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Joris Voorn - \\\\ (Four) (Spectrum:SPCTRM004CD)
Joris Voorn - (Four)
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3枚目のアルバムであった2014年作『Nobody Knows』(過去レビュー)から2019年時点で早5年、オランダ随一のテクノ・アーティストであるJoris Voornがそのタイトルまんまに4枚目のアルバムを送り出した。その間にもこの名義やまた別のDark Science名義も合わせて複数のEPをリリースしていたのでそれ程には待った感は無かったものの、前作においてメランコリーではあるが極端にリスニングへと傾倒していた事もあって、新しいアルバムへは期待と不安が入り乱れて待たされていた。前のアルバムではフロアでの鳴りを前提としたEPとは異なりアーティストとしての懐の深さを見せ付けるように、メロウなリスニング性を深堀りしそれはそれでVoornの表現力を褒め称えるべきだったのだが、ファンが期待する方向性とはやや乖離があったのも事実だ。しかし本作は蓋を開けてみればメランコリーなムードはそのままに再びダンスへの回帰も見受けられ、一大絵巻のように壮大な世界観で展開しながら、今までの集大成的にも思われる完成度を誇っている。本人の話では「ここ数年の音楽の旅を反映したもので、自分の音楽の原点を探り、新たな境地を切り開いた」との事で、テクノにハウスやトランスにブレイク・ビーツやダウンテンポなど色々と取り組みながらも、メランコリーかつドリーミーなムードで統一されてVoornのメロディー・センスが遺憾なく発揮されている。幻想的なシンセのレイヤーと可愛らしい鍵盤のメロディーが一つとなりながら、ビートを適度に抑えながらじわじわと高揚感を増していく冒頭の"Never"から圧倒的な叙情性に飲み込まれ、続く"District Seven (Broken Mix)"ではブレイク・ビーツを用いて腰に来るグルーヴを作りつつ、壮大なスケール感を持つプログレッシヴ・ハウス調のゴージャスなシンセで覆い尽くし、メランコリーな大河に飲み込まれる。先行EPの一つである"Ryo"はヒット作の"Ringo"を思い起こさせる物憂げなテクノで、美しくも消え入るようなシンセのリフレインとオーロラのようなパッドによってこれでもかと涙を誘うサウダージなテック・ハウスは、滑らかなグルーヴを刻みながら何処までも感動の高みに連れて行く。また"Polydub"では妖しくも美しいピアノのメロディーやシンセループを重層的に活かして、ミニマルなディープ・ハウス調に毒気のある妖艶さを放ち、アルバムに持続性をもたらしている。そして特筆すべきは本作では強烈な個性を持つアーティストをフィーチャーしており、"Too Little Too Late"ではUnderworldを共作に迎えているが、元となる艷やかなテック・ハウス調の曲にKarl Hydeの機械的で淡々とした歌が加わる事でニューウェーブ調へと染まり、予想外に相性の良さを発見する事だろう。そしてロンドンのトリップホップ・ユニットであるHaelosをフィーチャーした"Messiah"は、分厚く豊かなシンセのリフレインと揺れるブレイク・ビーツを用いて何処か90年代的な懐かしい感覚を持つが、ソウルフルなのにトランシーな快楽性が今風だろうか。そして終盤にはピアニストのMichiel Borstlapを迎えた"Blanky"で、哀しみにも近い切ないピアノが清らかに挿入されたドリーミーなダウンテンポを展開し、終わりへと向かう如くテンションを落ち着かせてアルバムは穏やかに幕を閉じていく。想定していた以上にダンス性を増しながらも全体としてはシンセのメロディーやコードを尊重し、アルバムらしく様々なスタイルを披露しながらもある一つの統一感を持っている。それは、幻想の濃霧が立ち込める如くメランコリーなムードであり、ともすれば装飾過剰な音楽になってしまいそうなぎりぎりのラインを保ちながらも、アルバムは感動的なまでの壮大な流れで聞く者を魅了するだろう。



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| TECHNO15 | 12:00 | comments(0) | - | |
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