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CoastDream - Shine (X-Kalay:XK014)
CoastDream - Shine
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2016年頃から始動したロンドンのX-Kalayはシカゴ・ハウスやアシッド・テクノなど懐かしい響きのあるオールド・スクールな音楽性が強いレーベルで、本家のシカゴ周辺の音楽性を受け継ぎながらも現在の音にも合わせながらDJツールとして強力なダンス・トラックを手掛けている。本作は過去にも同レーベルからリリース歴があるブラジル出身のCoastDreamによる新作だが、これもオールド・スクールを武器にしながらも色々なスタイルが曲毎に散見され、フロアを沸かせる魅力的なダンス・トラックが並んでいる。特に"Shine (Euro mix)"はアシッドを用いながらも、レーベルの過去作品に見受けられた不穏なアシッドではなくビーチで燦々と太陽の光に照らされた陽気さがあり、骨太でずっしりした4つ打ちや透明感のある綺麗なシンセのメロディーも用いてパワフルに弾ける直球ストレートなハウス・トラックだ。"Higher"も蠢くような鈍いアシッド・ベースを用いながらも、色っぽいボーカルのサンプリングや爽快に広がるシンセのリフなど気分は真夏のビートといった趣きで、これら2曲は非常に分かりやすいというか直球ストレートなハウス・ミュージックだ。一転して"2K7"はややメロウさを打ち出していて、切なげな女性の声のサンプリングのループに流麗なシンセのコード構成によって滑らかに展開し、中盤では叙情的なシンセソロも加わってより感情性を高めるドラマ性がある。そしてオールド・スクール性が特に感じられるのは"Into The Silence"だろう、強烈に揺れるジャングルのリズムは90年代風レイヴ・トラックを思い起こさせ、そこに赤ちゃんの呟きサンプリングも加わる奇妙さもあるが、メロディーは至って整ってメロディアスだったりと耳を惹き付けるセンスが通底している。曲調は色々あるがどれも効果的にサンプリングを用いローファイな感覚で纏められた時代感としての共通項はあり、CoastDreamというアーティストが目指している音楽性がはっきりと伝わってくる内容だ。特に新鮮味が強いわけではないが、こういったどストレートな作風はフロアで特に良さが感じられるだろう。



Check CoastDream
| HOUSE13 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Liquid Pegasus - The Toby Glider EP (Star Creature:SC1217)
Liquid Pegasus - The Toby Glider EP
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カラフルな建物の後ろに太陽が沈み行くのだろうか、そのほのぼのとしながら切なさも伝える風景は正にバレアリックな雰囲気そのもの。コンテンポラリーなブギーやモダンファンクを得意とするStar Creatureの新作はロスアンゼルスのJoshua S. LundquistことLiquid Pegasusによるもので、プロフィールを参照するとMetro AreaやMaurice Fultonがお気に入りという事からもそのディスコ寄りな音楽性も想像するのは容易いだろう。何でも過去にもStar Creatureや日本のCity Baby Recordsから既にヒットを飛ばしていたようで、それらの作品を聞いても底抜けに明るくドリーミーなモダンなブギー/ファンクが鳴っており、既にアーティスト性はほぼ確率されているようだ。アタック感の強いレトロなキックを用いたディスコ・ビートな"Uptown Shuffle"は、上モノは輝くように綺麗なシンセが朗らかな旋律をなぞって、ゆったりと闊歩する緩いビート感ながらも少し跳ねたリズムに、心はうきうきと踊り出すシンセ・ファンク。より力強くみぞおちを叩き出すビート感の強い"Cut Loose"は更に快楽的なベースのうねりも加わってイタロ・ディスコ色が強く、ゴージャスなシンセが絡み合いながらミラーボールが回りだすようなご機嫌な曲だが、しかし古臭さは皆無で今っぽく聞こえるモダン性も。"Big Chill"では一旦テンションを落としてスローなディスコを聞かせるが、可愛らしい電子音や切ないシンセのメロディーによって切なさを強調し、そして次の"Dance Amnesia"では再度ドスドスと潰れたようなキックを響かせながら厚みのある豊かなシンセのメロディーとぶいぶいと太くうなるベースが虹色を思わせる豊かな色彩を発し、派手ながらも何処か懐かしさのあるシンセ・ファンクとなって躍動する。基本的にディスコやブギーにファンクなど古典をベースにした作風ではあるが、愛着のあるメロディーセンスやキャッチーな音の選び方が上手く、音楽的には決して新鮮味は無いにもかかわらず色褪せない普遍性がある。勿論この爽快感や開放感、バレアリック方面でも効果的なのは間違いなし。



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| HOUSE13 | 11:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Toto Chiavetta - Harmony Somewhere EP (Innervisions:IV80)
Toto Chiavetta - Harmony Somewhere EP
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多くの実力あるタレントを抱えるベルリンのInnervisions、そんなレーベルからの新興勢力として台頭してきているのはイタリアのToto Chiavettaだ。DJとしては1998年頃から活動をしているようだが、作曲家として頭角を現したのはここ5年程だ。その間にアフロ・スピリチュアルなYoruba RecordsやIbadanにエレクトロニック性の強いInnervisionsやLocal Talkから、生っぽくアフロ・アフリカンな要素をサイケデリックかつドープなハウスに落とし込んだ強烈な曲を数多くリリースしており、それらはフロア即戦力になるに違いない。本作は2018年8月にリリースされたInnervisiosからは3作目となるEPで、以前にも増してアフロな要素が光りつつ重厚感あるエレクトロニックな響きが妖艶だ。"The Core"は勢いのあるダンス・トラックというわけではないが、サイケデリックな電子音が持続する中に土着的で迫力あるパーカッションが打ち鳴らされ、覚醒感がほとばしる電子音が飛び交いながらじわじわと盛り上がっていくような構成で、パーティーの序盤に用いられるような印象だ。"Transit Europe Express"はInnervisionsらしい艶のあるエレクトロニックな響きがある硬めのハウスだが、雄叫びのような原始的なボーカル・サンプルを織り交ぜて土着的な空気を纏いつつ、色っぽくトランシーなメロディーが妖艶に舞い踊って一聴して耳に残る印象的な曲で、真夜中のフロアは間違いなく高揚感に包まれる事だろう。そして本EPの中で最も推しなのがケニアのアーティストであるIdd Azizをフィーチャーした"Dzukulu"で、アフロ感溢れる民族的なボーカルと乱れ打つ着的パーカッション、そしてどす黒いベースラインによって深い森林の奥地へと誘い込まれるアフロ・テック・ハウスとでも呼ぶべき作品だが、Chiavettaらしいトランシーな上モノは快楽的でキラートラックに成りうる性質を秘めている。"Harmony Somewhere"は不気味な囁きとトランシーなリフを反復させたミニマル性の強いDJ仕様な構成だが、スネアロールを用いた古典的なブレイクも導入するなどして、変化の少ない構成ながらも盛り上がるタイミングも持っている。アナログではこの4曲、そしてデジタルでは追加で2曲収録されているが、どれもダークでドラッギーな世界観にアフロな要素が自然と同居しており、Toto Chiavettaというアーティスト性が見事に確立された作品だ。



Check Toto Chiavetta
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcus Worgull - Love Song EP (Innervisions:IV81)
Marcus Worgull - Love Song
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引き続きInnervisionsからMarcus Worgullによる2018年9月頃にリリースされた最新作は、1979年頃から現在も活動するUK屈指のニュー・ウェイヴ〜ゴシック系のバンドであるThe Cureのカバーだ。Worgull自身も積極的に感情を吐き出すような激情型のボーカルを用いたディープ・ハウスも手掛けており、その意味ではロックバンドの曲をカバーする事自体も然程違和感は無い。そんな彼がここでカバーしたのはThe Cureにとってもヒット曲なって人気を獲得していたそうな89年作の"Love Song"で、この機会に原曲を聞いてみると悲しげな声による歌と哀愁漂うサイケなギターが切り裂くように響くのが印象的な正にニュー・ウェイヴな名曲で、元々の曲からして魅力的だ。しかしWorgullがカバーした"Love Song"は音を削ぎ落としてテンポも落ち着かせながら、ゆっくりとメランコリーな旋律を奏でる弦楽器が流麗に着飾りつつ悲哀の歌はよりメランコリーに、そして金属的に爽快なパーカッションや電子の効果音を随所に散りばめて、前作の路線を続けるようにレゲエやダンスホール性も持ち込んだドープなハウスへと作り変えている。更にそのダブバージョンである"Love Dub"はディレイやリバーブも駆使して残響が紫煙の如く揺らぐ官能的ダブ・トラックで、それ程元の曲と大きな変化があるわけではないが、爆音のフロアで聞けばきっとその残響は快楽的に満ちる事だろう。テンションは抑えめでメランコリーな曲なので、どちらも興奮状態のピークタイムよりは踊り疲れた朝方のフロアで癒やされるように聞きたいと思わせられる。そして"Listen To Charanjit"はオリジナル曲で既存のエレクトロニックなディープ・ハウスの踏襲だが、トランシーで幻惑的なシンセが異国情緒を醸しつつトリッピーな電子音の反復を用いながら、ずぶずぶと深い沼にハマっていく感覚のサイケデリックな作風はDJ仕様に長けている。EP単位での作品の素晴らしさはもう言わずもがななので、そろそろアルバムリリースを期待したいところだ。



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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Marcus Worgull - Broad Horizons EP (Innervisions:IV77)
Marcus Worgull - Broad Horizons
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この目まぐるしく流行が変わるダンス・ミュージックの世界で1〜2年に1枚のペースでEPをリリースし、流行り廃りに影響を受けずにディープで幻惑的かつメランコリーなエレクトロニック・サウンドによって自身の世界観を確立しているMarcus Worgull。DJとしての活動は少なく基本的には制作者としての活動が中心のようだが、ベルリンが誇る世界的レーベルのInnervisionsの設立当初からレーベルに所属する看板アーティストの一人でもあり、その意味ではお墨付きを貰っていると言っても過言ではない。本作は2018年初頭にリリースされたEPだが彼にとっては挑戦的とも言えるレゲエ/ダブを取り込んだディープ・ハウスを披露しており、基本的には作風が一貫している彼の曲の中では非常に新鮮さも際立っている。"Skango"はぬめって湿った湿地帯を思わせるダブな4つ打ちに強烈なアフタービートのギターカッティングが被さってくる正にレゲエ寄りなハウスで、その強烈な残響の合間にトリッピーな電子音が揺らめいて、終始重心が低いグルーヴを貫きながらも実に快楽的な音響に飛ばされる魅力的な曲。"Seen"はもう少々テクノ/ハウス的な躍動感がある曲調だが、よりディレイやリバーブを効果的に用いてアフタービートが強くなっており奥深い空間演出が成されていて、一方で代わりにWorgullらしい陶酔感のあるシンセのリフが現れてくる部分は流麗なテック・ハウスとしても聞こえ、既存の音楽性とダブ/レゲエが見事に融合している。タイトル曲の"Broad Horizons"は比較的既存のディープ・ハウスの延長線上にある曲で、しかしアコースティック・ギターの妖艶なリフと深いメランコリーがある歌によってどんより薄暗い闇の中を叙情性を伴って突き進む深遠な世界観は、Worgullの湿っぽくソウルフルな音楽性が見事に表現されている。どの曲もフロアで体感すれば盛り上がる事間違い無しのクオリティーは流石で、そろそろ自身のソロアルバムもと以前から期待しているのだが。



Check Marcus Worgull
| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chateau Flight - Dam House EP (Versatile Records:VER123)
Chateau Flight - Dam House EP
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フレンチ・ハウスの代名詞でもあったVersatile Recordsの中枢を成しその先駆者として活動を行っていたのが、Gilbert CohenことGilb'R & Nicolas ChaixことI:CubeによるChateau Flightだ。近年はフレンチ・ハウス自体が以前程には賑わっていないという状況も関係があるのか、それぞれソロ活動はしながらもChateau Flightとしての活動は全く音沙汰が無い状況で一ファンとしては残念な思いであったが、何と2018年に4年ぶりとなる新作EPがリリースされた。元々フレンチ・ハウスの中でも耽美なだけでなく癖のあるストレンジ感を持ったユニットではあったが、随分と久しぶりとなる新作においてもその性質に更に磨きをかけており、ダンスとしての機能性の中にユニークな特異性を潜ませてChateau Flightとしての存在感を強烈に発している。"Crazy"は特に今までの作品と比べても異質なビートレスなアンビエントの形をしており、闇が這い出てくるダークな幕開けに耽美で繊細な電子音を散りばめて静かに朽ちていく退廃美を感じさせ、そこからも不気味なクレージーという呟きやトリップ感のある音響が飛び交い、美しさと狂気が混在する彼等なりの芸術作品なのだろうか。そんな曲をダンス・トラック化した"Crazy (House Mix)"は弾力のあるキックが軽快なリズムを刻んだハウストラックになっており、揺らめくトリッピーな音響の中により優美でお洒落な上モノを活かしてメランコリーな空気も携えて、マッドなフレンチ・ハウスは快楽的だ。特に不思議な鳴りをしているのは"Lo"でミッドテンポな安定感のあるリズムで始まり、何処の国とも分からないエキゾチックな笛の音やレイヴ風なシンセ、ぐるぐると回転するような木琴のような奇妙な音階などが風景が切り替わるように現れて、終始じわじわとした低空飛行のグルーヴながらも摩訶不思議な世界観でトリップさせる。そして"Sargan"は10分にも渡る強烈なテクノで、骨太ハードではないが膨張したベースラインと切れ味のあるリズムで疾走感を出しながら、明確なメロディーはない奇妙な鳴りの電子音を散らしながらサイケデリックな空気で包み込む。短いインタールードも含めて5曲のEPながらも、ボリュームは十分にありそしてどれも過去の作品以上に優美ながらも奇天烈なサウンドでぶっ飛んでおり、Chateau Flightの復活の狼煙をあげるには相応しい作品だ。



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| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Salsoul Sounds Familiar (Re-Edits, Remixes And Remakes From The Sounds Familiar Crew) (Sounds Familiar:SALSBMG16LP)
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その後はハウス・ミュージックの萌芽へと繋がっていくなど現在のダンス・ミュージックに非常に強い影響を与えたディスコ・ミュージック、その音楽の中でも伝説的レーベルとして名を残すのがNYのSalsoul Recordsだ。The Salsoul OrchestraからDouble ExposureやLoleatta Holloway、SilvettiにFirst Choiceなどを始めとしてディスコという枠組みにおいて欠かす事の出来ないアーティスト/バンドを多く抱えるレーベルであり、サルサ+ソウルの混合を発展させてラテン・ファンクな豪華かつソウルフルな響きを用いて、70〜80年代を席巻した重要レーベルだ。本作はそんなレーベルがイタリアのディスコ・レーベルであるSounds Familiarとコラボレーションし、現在のダンス・ミュージックとして生まれ変わらせた企画盤であり、ディスコから派生したハウスへとより接近させてDJ仕様な手を加えている。作品の多くは原曲の雰囲気を壊す事はなくSalsoulの優美さを残しており、例えばDJ Spinnaによる"Chicago Bus Stop (Ooh I Love It) (DJ Spinna Refreak)"はゴージャスなオーケストラ・サウンドやトランペット等の優美な響きはそのままにリズム感を滑らかなハウス・ミュージックのそれに置き換えた上で、派手さをコントールして全体を綺麗に洗練させてより大人びたムードが加わっている。TwiceとVolcovによる"Stimulation (Twice & Volcov Edit)"やSpecterによる"Latin Lover (Specter Edit)"は至っては正にエディットなので音的には原曲との差が無く、DJとして使いやすようにシンプルな構成を反復させる事で、ドープさを増してズブズブと嵌めていくエレクトロニック・ファンクの前者、メランコリーなハウス調の後者へと、それぞれがDJ仕様になっている。如何にもなりミックスと言うならば名曲"Thousand Finger Man"をGe-ologyがハウス・ミュージックに仕立てた"Re-Fingered With Love"で、上モノのピアノやシンセの旋律はおおよそ原曲そのままだが跳ねて疾走するリズムは明らかにハウス・ミュージックのそれであり、ドタドタとしたバンド・サウンドな原曲と比較するとこのリミックスは現在のダンス・ミュージックとして成立している。また元々は4分にも満たない曲だったものがKai Alceが手を加えた"Salsoul Rainbow (Kai Alce NDATL Edit)"は9分にまで尺が伸ばされ、土臭くファンキーなベースやドラムのリズム帯に合わせてゴージャスなオーケストラが組み合わさった優美なサウンドによるドラマティックな展開を、これでもかと言う程に堪能出来る。どれもこれも見事なまでにSalsoulの華々しいディスコ・サウンドそのままでその意味では基本リミックスではない為に大きな驚きはないが、名曲ばかりなのでSalsoulやディスコへの足を踏み入れていく為の入り口として捉えても価値はあるだろう。



Tracklistは続きで。
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| HOUSE13 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Captain Vinyl Presents Diggin' Disco (Universal Music:UICZ-1681/2)
DIGGIN DISCO presented by CAPTAIN VINYL
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2018年7月22は『サタデー・ナイト・フィーバー』が日本で公開されてから丁度40周年だったそうで、それに合わせて各レコード会社がDisco Feverキャンペーンとして色々なディスコ関連の作品を制作していた。本作もその一連の作品であり手掛けているのは「Captain Vinyl」を名乗る二人、キング・オブ・ディギンことMuroと日本におけるガラージ/ディスコの伝道者であるDJ Noriだ。Captain Vinylは渋谷はContactにて毎月最終火曜の夕方に開催されているパーティー名でもあり、熱心なディガーである彼らが7インチレコードをメインに用いて自由なジャンルで自己表現を可能とする場だ。そんなユニット名が冠された本作は前述のキャンペーンに関するものなので基本的にはディスコを軸にしているが、流石はベテラン中のベテランで聞く者を楽しませる/幸せにするような選曲が貫かれており、またディスコを知らない人がそれにのめり込んで行くのも助けるクラシカルな選曲でもあり、ディスコの魅力を実直に伝えてくれる。Noriサイドはいきなりジャズ・ファンクの傑作でありハッピーな気持ちにされてくれる"Happy Music"から始まり、レゲエ色強い土着ディスコな"Now That We've Found Love"や煌めく色彩感覚がモダンなフュージョンの"Starchild (Remix)"など名作もがっつり用いつつ、"Finally (Choice Mix)"や"The Whistle Song (Ek Mix - Fade)"など心を熱くするソウルフルなハウス・クラシックも用いるなど、ディスコから派生したハウス・ミュージックへも手を広げて歴史を紐解く。中盤の"I Wanna Rock You"から"I Feel Love"など快楽的なシンセベースを用いたディスコの大傑作2連発にはどうしたって笑みがこぼれてしまう展開もあるが、後半には" My First Mistake"や"Any Love"などストリングスやギターにベースなど生演奏を軸にゴージャスかつ人情味溢れる熱い曲調のディスコへと振れて、偏にディスコと言っても色々なスタイルを楽しませてくれる。一方でMuroサイドも初っ端から耳を惹き付ける選曲で、哀愁あるヴォコーダとポップなサウンドで煌めく雰囲気の"The Sound Of Music (European Mix)"で始まり、陽気なノリを保ってハッピーな気持ちにさせてくれる歌モノなソウルフル・ディスコの"I Need Your Lovin' (M+M Lovin' All Night Mix)"や"Circles (Joey Negro Extended Disco Mix)"を通過するが、ポップなメロディーだけではなくズンズンとした肉感的なグルーヴ感も強く打ち出して熱気溢れるディスコ・フロアを喚起させる。中盤以降にはディスコ・パーティーで聞き覚えがあるだろう汗迸る激熱ファンクな"I Just Wanna Do My Thing"からストリングスも華やかな歌モノディスコの"Let's Go All The Way (Down)"などこちらもクラシックを繋げて、ラストはドラム・パーカッションが爽快な晴々しい正にハッピーな"Happy Feet"で締め括る。どちらもベテランDJとしての横綱相撲的なディスコの王道を用いながら、しかしソウルフルな感情性が強いNoriサイドに対し弾けるグルーヴ感重視なMuroサイドとそれぞれがアピールする音楽性でも明確に差が現れており、この2枚組で十分にディスコの魅力を堪能出来る企画物としてお薦めである。

Tracklistは続きで。
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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Seb Wildblood - Grab The Wheel (All My Thoughts:AMT009)
Seb Wildblood - Grab The Wheel
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日本からはAquarium aka 外神田deepspace、または新興勢力のTom VRやFolamourらがカタログに名を連ねるそのレーベルが、Churchとその傘下のAll My Thoughts、そしてCoastal Hazeで、それらを纏めて主宰しているのが南ロンドン出身のSeb Wildbloodだ。異なる複数のレーベル運営を軌道に乗せており特にモダンなハウスへの審美眼は確かなものだが、Wildblood本人もアーティストとして積極的に制作活動を行っており、郷愁を帯びて懐かさを誘うディープ・ハウスの作風は現代のバレアリックのシーンとリンクするような親和性があり、作曲家としても目が離せない存在だ。さて、本作は過去のやや内向的で落ち着きのあった作風に比べると、より躍動感あるリズム感やフレッシュな活力に溢れていて、テクノやエレクトロに接近した作風さえも見受けられる。"Leave It Open"は開始こそ透明感のある幻想的なシンセにバレアリック感があるものの、直ぐに細くも切れ味あるエレクトロ調なビートが快活にリズムを刻みだす。そこにキラキラとしたシンセのフレーズや叙情的なシンセストリングスも加わる事で大らかなバレアリックの雰囲気を保っているが、小刻みにステップを踏むようなリズム感は間違いなくダンスフロア向けだ。"Bad Space Habits"は更に太いキックを用いてシャッフルする大胆なグルーヴが印象的だが、ただアッパーなだけではなくそこにエモーショナルなシンセやトリッピーな効果音や爽快なボイス・サンプルも加える事で多幸感のある雰囲気を保っており、大空を飛翔するように勢い付く。"Grab The Wheel"はオールド・スクールな懐かしい響きのハウス・グルーヴで比較的過去の作品に近い路線だが90年代レイブなブレイク・ビーツ調でもあり、浮遊感のある複数のシンセが豊かな色彩感覚を生んで清涼な感覚に富んだダンス・トラックだ。ラストの"Landing"も繊細で細いエレクトロなリズムを用いているが、それと共に最も過去の作風寄りな内向的なアンビエント感覚もある上モノが切なく、しんみりとノスタルジーを誘発しながらEPを締め括る。本作は明らかに過去の作風よりもダイナミックで強いエネルギーも伴う事でよりフロアに接近する事になったが、勿論バレアリック性やエモーショナル性という点も全く失われておらず、アーティスト性を損なう事なく進化が感じられる。



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| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Francis Inferno Orchestra - Hygiene (Superconscious Records:SCR011)
Francis Inferno Orchestra - Hygiene
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近年新しい才能の台頭が著しいオーストラリアはメルボルンから勢いに乗るアーティストの一人、Griffin JamesことFrancis Inferno Orchestraは、Sleazy Beats RecordingsやKolour RecordingsにDrumpoet Communityといった人気レーベルからディスコ・テイスト溢れるハウス、または滑らかな質感を持つテック・ハウスをリリースしており、派手に目立つ個性を放つわけではないが堅実な作風に期待が寄せられるアーティストだ。2017年にはVeranda Culture名義でアンビエント〜ニューエイジに挑戦したアルバムもリリースするなどその作品毎に変化の幅はあるが、本作は90年代レイヴをも意識したようなトライバルなブレイク・ビーツによる荒々しく生々しいリズム重視の曲が中心で、よりフロアの高揚感を引き出す作風が現れている。水の流れる音や雷鳴など環境音を用いたアンビエンスから始まり、「エクスタシー」というボイスサンプルが印象的な"Hygiene"は彼らしい幻想的なアンビエントな感覚もあるが、次第に土着的なパーカッションも加わりズンドコとした揺れるブレイク・ビーツを刻みだせば、快楽的なシンセのコード展開も相まってひたすら気持ちの良い展開が続くレイヴ風ハウスだ。"Mongrel"も音の響きやブレイク・ビーツの構成は基本的には変わらないが、原始的な雄叫びのようなボイス・サンプルとドコドコと押し迫るトライバル・ビートの応酬で、旋律は用いずにひたすら躍動感溢れるリズムが肉体性を伴いながら体を刺激するオールド・スクールなハウスだ。そして表題曲の別バージョンである"Hygiene (My Everlasting Rhythmo)"はそのタイトル通り、アンビエンスな感覚を取り除き様々なパーカッションによるトライバルなビートや鳥の鳴き声らしき環境音を軸により深い密林の中で鳴っている土着感覚を引き出して、DJツールとしての性能を高めたバージョンになっている。どれも完全にダンスの方向へ振り切れた作風は今までの路線からすると意外だが、フロアでもインパクトの大きい曲として映える事は間違いない。



Check Francis Inferno Orchestra
| HOUSE13 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |