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The Orb - Abolition Of The Royal Familia (Cooking Vinyl:COOKCD757)
The Orb - Abolition Of The Royal Familia
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ダンスミュージックという流行の浮き沈みが大きいジャンルにおいて一定した活動を続ける事は容易ではないが、30年以上も活動しながらも常に第一線で活躍し続ける存在が居る。それこそAlex Patersonを中核と成すアンビエント・テクノのオリジネーターであるThe Orbで、今年16枚目だか17枚目だかとなるスタジオ・アルバムである本作をリリースしている。こちらは2018年の『No Sounds Are Out Of Bounds』(過去レビュー)の続編というか兄弟的アルバムで、その為前作の流れから同じようなメンバー、例えば旧友のYouthにRoger Eno、On U-SoundのDavid Harrow、System 7のSteve HillageとMiquette Giraudy、過去にも関わりのあるGaudiが制作に参加しており、そして全面的に作曲に関わり新たなるThe Orbの一員としてエンジニアのMichael Rendallが名を連ねている。アルバムのコンセプトは、18世紀から19世紀にかけてのアヘン戦争に関連した東インド会社をイギリス王室が支持していたことに対する抗議の意味だそうだが、そのコンセプトの有無にかかわらずテクノやハウスにアンビエントからダブやレゲエなどいかにもThe Orbらしい雑食性の強いアルバムは、摩訶不思議な世界を展開する1stアルバムの系譜に属している。オープニングの"Daze"からして心地好い4つ打ちのハウスビートと甘ったるくメロウな歌を活かしたハウス調でいきなりもう脱力させられ、続くHillageがサイケデリックなギターを披露している"House Of Narcotics"も軽快に跳ねる4つ打ちにソウルフルな男性ボーカルが随分とポップな印象だが、アシッド・サウンドをかけ合わせる事で快楽的な歌モノハウスになっている。Stephen Hawkingsへのトリビュートとなる"Hawk Kings"では流麗なストリングスを用いつつも、勢いのある4つ打ちとエナジー溢れるシンセに淡々とした呟きを導入してレイヴ風のアッパーなダンスを展開し、アルバムの序盤は随分とポップで陽気なダンスモードだ。そこからアルバムは変化を見せて、"Pervitin"ではシンセ/トランペット/ストリングスが優美ながらも融解するようにドロドロと一つなり抽象的なビートレス・アンビエントを奏で、続く"Afros, Afghans And Angels"では古ぼけたラジオや日本語のサンプリングを交えるユーモアを入れつつもオーケストラ風の荘厳なアンビエンスを生み、そしていかにもなレゲエやダブの心地好いアフタービートを強調しながらハーモニカやトランペットの有機的な響きで湿り気を演出する"Say Cheese"など、もう何処を切り取っても全てがThe Orbという変幻自在で何でもありな音楽に笑みが溢れずにはいられない。終盤にはドラムン・ベースのしなやかなリズムを刻む"The Queen Of Hearts"もあるが、色々な音が混ざりながら融和するようなサイケデリック性に耳馴染みの良いポップな感覚も加わり、ごった煮となった音楽はコテコテながらもその多彩さが楽しくもある。個人的な好みでいうとPateresonの盟友であるThomas Fehlmannが参加した時のインテリジェンス性の強いアルバムの方が好みではあり、The Orbの歴史の中で本作が突出して素晴らしいかと言うとそうではなくThe Orbらしくはあるも平均的な出来だと思う。しかし色々なアーティストとコラボしながら貪欲に色んなジャンルを吸収する事でマンネリを回避し、流れの早いダンス・ミュージックの業界で活躍し続ける術を理解している事を、本作で証明している意味ではThe Orbの本質が現れていると言えよう。



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| TECHNO15 | 07:00 | comments(0) | - | |
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