2017/7/28 mule musiq presents cats Kuniyuki New Album Release Party @ Contact
おそらく日本のレーベルとしては最も世界的に成功したと呼べるmule musiq。レーベルの現在のレギュラーパーティーとして「Cats」が定期的に開催されており、潤沢なレーベル所属アーティストのおかげで国内勢/海外勢問わずに実力あるアーティストが出演し、レーベルの音楽性を伝える共に現在形のダンス・ミュージックの普及に努めている。今回はレーベルを代表するアーティストであるKuniyuki Takahashiによるニューウェーブ・プロジェクトのライブお披露目がメインになるが、海外からはフレンチ・ハウスのChateau FlightからGilb'rとコズミック系のDaniele Baldelliという大物も来日する他、レーベル主宰者であるToshiya KawasakiにChee & KzaやSisi & TosiのB2Bもあるなど、とても豪勢な面子が集結している。
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| EVENT REPORT6 | 20:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
ゆ〜シティー蒲田
ゆ〜シティー蒲田

蒲田と言えば餃子、蒲田と言えば町工場、そして蒲田と言えば都内屈指の温泉銭湯の町。海の近い大田区内は各所に黒い温泉が湧く銭湯が点在しているが、蒲田駅の周辺にもホテルや銭湯に黒い温泉が湧き出しており、昼間からとろとろの温泉に浸かって疲れをとりそのまま餃子をつまみながら飲みに行ける絶好の場所なのだ。今回は蒲田駅東口から北へ徒歩5分程にあるゆ〜シティー蒲田へ行く事にしたが、平日でも午前11時からオープンしているので昼飲みの前に入浴するのにも便利な温泉銭湯である。
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| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC3 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kuniyuki Takahashi - Newwave Project (Mule Musiq:MMD-61)
Kuniyuki Takahashi - Newwave Project
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生演奏の温かさ、スピリチュアルな世界観、有機的な響きを含んだハウス・ミュージック、高橋邦幸の音楽についての一般的に知られているイメージはそのようなものだ。工業で機械的というイメージとは真逆で、電子楽器を用いながらも生命の営みを彷彿させるハウスは慎ましく厳かで、何より大地の胎動と共鳴するような霊的な力を含んでいる。しかしそんな彼が近年取り組んでいたニューウェーブ・プロジェクトと名付けられたシリーズは、そのタイトル通りにニューウェーブやインダストリアルミュージックに寄り添ったものだ。本人に拠れば元々それらの音楽性もルーツにあったそうで、実際にDRPというEBM(Electronic Body Music)系のユニットも組んでいたりするのだが、ここにきて"新たな波"を生み出した原動力はやはり彼の創造性に対する渇望が故なのだろう。これまでのオーガニックなハウスは封印し、むしろサンプリングも用いてダークで退廃的なテクノへと寄り添った本作は、Kuniyukiが考える現在のニューウェーブなのだ。そうは言いながらもKuniyukiらしさはそこかしこに残っており、民族的なパーカッションの響きが目立つ"Steam"は正にそれだが、しかし機械的に刻まれる冷えたスネアの8ビートや灰色のトーンが工業的な風景を喚起させる。続く"Cycle"は擦れたような荒いリズムでグルーヴは走り出すが、色褪せたようなモノトーンな音が続く。先行EPの一つである"Newwave Project #2"は展開は抑制してミニマルでハウシーなグルーヴで踊らせるツール系の曲だが、そういったところはダンス・フロアを忘れないKuniyukiらしくもある。ブレイク・ビーツ系のざらっとしたエレクトロのリズムとヒプノティックなシンセを用いた"Blue Neon"、アシッド・ハウスを更にインダストリアル的に歪ませたような"Mind Madness"、ニューウェーブとジャズが融合したような奇怪なリズムを見せる前衛的な"Puzzle"などは、このプロジェクトだからこその挑戦が強く打ち出た曲だ。Kuniyukiの既存のオーガーニックでメロディアスな路線とは異なるこのプロジェクト、異色を感じはさせるがやはりライブでこそ映えそうな曲質は、そこもKuniyukiらしい音楽性があり是非ともフロアで体験すべきだろう。



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| TECHNO13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/7/18 dublab.jp × TRUNK (HOTEL) present Wolfgang Voigt - Ruckverzauberung × Yui Onodera @ TRUNK
テクノ帝国ドイツに於ける老舗レーベルであるKompaktの創始者であり、またProfan等ではミニマリズムの極地を追求し、そしてGas名義ではその名の通りガスが充満するようなアンビエントを展開するなど、その音楽性を芸術にまで昇華させた重鎮中の重鎮であるWolfgang Voigt。その存在感の大きさとは対照的に来日経験は多くはなく日本で彼のライブを体験する事はレアになっているが、この度幸運な事にも定番フェスとして定着したruralへGas名義での出演と、そして都内では渋谷にある高級ホテルTrunk内にあるチャペルへWolfgang Voigt名義で出演となり、今回は後者にて彼のライブを初体験する事となった。
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| EVENT REPORT6 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
DJ Yogurt & Moja feat.下津光史 - いややこやや (Upset Recordings:TSUR-001)
DJ Yogurt & Moja feat.下津光史 - いややこやや
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テクノやハウスだけでなくR&Bやダブにアンビエントその他の広範囲な音楽を愛するDJ Yogurt、当然ロックにも深い愛を今までにも示しており、ロック・アーティストのリミックスを何度も行ってきている。今回そんな彼が目を付けたのは2008年に神戸で結成された「踊ってばかりの国」なる5人組のバンドで、DJ Yogurtが何度も彼等のライブを体験する内に"いややこやや"の魅力に取り憑かれバンドのボーカルである下津光史にリミックスを提案し、このプロジェクトへと結び付いた。リミックスとは言っても下津のボーカルやギターは再録となり、更に近年DJ Yogurtとコンビを組んでいるMojaのプロダクションのおかげで、これはリミックスではなく新作と呼んでもよい程に新たな魅力を放っている。元々スローで気怠い原曲ではあったものの、このリミックスは更に過剰なダブ処理を用いてメローかつ浮遊感伴うダブ×アンビエントなテイストを増したものになっている。"いややこやや (Vocal Mix)"は正統派レゲエのバックビートと何処までも広がるような残響を用いたダブだが、下津のボーカルも白昼夢の中を彷徨うような甘さを醸し、何だか南国気分なカリビアン的なムードに夢現。しかし本作でとびっきりにぶっ飛んでいるのが"いややこやや (Dub Mix)"で、残響をより強く引き伸ばした事で弛緩したムードが更に増し、それは意識をもくらくらとさせる効果となって熱気でゆらゆらと視界も波打つように作用し、最早ここまで来ればアンビエントかチルアウトかの極上のメロウさを持ったブリストル・サウンドだ。蒸し暑い真夏の時期にこそより効果を発揮するであろう開放的なサウンド・プロダクションに、DJ Yogurtのダブへの愛がはっきりと現れている。裏面には新作が2曲収録されているが、下津もボーカルで参加した"Ocean (In the House)"はそのタイトル通りで、真夏のビーチにもぴったりな爽快なハウスビートにトライバル感や多幸感溢れる清々しいエレクトロニック・サウンドをまぶした野外フェスにも映えそうなダンス・トラック。もう一方の"Electric & Drums For Dance"は生っぽいキックやハイハットを強調したドラム乱れ打ちのブレイク・ビーツが炸裂し、強烈なリズムに引っ張られながらもこちらも燦々と照る太陽の光を全身で浴びるような底抜けの明るさがある。どれもこれもこれから始まる夏にぴったりな曲であり、またDJ Yogurt & Mojaとしての活動に期待が高まる事間違いなし。





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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Dazzle Drums - Music Of Many Colours (MUSIC 4 YOUR LEGS:MFYLR003)
Dazzle Drums - Music Of Many Colors
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待ちに待っていた、実力のあるDJだからこそようやくと言う思いが強いDazzle Drumsによる初のMIXCDが完成した。NagiとKei Suganoによる夫婦ユニットのDazzle Drumsは、決して追い風とは言えない現在のダンス・ミュージックのシーンにおいても、毎月自身によって「Block Party」を開催し続けて徹底的に現場感を重視した活動を行っている。一般的なイメージではハウス・ミュージックやそれのルーツでもあるディスコを中心とした音楽性というイメージはあるだろうが、しかし彼等のパーティーに行けばハウスやクラシックだけに収束せずにテクノやアフロ、プログレッシヴ・ハウスにR&B等流れにハマるものであればプレイする許容性があり、そして過去へのリスペクトと共に常に未来を見据えた視点を持っている事を肌で感じるだろう。本作もそんなDazzle Drumsの現場でのプレイが反映された選曲で、ソウルフルなハウスからアフロやラテン、そしてテクノ色の強いディープな曲まで今の彼等が存分に体感出来るプレイを披露しており、どんなDJかと知るには最適な内容になっている。先ずは自身の曲である"In Da Rhythm (Block Party Mix)"でざっくりとして揺れるリズム重視に落ち着いたスタートを切ると、そこからジャズ/ファンク色の強い"Flight Formation (Danny Krivit Edit)"で一気に熱量と感情を高めてソウルフルな流れに引き込んでいく。続くは最近のDazzle Drumsが推し進めているアフロビートな"Paradise (Dazzle Drums Album Mix)"で疾走感も帯びて、そこにツール系の"BT1"も織り交ぜて展開を途切らせずに緩急を見事に操りパーティーの臨場感さえも再現しているようだ。中盤でも土着的な薫りが立ち込めるトライバル系から爽快なアフロ/ラテン系で攻め、ラテンやディスコの要素もありながらドラッギーなハウスの"Djidjo Vide (Jose Marquez Remix)"や"Black Queen (Enoo Napa Afro Mix) "等でディープな闇のフロアに嵌めていき、古典を尊重しつつも今という音にも向き合っている。後半はピークに向けて盛り上がっていくドラマティックな展開が待ち受けており、太陽の日差しを浴びるようなソウルフルなボーカル・ハウスの"Don't Stop (The Music) (Kiko Navarro Vocal Mix)"、そしてしっとりと甘いと吐息を感じさせる情熱的な"Right Here Right Now (Hallelujah Anyway) (DJ Spen, Gary Hudgins & Thommy Davis Remix)"からフロアヒットした漆黒のディープ・ハウス"Eminescence"への流れはフロアで聞けば間違いなく歓声が沸き起こるだろう。ずっと長い間DJを続けていた経験があるだけに当然の如く下手なモノが出来る上がるわけはないが、しかし本作では大半の曲がここ2〜3年内にリリースされた曲である事で、ある種古典がもてはやされるハウス・ミュージックの中でも彼等の視点は前を向いている事が素晴らしく、だからこそジャンルも意識する事なくプレイするし広がりのある姿勢に可能性を見出だせるのだ。尚、ディスク2はアンミックス仕様なのでDJの方には便利に使える事だろう。



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| HOUSE12 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Inner Science - Assembles 9-12 (Terminal Dream)
Inner Science - Assembles 9-12

ヒップ・ホップをルーツにサンプリングと多様なリズムを打ち鳴らすドラムマシンを用い、そして岩清水のような綺麗な透明感のある電子音を散りばめて色鮮やかに躍動するダンス・ミュージックを制作する西村尚美によるInner Science。彼にしか成し得ない個性的なダンス・ミュージックの本流と共に、近年は「Assembles」なるシリーズを立ち上げて精力的にその方向性を推し進めている。このシリーズは彼固有の電子音の響きは用いながらもそれを異なる方面から展開し、また表面的なリズムからの解放を推し進め、抽象的なコラージュ/エディット・サウンドで独自のアンビエントを引き出す事に成功している。さてそのシリーズの新作は自身のPlain Musicからではなく、ロシアはモスクワの新興レーベルであるTerminal Dreamからのリリースとなった。何でもレーベルに音源を送ったところ即座にOKを貰いリリースに至ったそうで、結果的にはこれを契機に海外への普及にも繋がる事に期待をしたい。普段の作風とは異なり、いや寧ろ自覚的に同じ事の積み重ねにならないように積極的に抽象性を突き詰める「Assembles」シリーズは、確かに一聴して掴み所はなさそうで手の平からするすると零れ落ちてしまいそうな程に自由度が高い。スクラッチや逆回転を思わせる効果、左右に極端に振れるパン、ミニマルとは真逆の流動性と、全編通して一時として同じ瞬間は感じない程だ。また目立ったビートは殆ど鳴っていないものの一つ一つの電子音の連なりがリズムとして機能しているようにも思われ、大胆かつ流れるような旋律によって静かなる躍動感へと繋がり、決して落ち着いたアンビエントに収まるでもなく生き生きとした生命力さえ感じさせる。そう、音が生きているように変化し奇妙なコラージュ・サウンドとなっているのだが、そこに突き放す難しさは無く寧ろ色とりどりの宝石がぶつかり合って弾けるような色彩感や美しさがあり、音の一つ一つに魅了されるのはInner Scienceの普段の音使いが発揮されているからだ。音そのものとの戯れ、響きへの遊び心に溢れた定形の無いコラージュは良い意味でBGMとして機能し、無意識的にアンビエントとして作用する。オプティミスティックで気持ちの良い電子音、ただそれに尽きる。



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| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |

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