石川台 稲荷湯
稲荷湯

都内ではスーパー銭湯型の温泉が増えてきているものの、日常の生活の一部として楽しむのであればやはり近くの銭湯が好ましい。しかも大田区であれば多くの銭湯に温泉が湧いているのだから、わざわざ高い料金を支払わなくても温泉が楽しめるである。今回は東急池上線は石川台駅から徒歩6分、希望ヶ丘商店街の一角にある地域密着型の銭湯、稲荷湯を訪問。
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| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC4 | 13:00 | comments(0) | - | |
Dominik Eulberg - Mannigfaltig (!K7 Records:K7380CD)
Dominik Eulberg - Mannigfaltig
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2011年の『Diorama』(過去レビュー)から8年、EPは継続してリリースしつつもアルバムを全く出さなかったDominik Eulbergが、2019年遂に5枚目のアルバムをリリースした。ダンス・ミュージックの前提を踏襲しつつも線の太さに頼らず、酩酊感溢れる優雅な美意識やアシッド的な中毒性といった響きを打ち出して、精神へと作用する覚醒感を持った音楽はEulbergを個性あるアーティストたらしめていたが、この最新アルバムはより多様性を受け入れて最早ダンス・フロアへの依存度は低くなっている。前のアルバムのジャケットからも分かる通り自然志向的な意識が感じられたEulbergは、実は生物学者や鳥類学者でもあり自然保護の重要性を唱えているそうで、本作でもジャケットにも多種多様な生物が描かれている通りで多様性のある音楽によって自然保護を訴えるコンセプト・アルバムを作り上げた。曲名も全て動物の名前であったりとそのコンセプトは徹底しているが、アルバム出だしの"Eintagsfliege"(カゲロウ)はどんよりとした暗いムードの中に静謐なピアノやベルの和音が浮かび上がり、ダウンテンポなしっとりしたビートを伴いながら美しくも物哀しい雰囲気の夢の中を彷徨うリスニング系の曲。続く"Zweibrutiger Scheckenfalter"(蝶の一種)も荘厳なシンセのレイヤーで覆われキラキラとしたメロディーが反復し非現実的な美しさが広がるが、下部では先程よりもしっかりしたキックやアシッドのベースがダウンテンポのリズムを刻んで、ゆったりゆらゆらと心地好い酔いを生む。"Dreizehenspecht"(ミユビゲラ)では視界は明るくなり鉄琴のような朗らかなメロディーと薄いシンセの層が色彩豊かな表情を付けているが、途中からポスト・アシッド的な音も混ざってくると華やかながらも陽気な毒々しさも現れて、爽快な多幸感へと入っていく。中にはIDM系のような奇抜な印象も受ける曲もあり、"Funffleck-Widderchen"(蝶の一種)ではグリッチのようなリズムやパーカッションを用いつつ退廃的で美しくも催眠的な旋律が持続するが、次第にビートは数を増やして催眠状態ながらも刺激的な緊張感を高めていく。また少ないながらも"Sechslinien-Bodeneule"(蛾の一種)や"Neuntoter"(セアカモズ)のようにしっかりした4つ打ちテックハウスなダンスフロアに根ざした曲もあるが、こういった曲でもEulbergらしい緻密で知的な性質を失わずに、優雅なベルの音色や幻惑的なシンセのレイヤーに中毒的なアシッド・サウンドも盛り込んで、快楽性溢れ機能性抜群のトランス状態を発揮している。このようなダンス曲は少なくアルバムは総じてリスニング性が強く、狂おしい美意識と牧歌的な多幸感が溢れる世界観だが、音としてのアシッドではなく感覚としてのアシッド性を盛り込んだトランシーな空気もあり、表面的にはダンスフロアからはやや離れているものの十分にクラブ・ミュージックらしい。また今までのアルバムの中でも、特にEulbergらしい優雅な美意識での統一感があり素晴らしい。



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| TECHNO14 | 11:30 | comments(0) | - | |
Ricardo Tobar - Continuidad (ESP Institute:ESP 060)
Ricardo Tobar - Continuidad
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2007年にかのBorder Communityから鮮烈なデビューを果たしてから既に10年以上経過しているが、チリ出身のRicardo Tobarはギターノイズを用いたシューゲイザーからモジュラーシンセの毒々しいサウンド等、自信の個性を存分に発揮しながら地道に自身のアーティスト性を深めている。デビュー作での溢れんばかりのフィードバックノイズに覆われたサイケデリアなロック風テクノから、金属が捻れたような歪な響きの狂気的なダンス・ミュージックまで、強烈な音像によって覚醒感や高揚感を生み出してきたTobarだが、この2019年の最新アルバムではダンス・ミュージックでもあるがしかし快適なダンス・フロアからはみ出して混沌へと落ちていく面もあり、相も変わらず刺激的な音響テクノを披露している。アルバムは金属的なパーカッションが空虚に響く中、鈍いモジュラーシンセや歪んだシンセが狂おしく唸る"Les Vagues"で始まるが、不気味なパーカッションや訝しい空気もあってどこか呪詛的な集会のようだ。そこに続く"Recife"は比較的ダンス寄りな曲だが、小刻みに動き回るようなスピード感のあるドラムがけたたましく疾走し、そこに美しく荘厳なシンセストリングスがサイケデリックな高揚感をもたらして、アルバムの中でも特にTobarのメランコリー性が発揮された叙情的な一曲だ。そこを過ぎると緊張感から開放され、落ち着いた4つ打ちを刻みながらヒプノティックなシンセのリフとノイジーなギターサウンドが酩酊感を生む"Totem"、ビートレスながらも祭事かのような打楽器のスピリチュアルな鳴りとぼんやりとしたフィードバックの持続により意識もくらむ混沌が広がる"Entrada Y Salida"と、ダンスフロアに依存しないベッドルームでの想像を刺激する曲もある。"Seguridad"になると壊れた機械を叩いているような朽ち果てたドラムマシンのリズムに合わせ、不明瞭な歪んだシンセやディストーションギターで空間が満ち、破壊的で圧倒的なエネルギーが爆発するもはやダンスでもリスニングでもない混沌が出現する。以前にも増して狂ったような強烈な音楽性を主張し、安易には聞き流せない程の響きは人によっては神経をすり減らされてしまうかもしれないが、しかしそんな破壊的な響きの中にも時折メランコリーや美しさもあり、その意味ではTobarの音楽性は初期から一貫しているように思われる。



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| TECHNO14 | 12:00 | comments(0) | - | |
矢口渡 草津湯
草津湯

遠くの草津より近くの草津…大田区にも草津はあったんだ!と東急多摩川線の矢口渡駅から北へ徒歩4分の場所にある草津湯は、日本が誇る温泉街の草津温泉と同様に立派な温泉銭湯である。いや、正確に言うと温泉法に則るのであれば温泉ではない。温泉の定義は温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上か、または特定の成分がある濃度以上含まれる事なのだが、草津湯は鉱泉であり成分も規定を満たさない為に温泉と名乗る事は出来ない。がそんなこまけぇこたぁいいんだよ!! 行けば分かるのだが、一応薄っすらと黒い温泉が湧いているので、是非とも紹介したい。
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| FOOD,TRAVEL,HOT SPRING,ETC4 | 12:00 | comments(0) | - | |
D.K. - Rising EP (Antinote:atn 052)
D.K. - Rising EP
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ニュー・エイジ/アンビエント方面で注目を集めていたパリジャンのDang-Khoa ChauことD.K(45 ACP名義やSlack DJs名ではインダストリアルに接近した作風もあるが)、温かくドリーミーな世界観に包まれる牧歌的なリスニング系の作風が特徴であったものの、2019年には古巣Antinoteからダンス3部作EPのシリーズを立ち上げ、『Mystic Warrior EP』(過去レビュー)や『Riding For A Fall EP』(過去レビュー)をリリースしてきた。お得意のニュー・エイジをハウスに取り込み、更にはエスノ×トランスな拡張を見せたりと進化を遂げていたが、一端はそんな果敢な挑戦もこのシリーズ最終作となる本作で完結を迎える。前の2枚のEPでおおよそ音楽性は出来上がっていたので本作でも特に大きな変化は無いのだが、更にマッチョで肉体的なグルーヴを感じさせるEBM(エレクトロニック・ボディ・ミュージック)な雰囲気を纏っており、前述の45 ACPとの境界が埋まっていくような感さえもある。"Storm Of Steel"が特に激しく破壊的な響きをしており、金属的な打撃音と毒々しいベースラインによるインダストリアルな世界観が凶悪で、そこに鉄琴らしきミステリアスな響きと尺八風なエキゾチックな笛の音色、そしてぐしゃっとしたスネアやパーカッションも入ってきて、ニューエイジにハウスやインダストリアルと様々な要素が融合したダンス・ミュージックがユニークだ。最近の流行りでもあるレイヴも意識したようなブレイク・ビーツ調の"Code Breaker"でも、やはりシンセの謎めいたコード展開と怪しい笛のメロディー、そして生々しく土着感溢れるパーカッション使いがエキゾ性を打ち出していて、これは前作までのニューエイジ・ハウスといった趣きだ。タイトル曲である"Rising"もつんのめったリズムがダンス曲に仕上げているものの、チャカポコとした弾ける土着パーカッションや瞑想の笛の音色とアジア圏のエスノな感覚に合わせ、荘厳で神聖なコーラスが覆い尽くす事で宗教的な雰囲気を漂わせ、メランコリーな霊的ニューエイジと化している。どれも真夜中のダンスフロアに適応したダンストラックである事は前提なのだが、この土着性やエスノの感覚も交えた独特の世界観はD.K.の確立された個性と言えよう。



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| HOUSE14 | 12:00 | comments(0) | - | |