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Jonny Nash / Suzanne Kraft - Framed Space : Selected Works 2014 - 2017 (Melody As Truth:MAT12)
Jonny Nash  Suzanne Kraft - Framed Space Selected Works 2014 - 2017
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2000年代にニュー・ディスコの流れにも呼応していた日本のコズミックなバンドのDiscossessionの一員でもあったJonny Nashは、その後拠点をアムステルダムに移しLand Of LightやGaussian CurveにSombrero Galaxyといった複数のユニットでの活動によりダンス・ミュージックの枠組みを越えてニューエイジやアンビエントへと接近し、その自身の音楽性を表現する場として2014年にMelody As Truthを設立している。レーベル初期の活動は自身の作品と共に、ロサンゼルス出身でアムステルダム在住のDiego HerreraことSuzanne Kraftの作品で占められており、2013年の邂逅以降互いの音楽性に共感した彼等は2020年の現在に至るまで度々コラボレーションも果たすなど、音楽的な相性の良さは言うまでもないだろう。両者のバイオグラフィーについてはライナーノーツに詳細が記載されているので、是非本作を購入した後に読んで頂きたいが、さてこのアルバムはそんなレーベルにとっての第一章を締め括るような内容だ(2017年以降レーベルはニューカマーも送り出している)。Nash側からは『Phantom Actors』と『Exit Strategies』に『Eden』(過去レビュー)、Kraft側からは『Talk From Home』と『What You Get For Being Young』(過去レビュー)からそれぞれ選りすぐられ、かつ未発表曲も加えたMATの初期のマイルストーン的な内容で、現在再評価が著しいアンビエント/ニューエイジにおいても現在形のという意味で非常に重要なコンピレーションだ。二人の静けさが生み出す抒情的な美しさや淀みの無い牧歌的なムードなど音楽性に大きな乖離があるわけではないが、ギタリストでもあるNashはやはりギターサウンドが主張しており、Kraftの音楽は曲によってはクラブミュージック的なリズムも聞こえたりと、本作ではそれぞれの個性も聴き比べする事が可能だ。初期のNashの音楽は特に美しく、透明感のあるシンセのレイヤーとゆっくりと滴るように静謐なピアノを用いた"A Shallow Space"は後半では遠くで響くようなギターもゆったりと広がっていき、ここではない何処かへと連れて行く牧歌的なアンビエントにいきなり魅了される。時代によって音楽性にも変化はあり、ギターのコードとレイヤーを前面に打ち出して有機的な音色を強調した"Exit One"はコンテンポラリー・ミュージックとでも呼べばよいだろうか、気負わずに肩の力が抜けてリラックスした気分に心が落ち着く。そしてバリ島での録音に至った頃の曲である"Conversations With Mike"ではツィターやガムランのベルも用いられ、より深い木々が茂る自然世界から発せられるスピリチュアルなムードも強くなる事でニューエイジへと傾倒している。対してKraftは"Two Chord Wake"ではヒップホップ調のリズムと共に水彩画のような淡い響きが美しくあるが、メランコリーでありながら大空の下で陽気に戯れるような、ダンス・ミュージックの影響を残す曲調もある。勿論"Flatiron"のように胸を締め付けるような切ないギターと微かに響く繊細でジャジーなリズムで、内省的でしっとりとした抒情に染める曲もあれば、朧気なドローンによって抽象性を高めながらも生っぽいベースやギターがオーガニックな温かみを生む"Body Heat"など、静謐なアンビエントやニュー・エイジを軸に電子音とオーガニックを共存させて、深く深く内なる精神世界への瞑想へと誘うようだ。それぞれ元々はアナログで販売されていたものが、このようにCDで編纂されて纏めて聞く事でMATというレーベルの方向性を理解出来る点でも価値あるものだが、それを抜きにしても二人の静けさの間から生まれる素朴な美的感覚の魅力は昨今のアンビエントの中でも群を抜いている。



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| ETC5 | 18:00 | comments(0) | - | |
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