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Four Walls & Funkyjaws - One Night In Grodno (Kolour LTD:KLRLTD015)
Four Walls & Funkyjaws - One Night In Grodno

確実に勢力を盛り返しつつあるハウスも現在の中心地がベルリンである事に異論は無いが、アメリカに於いても一時期よりはハウス熱を戻ってきているようには感じられ、その一旦にはデトロイトからの新興勢力であるKolour Recordingsがある。本作はそのレーベルの限定ラインであるKolour LTDからの新作で、ベラルーシのMihail ShvaikovskiことFour Wallsと同郷のSergey AbramovことFunkyjawsの若手二人の共作となっている。二人ともまだ20代前半であり知名度がまだまだなのは当然だが、本作に於ける豊かな情感が広がる円熟味あるハウスは今後を期待させるには十分過ぎる程だ。エレガントなエレピのコードが下地になりつつ、その上を官能的で艶のあるサックスがアドリブ的に舞う"Jazzy Thing"、同じく気品のあるサックスの演奏と共に幾分かパーカッシヴな4つ打ちが躍動的な"His Name Is Eddie"、どちらも新鮮味には欠けるもののデトロイトの感情的な面も含みながら都会的な洗練された空気を纏っていて、現時点で既にベテラン的な貫禄を漂わせている。裏面にはソウルフルな歌を用いて郷愁が染み渡る黄昏時のハウス"Love Train"や、優雅な旋律を奏でるエレピに軽快なグルーヴ感が爽やかな風を誘い込むジャジー・ハウス"From Us"と、こちらも胸を締め付けるような切なさが堪らない。ジャズにファンクやディスコなど黒人音楽の要素が多くありながら、汗臭くなり過ぎずにさらっと聞かせるようなバランス感覚が今っぽくもあり、リスニングとしても耳を虜にするだろう。



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| HOUSE9 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Deep Into Nite Grooves Mixed & Selected By DJ Spinna (Nite Grooves:KCD278)
Deep Into Nite Grooves Mixed & Selected By DJ Spinna
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NYハウスの伝統とも殿堂とも言えるKing Street Sound。一方、そんなハウスから零れ落ちながら時代に則すようにディープかつテッキーなハウスをリリースしてきたのが、姉妹レーベルであるNite Groovesだ。両者のレーベルはハウスを根底としそれ程大きな隔たりがあるわけではないが、敢えて言うならば前者がソウルフルで伝統的な、後者がエレクトロニックで現代的なと特徴付けられるかもしれない。そんなNite Groovesも2014年には設立20周年になるそうで、そのレーベルの軌跡を辿るべく集大成とも言えるMIXCDをリリースした。ミックスを手掛けたのは古くからレーベルと交流もあるDJ Spinnaで、ファンクやヒップホップにロックやハウスにテクノまで自由自在にジャンルを横断するプレイには定評があり、ならばこそNite Groovesの歴史を過去から未来へと向かって紐解く事にも難はないだろう。さてミックス自体はと言うとレーベルのショーケース的な扱いではあるので、DJ Spinnaの自由奔放なプレイが聞けるわけではないのだが、さりとてMIXCDとして平凡であるかと言うとそうでもない。音自体はエレクトロニックでしっかりとビートの強いハウス中心で、そこに潜って行くようなディープさや染み入るメロウな感覚、ずっしりした4つ打ちからざっくりしたジャジーなリズムまで、そしてハウスには重要な情熱的なボーカルトラックも織り交ぜて時代とジャンルを横断した選曲を行っている。このミックスの中心にあるのはあくまでレーベル性であり、それを正しく表現する為にDJ Spinnaはトラックの持ち味を壊さないように滑らかかつ自然なミックスを行っており、その意味ではNite Groovesの本質を体験すると共にエレクトロニックなハウス・ミュージックの入門としても適しているのだ。勿論20年にも及ぶレーベルの全てが詰まっているわけではないが、レーベルの過去、そしてこの先向かう未来を知るには十分過ぎる内容だろう。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
J.A.N. - The Weather EP (Dopeness Galore:DG 10 006)
J.A.N. - The Weather EP
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オランダはアムステルダムと言えばデトロイトの影響を強く受けている土地であり、Rush HourやDelsinなど実力派のレーベルが集まっている。同じくアムステルダムのDopeness Galoreもファンクやヒップホップにソウルなど黒人音楽からの影響を元に良質なクラブトラックをリリースするレーベルであるが、そんなレーベルから現れたJ.A.N.なる新星の作品は初期のMoodymannやTheo Parrishを思い起こさせるようで、注目して損はないだろう。力強い正確な4つ打ちキックやボイスサンプルがファンキーながらも酩酊するスモーキーなパッドが感情的に伸びる"Make It Funky"、美しいシンセストリングスが優雅に舞いつつからっとしたパーカッションが心地良いディープ・ハウスよりの"Stormy"、ヒップホップのざっくりと煙たいビートを下地に流麗なエレピなどが仄かにソウルを発する"Shines"と、そのどれもがデトロイト・ハウスからの影響を隠す事なく表現したトラックが並んでいる。デトロイト・ハウスの訝しくも感情を揺さぶる空気、ラフな質感から生まれる温かさなど、それらを混ぜ込んだスタイルを彼はB-BOYハウスと説明する。なるほど、ラップやブレイク・ビーツに合わせて踊るB-BOY、確かにJ.A.N.によるサンプリング・ベースの曲からはそんな黒っぽさがぷんぷんと滲み出ている。まだフォロワーの粋を出切ってはいないのも事実ではあるが、デビュー作にしては十分過ぎる程に心に染み入る仄かに黒いハウスで、今後にも期待せざるを得ない。



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| HOUSE9 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lord Of The Isles - Kurve (Mule Musiq:MM 169)
Lord Of The Isles - Kurve
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スコットランド出身のNeil McDonaldによるプロジェクト・Lord Of The Islesは、UnthankやShevchenkoに日本のCatuneやEne Recordsなど国境を超えて引く手数多な存在だ。ハウスと言うフォーマットには括られる音楽性ではあるが、そこにはバレアリックやディスコにビートダウンなど様々な要素が含まれており、その枠をぼかしながらシーンに対応出来る才能が多くのレーベルに適合するのだろう。そして次なる作品は日本が世界に誇るMule Musiqからとなったのは、もはやLord Of The Islesがほんの一握りの音楽リスナーに知られるだけではなく、より多くのファンを獲得する事を保証している。タイトル曲である"Kurve"は本作の中では最もディープな曲で、分厚く安定感のあるベースラインとた対照的に深い残響の奥に淡く浮かび上がるシンセが物悲しさを誘発する。イーブンキックの4つ打ちがゆったりと体を揺らし、陶酔感の強いシンセのコード展開が自然と耳に馴染むドラマティックな作品だ。一方生っぽい質感のリズムやビヨビヨしたシンセを打ち出した"Eagle Lake"はディスコ・テイストが強く、現代風な音の中にも懐かしさが同居する。また裏面の2曲も更に異なる作風を披露しており、ごつごつとした野性的なリズム・トラックにアシッディーなシンセラインや奇っ怪な電子音が躍動する"Here, Now & Beyond"は確かにハウスではあるが、ソウルフルな熱気を発するでもなくずぶずぶと中毒的な深みへとはめていく。と思えば"Veranico De Maio"では闇から解放されたように快楽的なシンセが反復するバレアリック系のハウスを披露しており、闇夜を抜けたその先にある朝方のフロアを脳裏に浮かび上がらせる。4曲の中で色々と試すような印象もあるが、どの曲にもアドリブ的なシンセのメロディーが生きており、単にDJツールとしての作品と言うよりはリスニングとして音楽性を意識しているのだろう。



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| HOUSE9 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Walter Jones - A Night in Newark (Permanent Vacation:PERMVAC 114-1)
Walter Jones - A Night in Newark
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以前から同姓同名の為、新作が出る度に紛らわしく思われるのがWalter Jones。本作は90年代に活躍していたデトロイトのWalter JonesことWalt Jと言うアーティストではなく、2003年のデビュー盤で華々しいスタートを切ったニューオリンズ出身のWalter Jonesによる作品で、ドイツで良質なエレクトロニックハウスを手掛けるPermanent Vacationからは2作目になる。Walterの作風と言うとダンスフロアに根ざしながらもシリアス過ぎる事はなく、開放感のあるスペーシーかつバレアリックな整った4つ打ちハウスと言う印象があるが、本作でもその路線におおよそ変化はない。タイトル曲である"A Night In Newark"は正にそんなトラックであり、どっしりとした太いイーブンキックとベース・ラインを土台に浮遊感のあるスペーシーなシンセやコズミックなSEが開放感を演出するハウスで、嫌味なくゴージャスに煌めく音を発している。対して"I Am"では同じ4つ打ちながらも肩の力が抜けた緩いグルーヴ感で、そこに光沢を感じさせる綺麗目のシンセのコード展開が気品良く添えられて、その下ではディスコティックなベースラインがうねるとても華々しいディスコ・ハウスを披露している。一方異色なのが"Lower Chakra Safari"で、訝しげなフルートのメロディーが先導しながら徐々にトリップ感のあるSEやゴージャスなシンセが浮き上がってくるのだが、リズムはビートダウンかつブギーなねっとりとして絡み付くような重心の低さがある。全体的に綺麗過ぎるかなと言う印象もなくはないが、洗練されたエレクトロニックな音を素直に聞かせるハウスとして、押し並べて水準が高いEPだ。

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| HOUSE9 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Shine Grooves - Cairo EP (Rough House Rosie:RHR 004)
Shine Grooves - Cairo EP
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ドイツはテクノだけではなくハウスに於いても、いや寧ろハウスの方が注目すべきアーティストが多くなってきているようにも見受けられるが、またしてもドイツはケルンにてGeorge Beridzeが主宰するRough House Rosieがアンダーグラウンド方面から一際注目を集めている。このレーベルは2012年に設立されたばかりではあるが、過去にHVLやAlex DanilovにBrother Gと言った新興勢力にフォーカスを当てながらも実に質の高いハウスをリリースしており、アナログのみのリリースと言う事もあってか余計にカルト性を高めている。音楽性としてはアンビエントとダブな空気感の中にロウハウスを取り込んだ作風が見受けられるが、レーベル4作目のロシア人のShine Grooves(Quadrat名義でも活動しているようだ)による初の作品も同様な方向性で、この作品も更にRough House Rosieの評価を高める事は間違いないだろう。抽象的ながらも浮遊感漂う幻想的なパッドの下でトリッピーなSEやダビーな4つ打ちを繰り広げる"4AM"、更によりアトモスフェリックな柔らかいシンセと深く揺らぐ残響が仄かな情緒を奏でる"Egypt Dub"、そのどちらもがディープ・ハウスと言う音に当てはまりながらも、アナログ音を打ち出して非常に温かい人間味を感じられる事が特徴だろう。またB面に収録された"Rolling"は穏やかながらも明確な4つ打ちに揺らぐようなパッド音が被せられたディープ・ハウス、対照的にもう一曲の"Sahara"はトリッピーに浮遊するもやもやしたサウンドと遅く粘り気のあるリズムが特徴的なダブ・ハウスで、一枚のEPの中でもダブと言う音楽性を軸に小さく纏まらないような野心が汲み取れるだろう。EP全体としては濃霧に包まれたサウンドの向こう側にメロウな旋律が浮かび上がるディープ・ハウスと言うべきか、非常にアブストラクトながらもほっと心温まる音楽が纏まっている。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Grandbrothers - Ezra EP (FILM:FILM001)
Grandbrothers - Ezra EP
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ドイツに新しく設立されたFilm Recordingsからのカタログ第一番は、鍵盤奏者のErol SarpとコンポーザーであるLukas VogelのユニットであるGrandbrothersによる初の作品。当方はJust Another Beatで活躍するKim Brownと、UKの大ベテランであるGreg Wilsonがリミックスを提供している事で反応したが、どうやら各レコード店でも即売り切れ続出となり注目を集めているようだ。A面のオリジナル2曲である"Ezra Was Right"と"Notbrause"は、どちらも静謐なピアノソロやコード展開が際立っており、そこにエレクトロニクスを加えた非常に慎ましいモダンハウスとなっている。ピアノを軸に置きながら数少ない音でシンプルに構築されたハウスは、無駄無くすっきりと洗練された分だけよりピアノの美しい響きをより強調し、クラブ・ミュージックと言うよりはまるでサウンドトラックにも思われる世界を生み出している。そして裏面のリミックス作品も秀逸で、流麗なピアノのコード展開はそのままにをパーカッションやキックを強めて流れるようなハウスのビート感を打ち出した"Kim Brown Iron Rave Remix"と、哀愁に満ちたギターカッティングに力強い雄叫びや壮大さを演出するSEを加えて、空へ上り詰めるようなブギーかつバレアリック感を打ち出した"Greg Wilson & Derek Kaye Remix"は、オリジナルよりもダンスフロアでより魅力的に聞こえるに違いない。曲自体が非常に強い個性を放っているのでアフターアワーズの即戦力になりそうな気はするが、ホームリスニングとしてもお勧めしたい素晴らしい一枚だ。



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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Herve Samb & Daniel Moreno - Anta Diop (Remixed By Kuniyuki Takahashi) (Sacred Rhythm Music:SRM-269)
Herve Samb & Daniel Moreno - Anta Diop (Remixed By Kuniyuki Takahashi)

Joe Claussellが主宰するSacred Rhythm Music新作は、Herve Samb & Daniel Morenoのリミックス盤。元々Joeの作品にパーカッショニストとして参加していたDaniel、様々なアーティストのサポートをしてきたギタリストのHerveによるこのユニットは、2011年にアルバム"Kharit"をリリースしていたが、本作ではそこからの"Anta Diop"をJoeの盟友でもある高橋クニユキがリミックスしている。オリジナルはアコギや民族的な打楽器を用いてエキゾチックな世界観を強く打ち出した曲で、本作の裏面にも収録されている。がクニユキによる"Kuni's Main Mix"はギターやフルートにストリングス、そして電子音のシーケンスまで加えながら壮大なスピリチュアル・ミュージックへと作り変え、5分にも満たない原曲を13分にまで拡大している。元々慎ましく神妙な世界観を持った曲ではあったが、クニユキはそう言った世界観を損なう事なく原曲を尊重し、その上でクニユキらしくエレクトロニックな音とオーガニックな音を自然と共存させているのが聞き所だ。壮大な展開と瞑想を誘発するスピリチュアルな世界観だが、大袈裟と言うよりは大らかで包容力を感じさせる大地の響きと言うべきで、聖なる音が魂を浄化する。そしてダブ・バージョンらしくよりパーカッシブな太鼓系の音が強調された"Kuni's Drum Dub"も10分に及ぶ大作で、こちらの方が明確なグルーヴが浮き上がり肉体への作用が強く働くディープ・ハウスとなっている。どれもパーティーの朝方や終盤、疲労の溜まった時間帯に渇望するであろう癒しの作用がある曲で、ただただその聖なる音に身を委ねたい。

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| HOUSE9 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Theo Parrish - Long Walk In Your Sun (Sound Signature:SS050)
Theo Parrish - Long Walk In Your Sun

思えば遠い所まで来たものだ。Theo Parrishによる音楽を彫刻するレーベル・Sound Signatureは、自身の音楽活動の場として1997年の始動から既に17年が経過している。自身の作品も、また他のアーティストによる作品も既成のハウス・ミュージックからは外れた造形を表現し、長く時間が経過した今でもレーベルの個性を保ち続けている。本作はTheo自身による新作であり記念すべきレーベルのカタログ50作目でもあるが、今尚音楽性を変える事なくTheoの個性が主張する作品となっている。タイトル曲である"Long Walk In Your Sun"はTheoお得意のビートをダウンさせたトラックだが、物悲しいローズ・ピアノや鈍く黒光りするコズミックなシンセ音を散りばめて、パーティー朝方の気怠い時間帯を思い起こさせるスモーキーな雰囲気を発している。荒く研磨されたようなざらついたビート感は終始低い重心を保ち、足へと吸い付きながら踊る動きを鈍くさせるが、Theoがプレイするとこれもまたダンストラックになるのかと想像すると面白い。対して裏面の"Strawberry Dragon"は生々しさを打ち出したトラックで、先ずは手数の多い野性的なドラミングによるTheoにしてはBPMの高いビートが耳に入ってくる。そこにブルージーなピアノのコードやヴィブラフォンなどが不鮮明に混ざり、更には極端に音のバランスを崩したような処理が余計に曲全体を荒削りなものへとしているが、そのラフさを自然に聞かせる手腕がTheoの完成形として成り立っている。ハウスと呼ぶには余りにも異形の音楽であり、土着的なフュージョンとでも呼ぶべきだろうか。レーベル名が示唆するSound Signatureと言う手法は、ここでも変わっていない

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| HOUSE9 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Kez YM - Root Bound EP (Faces Records:FACES 1215)
Kez YM - Root Bound EP
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海外のYore Recoredsからのリリースで日本のビートダウン・ハウスを先取り、最近ではRondenionやNo Milkともコンビを組んでRagrange Symphonyとしても活動しているKez YM。海外のハウス系のDJMIXにも曲が使用されるなど着実な評価を得ており、DJとしてだけでなくアーティストの側面からでも信頼出来る日本のハウスDJである。新作は2年前にも作品をリリースしたフランスのFaces Recordsからとなるが、良い意味で言うと基本となるスタイルは変わっていない。ボーカルサンプリング、エレピやキーボードのメロウなコード展開、パーカッシヴなリズムトラックなどなどを組み合わせて、黒人が生み出すソウルフルな雰囲気を再現しつつフロア対応のトラックとして完成されている。軽い質感の爽やかなパーカッションに被さる綺麗目のシンセによるコード展開が陶酔を誘うも、男性のボイスサンプルがディスコな雰囲気を纏う"Amplified Soul"、控え目に情緒のあるマイナー調のキーボードと複雑なパーカッションが肉体に刺激する"Random Collision"、そのどちらもがDJが使い易いタフなグルーヴ感を保ちながら実にエモーショナルな空気も纏っている。裏面のつんのめるような荒々しいリズムに隠れるようにエレピが鳴っている"Alive"は初期のMoodymannのようなどす黒さと怪訝なセクシーさがあり、うねるエレピ使いが華麗ながらも曇った短いボーカルサンプルがアクセントとなっている"Passing Through"は生々しい臨場感を含んでいる。基本的にどの曲も非常に躍動感と耳に残るメロディーがある、即戦力である事は間違いない。ただ前述したように制作のスタイルとして予測されてしまうような面が見受けられ、過去の作品に対して曲の個性を差別化が出来ていない点は否めない。どの曲もお世辞抜きに格好良いとは思うので、曲毎に音色やビート感に個性を持たす事が出来れば更にKez YMと言うアーティスト性が光るのでは。



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| HOUSE9 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |