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Iury Lech - Otra Rumorosa Superficie (Utopia Records:UTO 001)
Iury Lech - Otra Rumorosa Superficie
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2017年には2ndアルバムである『Musica Para El Fin De Los Cantos』(過去レビュー)がCockTail d'Amore Musicから再発され、更にはそこから現行ダンスミュージックの気鋭がリミックスしたEPへと派生し、アンビエントやニューエイジが再燃する現在において注目を集める事となったIury Lech。スペイン生まれのLechは作曲家ではあるが、また作家や映画監督もこなすマルチアーティストで、1970年代後半から映像や音楽に関わるようになり長いキャリアを持っているが、特にスペインのニューエイジ方面では現在では多大な存在感を放つSuso Saizと肩を並べるアーティストのようだ。とは言っても恐らく知っている人は知っている…というような存在だったとは思うのだが、昨今のニューエイジ再興の流れの一環的に2ndアルバムが再発された事は日の目を見る機会となり、そして今度はデビューアルバムである本作がUtopia Recordsの再発シリーズであるUtopia Originalsからリイシューとなった事でLechへの再評価は間違いものとなった。元々は2つの短編映画「Final Sin Pausas」と「Bocetos Para Un Sueno」の為に書き下ろされたという本作は、それもあってかシネマティックで静謐な世界観がアンビエント/ニューエイジとの親和性は抜群で、終始浮世離れしたようなフラットな安楽が持続する。アルバムはぼんやりというかどんよりというか抽象的なシンセのドローンが睡眠を誘う物静かな"Bocetos Para Un Sueno"で始まり、宗教的な感覚もある荘厳なピアノが美しく反響する"Adagio Seme Janza"や、逆に柔らかなノイズ混じりのエレクトロニクスが持続するドローン・アンビエントの"Hipodromos De Acero"など、基本的にはビートレスで鎮静作用さえ感じさせる穏やかな音楽だ。10分超えの大作である"Emblemas"は物哀しく滴り落ちるようなピアノのメロディーにどんよりと揺らぐ電子音を合わせて、派手に展開する事もなくただひたすら切ない感情を誘うように、成程情景が浮かび上がるシネマティックかつロマンティシズムに溢れた作風だ。多くの曲では繊細で悲哀に満ちたピアノが主導し、そこにエレクトロニクスが静謐さを保ちながら味付けをする構成で、感情の昂ぶりは一切ないどころか精神の安定をもたらす癒やし的な響きに包み込まれていく。ニューエイジの文脈で語るには生真面目というか俗っぽさは無く、快楽的なアンビエントに振り切れるわけでもなく、やはり元々は映画音楽であった事から内面を掘り下げていくような感覚が強いが、それが深い穏やかな瞑想へと誘う効果へと繋がっている。



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| TECHNO14 | 21:30 | comments(0) | - | |
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