味で退廃したイメージに沿っており、ダンス・ミュージックではないものの実に彼らしいサイケデリックな音楽になっている。徐々に話が始まるように静けさが広がるオープニングの"Srey Pov's Theme"は、ぼんやりと暗いドローンとパルスのようなか弱くも神経質なシンセによるアンビエント調な曲。(製作中に壊れてしまった)ハモンドオルガンとシンセによって重厚感と閉塞感を打ち出した"Monk's Theme Part I"、それに続く"Downturn Medley"も同様にオルガンが下部で静かにうねりながらどんよりとした闇を生んでいる。一方で非常にHoldenらしいトランス感溢れるサイケデリアを発揮しているのが"Solidarity Theme (Villagers)"や"Solidarity Theme (Release)"で、快楽的なシンセサウンドのアルペジオが少しずづ高揚感を獲得する躍動的な曲で、特に後者は神々しく展開して圧倒的な眩い光に飲み込まれるようだ。3部構成となる"Disintegration Drone"シリーズは前述の朽ち果てたハモンドオルガンとProphet 600が神経をすり減らすようなどぎついドローンを鳴らし、展開らしい展開もなく只々機械が呻き声を上げるような構成は狂ったようにも思われるが、こういった破滅的な音響もHoldenが世界観が現れている。一曲一曲は短くまたダンス・ミュージックでもなく、聞く前はファンにすれば物足りなさを感じるかもしれないが、しかし実際に聞けば何処を切り取っても完全にHoldenの恍惚と狂気が交錯するサイケデリックなテクノである。徐々に壊れていくような中にも美しさが存在する強烈なアンビエント風サウンドトラック、十分にHoldenのオリジナルなアルバムになっている。



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| TECHNO14 | 11:00 | comments(0) | - | |
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