2019.09.29 Sunday
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2012年にリリースされた『Let's Get Lost Vol. 14』に収録されていた国産アーバン・ディスコの名作「Tonw」のリエディットは、その年のパーティーでは頻繁に耳にするなど世界的にヒットしたのも懐かしく、また現在に繋がる和モノのブームの流れの中にあった。それを手掛けていたのがイタリアのデュオであるMarvin & Guy、中身はMarcello GiordaniとAlessandro Parlatoreで、前述のヒット作以降もコンスタントにEPをリリースし、それ程の爆発的ヒットはなくてもギラギラしてスペーシーなニュー・ディスコによって人気を博している。2019年初頭にリリースされた新作も作風は既に完成している事から良くも悪くも金太郎飴的なニュー・ディスコで、だからこそ安心して聞く事の出来る内容になっている。Alloをボーカルに起用した"Notte"は特にギラついた曲で、初っ端から毒々しいシンセの伸びと麻薬的なシンセベースが効いていて、そこにスペーシーな呟きも加わりピアノの快楽的なシンセのフレーズも被せられ、徐々にビルドアップしていくニュー・ディスコなスタイルは恍惚へと導く。"Idra"ではPerelをボーカルに迎えているが、こちらはカラッとした爽快なパーカッションと潰れたようなドラムのビート感、そしてダークでブイブイとしたベースラインがよりディスコティックな雰囲気を作っており、そこに美しも妖艶に伸びるパッドやセクシーながらもどこか退廃的なスピーチが派手な世界観の中に何か影を落とすような狂おしくもドラマティックな曲。それらに比べると"Stige (9AM Mix)"はやや地味な作風だが、軽く疾走するビート感に浮遊感のある煌めくシンセを用いて、スペーシーな世界へと誘うムーディーなディスコだ。8ビット風のコミカルな宇宙旅行のジャケットも、収録された3曲の世界観に見事にマッチしている。
Check Marvin & Guy