K' Alexi Shelby - I Can Go Vol.1 (Detelefunk:DET13)

K Alexi Shelby - I Can Go Vol.1
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古くはDerrick MayのTransmatやD.J. International、Djax-Up-Beats、Trax Recordsなどからファンキーなハウスをリリースし、そしてDerrick MayやJeff Millsらもヘビープレイした傑作"Club MCM"を生み出したシカゴハウスの大ベテラン、Keith Alexi Shelbyの新譜はやっぱり猛々しいワイルドなハウス。お勧めはK-Alexi自身がリミックスしたA面の2曲。パンピンな跳ね感のあるファンキーなハウス"Chicago House Mx1"、ゴリゴリと猪突猛進タイプのテクノ"Chicago TecSoul Mx2"共に、汚らしい質感を生かした不良じみた音を発していて荒々しくも図太いグルーヴに痺れてしまいます。特に"Chicago TecSoul Mx2"はアシッディーなベースラインに狂気の呟きが余計に不安を煽り、これぞシカゴなトラックになっております。B面にはOlver HoことRaudiveのリミックスも収録されておりますが、昔の面影は全く無いけれどブリーピーで卑猥さを兼ね備えた面白い出来。激ハードではないけれど、夜のしっとりアダルティーな場に合いそう。

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| HOUSE5 | 20:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kaoru Inoue - The Invisible Eclipse / Ground Rhythm (Seeds And Ground:SAGVP2011)
Kaoru Inoue - The Invisible Eclipse / Ground Rhythm

8月に5年ぶりのソロアルバムを控える井上薫の新作は、JebskiとNagをフューチャーした話題作。まずはJebskiとコラボした"The Invisible Eclipse"、こちらは奄美大島での皆既日食体験をモチーフにしたそうですが、琴線を震わすストリングスの調べにポジティブなピアノやシンセの粒子が絡んでいくハイテックなトラック。水しぶきと共に情熱も弾ける夏真っ盛りな高揚感があり、そして後半に向けて郷愁も溢れていく余りにも感動的な一曲。フロアで聴いたら間違いなく盛り上がるでしょう。対して井上薫自身が主宰するレギュラーパーティー"Groundrhythm"から名が取られた"Ground Rhythm"はNagとコラボしており、正にタイトル通りの大地の鼓動を思わせ密林の奥地を突き進む様なトライバル系。森に住む原住民が叫ぶようなヴォイスが神秘的な空気を作り上げ、いつの間にかジャングルの奥地へと入り込んでしまったかの様。両面文句無しに素晴らしく、アルバムへの期待が高まります。

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| HOUSE5 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Chida - 7 Years Journey Of Dancaholic "Last Danca" (ENE:DH-002)
Chida - 7 Years Journey Of Dancaholic Last Danca

7年間LOOPで開催されていた"Dancaholic"と言うパーティーを主宰し、またアンダーグラウンドダンスミュージックをリリースする為のレーベル"ene"を運営してきたChidaが、'Dancaholic'最終回の為に制作したMIXCD2枚組。と言ってもネットで得た情報なので自分は全然知らなかったのですが、2枚組で2000円と言う安さに釣られて買ってしまいましたが、これが思いの外に良い出来でありまして。1枚目は懐かしさも感じさせるダンスミックス。序盤はMark EやTiago辺りのニューディスコやリエディットで淡いセンチメンタルな情感を保ちつつ、中盤以降は徐々にビートも上げてきて幻想的なシンセの音色も美しいディープなテックハウスで程良い揺らぎを感じさせてくれます。ダンスミックスとは言えど激しい展開は皆無で、踊れるけれどもソフトで優しく音に包まれるミックスなので安心感があります。2枚目はSadeの幻想的なトラックから始まり切ない10ccで終わるチルアウト的なミックス。ダウンテンポやカリビアンでトロトロと夢現な世界観を形成しながら、イビザのバレアリックな快楽と郷愁をも匂わせる夜型な内容で、全然ダンスさせないけれど就寝前に最高に気持ちの良い流れです。多少ニューエイジ系にも近い俗っぽすぎる点も感じますが、それを含めてもリラックス出来る安眠剤として効果的。最近夜はこればっかり聴いております。

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| HOUSE5 | 16:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent - Altered States : Blak Tech Society (Prescription:PCRCD004)
Ron Trent - Altered States Blak Tech Society
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シカゴハウスの早熟の天才・Ron Trentの大傑作"Altered States"など初期作品とその新リミックス、新曲などを含むコンピレーションがリリース。今では壮大な空間を感じさせるジャジーディープハウスを量産するRonも、20年前の"Altered States"辺りではローファイで荒々しいシカゴハウス(テクノ?)を作っていて、ちょっと意外な印象を受けます。本作に収録された幾つかの古い曲もやはりまだ若さを感じさせる荒々しさがあって、そのラフな音にさえ力強さとファンキーさがあり、20年が経とうとも変わらない魅力は健在。特に当時大ヒットしたのは"Altered States (Carl Craig East Side Mixx)"で、原曲の力強さにエモーショナルなシンセを付け足しより切れ味と跳ね感を出して、デトロイト色に染め上げた一曲。Ronのみならず若かりし頃のC2も、才能を大爆発させておりました。それとは別に"Altered States"を、K Alexi、Terry Hunter、Ron Trent自身が新たにリミックスし直した曲も収録されており、DJにはお得感があります。更にはRon Trentの新曲も三曲あり、こちらは最近の彼の音らしい夢見心地な浮遊感溢れるディープハウスでソフトな印象。貫禄さえ漂う余裕綽々のアダルトな空気さえも携えており、Ron Trentが単なる早熟のアーティストで無いのは明白でしょう。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Erdbeerschnitzel - 4 Months (3rd Strike Records:Strike1)
Erdbeerschnitzel - 4 Months

近頃のディスコエディットやビートダウン系の躍進が続く中、Mark EやThe Revenge、Eddie Cらに勝るとも劣らない才能が誕生。その人こそTim KeilingことErdbeerschnitzel。データ配信を除けば本作がデビュー盤となりますが、新人とは思えない落ち着きとファンクネスに満ちたビートダウンな内容で素晴らしいです。A1はなんと"4 Months"をMark Eがリミックスしていて、こちらはブリブリなシンセが刺激的なミニマルディスコ。淡泊な様でじわじわと引っ張って行くリミックスで、陶酔度は高め。しかし今回はリミックスよりもA2のオリジナルが素晴らしく、泣き声の様な上物サンプルが入った郷愁漂うしみじみとしたディスコティックな作風で、温かい慈愛とロマンスに包まれて涙腺が緩んでしまいます。B2の"Tonight Is Today Is Tomorrow"はジャジーでしっとり湿り気を感じさせる粘り気のあるハウスで、ラフで黒っぽいファンクネスが際立っており、デトロイトのディープハウス勢にも通じる物があるのでは。こう言ったビートダウンなトラックはフロアで聴いてもずっぽりはまれますが、夜も更けた静かな部屋の中で聴いても静かに燃えるソウルが感じられて、じわっと心が熱くなりますね。

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| HOUSE5 | 12:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Iron Curtis - Way Back Home EP (Mule Electronic:mule electronic 67)
Iron Curtis - Way Back Home EP
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ここ数年、日本外においても躍進ぶりが目立つMule Musiq傘下のMule Electronicから、2009年にデビューを飾ったばかりのIron Curtisの新譜がリリースされております。最近のMule一派と言えばテクノのみならず、ディープハウスやビートダウンにも積極的に力を入れておりますが、本作もその類の一枚。A面の"Grossreuth 1"はうっすらと情緒の乗ったテックな上物が綺麗なハウスですが、基本的には上げない・派手じゃない、むしろ控えめささえも感じさせる上品な内容。B面の"Save The Night(version)"もリズムはパキパキとしているものの上物はやはりソフトで透明感があり、耳に優しく馴染むディープなハウス。B2ではようやく上げ目の"Gro Breuth"が聴けますが、儚さを感じさせるメランコリックな旋律が入っていて、完璧しっとりモード。ここ1〜2年でなんとなくだけど、Mule一派の音と言うのが固まってきている印象。Mule Musiqは間違いなく日本が世界に誇れるレーベルだと思います。

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| HOUSE5 | 09:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pier Bucci - Amigo (Maruca:MARCD001)
Pier Bucci - Amigo
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チリ出身Pier Bucciなるアーティストの2ndアルバム。チリ出身かつこのしっとり耽美なジャケットから容易に想像出来るのは、Ricard VillalobosとCadenzaのLucianoらの流れと言う事。実際その予想は間違っていない訳で、内容は湿っぽいパーカッションやキックや中心としたスカスカなミニマルハウス。陽気なラテンパーカッションはどこか空虚さえも匂わせながら高揚感を出しつつ、南米の湿度の高い空気を感じさせ気の抜けた盛り上がりを演出しております。線の細ささえも逆手に取った耽美な音楽で、気品を感じさせるジャケットの通り優雅で落ち着いたトラックが多く、リズミカルな要素もあれど部屋で聴くのにも適したリスニングの要素の方が強めでしょうか。ただ非常に安定感のある出来ではあるものの、LucianoやRicard Villalobosに比べるとやはりどこか平凡で地味な印象も否めず、ラテンミニマル流行の更に先を見据えて欲しい気もしました。

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| HOUSE5 | 00:20 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Eddie C - Between Now And Then (Endless Flight:Endless Flight 22)
Eddie C - Between Now And Then
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時代の流れかMule Musiq傘下のEndless Flightも最近はビートダウンハウスやニューディスコなる音楽に力を入れている様で、その手の中でこのEdward CurrellyことEddie CもMark E、The Revengeらに次ぐ期待の人材。ここら辺のアーティストに共通するのはスロウで緩めのビートに懐かしさを喚起させるメロウな旋律なんだけど、Eddie Cも負けじと絹の様に柔らかで優しい音を聞かせてくれます。お勧めはタイトル曲の幻想的で透明感のあるハウスで、さざ波さえも立たさないまったりと展開の中じわじわと盛り上がりを作りながらも、最後までその緩やかなグルーヴを保ったまま情緒を匂わせます。対してA2の"You Know How"はディスコっぽい湿っぽく古びた音の仕上げをした所謂ニューディスコで、しみじみとした感情が呼び起こされるトラック。B面にもピッチの遅いビートダウンなトラックが2曲収録されていて、やはり淡い思い出が蘇るメロウな旋律が効いております。どの曲も古き良き時代を感じさせながらも、古いだけでなく今風に洗練もされていて、温故知新な存在感がありますね。

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| HOUSE5 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
King Britt - Intricate Beauty (Nervous Records:NE20969)
King Britt - Intricate Beauty
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King Brittの最後のダンスミュージックアルバムとも言われる最新作は、様々なボーカリストをフューチャーした歌物テックハウスで固められた一枚。様々な名義を用いてテクノ、ハウス、ジャズ、ヒップホップ、R&B、ソウルとジャンルをクロスオーヴァーしてきたKingが、ここに来てベーシックな歌物で勝負して来るとは意表をつかれた感じもしますが、内容は実にメランコリックで透明感のあるテッキーなダンストラック満載で流石Kingの名は伊達じゃない。かなりポップで癖が無いので誰にでも聴き易くもありつつ、全てのトラックはミックスされまるでMIXCDかの様でもあるので、最初から最後まで良く言えばあっさりと聴けてしまうアルバムです。King Brittらしいかと言われると迷ってしまう時もありますが、彼がNova Dream Sequence名義でデトロイトテクノに取り組んだシリアスな"Interpretations"(過去レビュー)とも雰囲気は近く、疾走感と陶酔感のあるダンストラックとしては上質であるのは否定出来ないですね。ただ差があるとすれば本作は歌物が多いせいか同じ電子的な音でも、Nova Dream Sequence名義よりソウルフルな印象が強くNYハウスの系譜上にあるのかなと感じました。ベタベタな歌物ハウスアルバムですが、やはりKingはどのジャンルでもKingっぷりの才能を発揮しております。

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| HOUSE5 | 12:35 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Moody - Ol' Dirty Vinyl (KDJ:KDJ39)
Moody - Ol Dirty Vinyl

デトロイトのエロ方面の至宝・Moodymann三部作のラストになるであろう最新作。暗く不安を感じさせるジャケットとは対称的に、本作は汚らしくも血の通った熱さと生命力を感じさせる艶めかしい音楽がこでれもかと詰まっている。90年代後半に制作されたトラックもあれば、2009年録音の新しいトラック、または3時間で早急に録音されたと言うタイトルトラックまで、作品としては非常にバラエティーに富んでいると言っていいだろう。しかし心底良いと断言出来るヴァイナルじゃないか。古びたラジオから流れてくるようなノイズ混じりの"Ol' Dirty Vinyl"は、Moodymannにしては機嫌が悪くないどころか突き抜けた爽やかささえ感じさせるソウルフルな愛のハウスだ。いや、それでもこれはMoodymannらしいしっとり艶と官能に満ちたエロスの塊でもある。かと思えばどす黒いサイケデリックロックな"No Feedback"がいきなり出て来たり、全く予想だに出来ない内容。B面の"It's 2 Late For U and Me"は混沌とした煙が充満する正に不機嫌そのものなどす黒いハウスで、そのぶっといベースラインが唸りセクシーな女の子が呟く中で、いつしか聴く者はアダルティーな夜の闇に誘われる事だろう。とっちらかった印象も受けるヴァイナルだけれでも、やっぱりそのどれもがMoodymannと言うべき官能的な音をしっかり発していて、取り敢えず酒を飲む時にぴったりな音楽だと思う。

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| HOUSE5 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |