2015.07.14 Tuesday
2010年、来日したアンビエント・マスターことMixmaster Morrisは、千葉のKoyas Studioに訪れDJ Yogurt & koyasと共に寝食を共にし音楽制作に励んでいた。その際に制作された"Higher State of Mind"は、2010年のコンピレーション・アルバム"Meet the People Vol.The Beach House at Isshiki"にも収録されたものの、それ程注目を集める事なくいつしか忘れ去られようとしていた。しかし実はDJ Yogurt & koyasはひっそりとリミックスを行いつつ、Blast HeadのTetsuにもリミックスを依頼し、その後Koyasによって立ち上げられたレーベルであるPsymaticsから2014年にはリリースされる…予定だったがテストプレスの問題等によりリリースは延期…からの制作から5年を経てようやく日本でのみのアナログリリースとなった。紆余曲折の末だからという訳ではないが、やはり一向に新作をリリースしないMMMによるオリジナルの"Higher State of Mind"からして期待を裏切らない。ふわふわとした無重力のアンビエントな上モノとゆったりとうねるブレイク・ビーツ風なリズムは、彼がNinja Tuneからリリースしたアンビエント・アルバムのその先にある音楽性であり、夢の中をのんびりと漂うような極楽浄土の世界観は爽やかで軽くも瞑想的だ。だがリミックスの方も負けてはいない。昼下がりの白昼夢を漂うような耽美なエレピのイントロから始まる"Tetsu Remix"は、その後ヒップ・ホップやジャジーテイストを打ち出して煙たく微睡んだ空気が充満したブレイク・ビーツを展開し、開放的な残響も伴うバレアリック・ミュージックと化す。そしてアンビエントはお手の物な二人組のYogurt & Koyasによる"Yogurt & Koyas Feat. Eiji's Bass Remix"は、ベースにEijiを迎えながらリズムもざっくりと生っぽさを強調しつつ、光を発するような輝かしいシンセやトランペット風なメロディーを上乗せして、陽気な夏のムードを醸し出している。またYogurtとKoyasとEijiにARATAが共同で作り上げた"Chiba1"は、愛くるしいギターサウンドが彩る南国風でカリビアンな長閑なアンビエントで、4人が笑顔でセッションしているようなリラックスしたライブ感ある。日本限定でアナログのみの販売だがMP3やAACなどのデータをDL出来るコード付き、そしてステッカーも封入といたせりつくせりの内容なので、売り切れになる前に是非ゲットして欲しい。
Check "Mixmaster Morris"