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Harvey Sutherland - Harvey Sutherland (Music 4 Your Legs:MFYLR002)
Harvey Sutherland - Harvey Sutherland
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日本への再来日ライブが間近に迫っているオーストリラリアはメルボルンのHarvey Sutherland。何と言っても2015年にMCDEからリリースされた『Bermuda』でのシンセブギーな作品でその知名度を一気に高めて、今や世界各地でDJではなくライブアーティストとしてツアーを行う程になっている。残念ながらアナログ中心でのリリースのため聞く機会が少なかった人もいたであろが、ここ日本では幸いな事に今までにリリースされたアナログから8曲を纏め、更に未発表曲2曲を追加して本アルバム化された。本人はキーボードをプレイする演奏家であり、最近ではドラマーや弦楽器奏者とのセッションも行う事でより昔のブギーなディスコ色を強めて、現在の機能的なダンス・ミュージックとの親和性もありながらソウルフルな感覚を生み出している。特に近年の曲になればなる程その楽曲性の豊かさは増しており、生ドラムを導入した"Bravado"はヴィンテージなアナログ・シンセの艶のある音色も気持ち良いものだが、途中からゴージャス感を強めてシンセ・ファンクやディスコのバンド風な一体感を見せて盛り上がっていく展開は実に華々しい。MCDEからリリースされら"Bermuda"も光沢のあるシンセに耽美なエレピにストリングスなどふんだんに艶のある音を用い豊かな色彩を見せ、ジャジーなドラムが軽快なグルーヴを生み、うきうきとしたブギーな雰囲気に包まれる。ただプレイヤーではありながらも過剰に広げ過ぎない事も現在のダンス・ミュージックに沿う点であり、"Bamboo"でも美しい電子ピアノやざっくりした生のドラムを用いたジャジーな要素はあるが、シンセやドラムにしても基本は程々にミニマルな展開であり、そこからドラマティックに盛り上げていく構成の上手さがある。また未発表曲の"Lovenest"はいつ頃の作品かは不明だが、昔のディスコのダブ的要素も用いて他の作品とはやや毛並みが異なっており、落ち着いた空気の中にしんみりとした切ないシンセを加える辺りはHarvey Sutherlandのエモーショナル性が発揮されている。どれもこれも演奏家としての作曲性に裏打ちされたメロディーや構成と展開があり、当然ライブでこそ聞きたくなる豊かな音楽性を秘めているからこそ、こうしてアルバム化されて纏めて聞く事が出来るのはありがたい。素晴らしい企画作品である。







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| HOUSE12 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Tornado Wallace - Lonely Planet (Running Back:RBCD09)
Tornado Wallace - Lonely Planet
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にわかに注目を集めるオーストラリはメルボルンのダンス・ミュージック、その中でもバレアリックやディープ・ハウス方面で特に人気があるアーティストがTornado Wallaceだ。Delusions Of GrandeurやInstruments Of Raptureからは黒さも滲むディープ・ハウスを、Beats In SpaceやESP Instituteからはバレアリック的な開放感のあるハウスをリリースし、そしてまたアシッド・サウンドを用いた荒々しい曲も制作する傍ら手腕を買われJose Padillaのアルバム制作にも参加するなど、忙しない程に活況な音楽活動を見せている。初めてEPをリリースしたのが2010年なのだから初のアルバムまでに7年もかかってしまった訳だが、ようやく期待の作品が届けられた。7曲で36分とボリュームは少な目ではあるもののその内容は集大成として感じられ、今までに彼が展開してきた作風が一つのアルバムに纏まっている。始まりはアルバムタイトルである”Lonely Planet”からで、環境音らしきサンプリングを交えた壮大な旅を予感させるおおらかな展開で、土着的なドラムやパーカッションも加わったかと思いきやメランコリーなシンセによってバレアリック・ジャーニーへと誘い込まれていく。続くもダウンビートながらもロウなリズム感や残響広がるギターを用いてエキゾチック感をアピールした"Trance Encounters"は、音の伸びが開放感へと繋がりゆっくりと見知らぬ異国へと旅立つよう。"Today"はボーカリストのSui Zhenをフィーチャーした歌モノだが、何かパンチのあるキックやスネアに懐かしいアナログシンセ風サウンドは80年代風のポップスを思わせる面もあり、それが懐かしさを誘い出す。小気味良いグルーヴ感ながらもその上をゆったりと流れる大らかなシンセ、"Warp Odyssey"は典型的なバレアリック・サウンドであり、リラックスした空気が通底する。その流れに乗って感動がピークへと達するのが"Voices"で、尺八らしき和の音に哀愁のギターサウンドと透明感のある電子音が繰り広げる嬉々とした世界観、途中からはしっとりとしたドラムやアシッド・サウンドも加わって、ドラマティックな映画のサウンド・トラック的な流れも。アルバムを通して聞いてみた後にはニューエイジ的な思想も感じられ、現代から先祖返りしたような原始的なムードもあり、その懐古的な響きがバレアリック感を更に強めていたのだろう。昼間から現実逃避をして心地良い夢に浸れそうなアルバムである。



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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed (Smalltown Supersound:STS294CD)
Prins Thomas - Principe Del Norte Remixed
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コズミック系やニュー・ディスコと呼ばれる音楽では特に人気を博すPrins Thomasが、そこからアンビエントへと向かった大作『Principe Del Norte』(過去レビュー)はクラウト・ロックやテクノも取り込み、意外性だけでなく音楽的な豊かさを見せつけた傑作だ。コズミックな要素のあるニュー・ディスコにアンビエントの夢想やクラウト・ロックのサイケを合成し、ダンス・フロアだけに囚われない表現の拡張を行い、アーティストとして更に高みに達する事に成功した。そしてその延長上に待っていたのは世界各地から実力はアーティストを招いたリミックス集で、アンビエントマスターのThe Orbやミニマル・ハウスの重鎮であるRicardo Villalobos、フレンチ・ハウスからはI:CubeにRunning Back主宰のGerd Janson等がそれぞれの作風を活かしつつオリジナルを尊重したり、又は個性的に染め上げたりして自由なアルバムになっている。オリジナル盤を活かしたと言う意味ではやはりThe Orbによる"H (The Orb Orbient Mix)"がまっとうで、無重力空間を演出する電子音が浮遊してノンビートながらも心地良いうねりのグルーヴを生んでいくアンビエント・ダブは、音楽的な相性の良さもあり期待通りのリミックスだ。ユニークなリミックスを披露しているのはサイケ・プロジェクトであるSun Arawによる"B (Sun Araw Saddle Soap Remix)"で、多幸感あるギターサウンド等ニュー・ディスコの面影は残しつつも、何処かコミカルな電子音がふざけたようなユーモアとなっており、気の抜けた牧歌的サイケを展開する。原曲は13分もあった大作の"C"だが、メランコリーで湿り気を帯びたディスコ・ハウスへと変化させた"C (I:Cube Remix)"、オリジナルのバレアリック感に優しくアシッドベースを加えて多幸感を増長させた"C (Young Marco Remix)"、そして完全に贅肉を削ぎ落として自身のスカスカなツール性重視のミニマルへと仕立てあげた"C (Ricardo Villalobos King Crab Remix)"と、三者三様のリミックスは比較しても面白いだろう。勿論それらのみならずThomas自身による未発表曲も秀逸で、多幸感に満ち溢れた緩過ぎるアンビエントから弛緩しながらも眩い輝きを放つニュー・ディスコまで披露し、『Principe Del Norte』の世界観がここに継承されている事は明白だ。リミックス集としての面白みは当然だが、Thomasによるアンビエントへの傾倒が一時的なものではない事に期待が膨らんでしまう。



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| HOUSE12 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
EMMA HOUSE XX Non Stop Mixed By DJ EMMA 30th Anniversary (Universal Music:UICZ-9075)
EMMA HOUSE XX Non Stop Mixed By DJ EMMA 30th Anniversary
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1985年にDJ活動を開始してから芝浦GOLDやSpace Lab Yellow等伝説的な箱でレギュラーパーティーを開催し、また早くからクラブの臨場感を宅内でも体感させるMIXCDの制作に積極的に取り組み、現在も尚シーンの最前線でDJとしての生き様を見せるEMMAは、日本のダンス・ミュージックに於ける生き字引の一人と呼んでも過言ではないだろう。本作は2015年にDJ活動30周年を迎えた事を記念するMIXCDであり(リリースは2016年10月)、またシリーズとしても20周年目の通算20作目と、記念づくしの『EMMA HOUSE』シリーズの最新作である。彼の音楽を現す『EMMA HOUSE』にはハウスという言葉が使われているが、決してハウスだけではなくテクノやロックにアシッド・ハウスまでも網羅した分け隔てないダンス・ミュージックのプレイが前提であり、当然本作もそんな彼のクラブに於けるプレイがそのまま閉じ込められている。Disc1は彼の音楽性では最も特徴と思われるソウルフルなNYハウスの"A Deeper Love (A Deeper Feeling Mix)"で始まり、いきなり胸を熱くするソウルフルな歌によってぐっと引き込まれていく。続くピアノの華やかなコード展開に盛り上がるピアノ・ハウスの"Soul Roots (Piano House Mix)"、現在形のロウでトリッキーなハウスである"Looking 4 Trouble"から90年代のハードなハウス時代を象徴する"Jumpin"へと繋がれるなど、ある種のクラシック的な趣きでがつがつと攻める前半。そしてEMMAの中で再燃するアシッド・ハウスの勢いを爆発させた"Acid City"から"The Original Disq Clash (DJ EMMA Jesus Remix)"へと流れは正に現在と言う時代性も含んでおり、そこからイタロ・ディスコ名作の"Chase"やハードロック・バージョンの"I Feel Love"へと古き時代に戻り懐かしさを誘いつつ、ラストにはこれまたハウス・パーティーでは定番とも言える"You Are The Universe (Curtis & Moore's Universal Summer Groove)"で幸せなパーティーの空間を共有する雰囲気を作って上手く纏めている。Disc2も古き良き時代のゴスペル・ハウスやレイブ・アンセムから現在のバレアリック・ミュージックやソウルフル・ハウスまで、過去と未来を同列に混在させる選曲で実に感情的に実にドラマティックに聞かせるプレイで、これこそEMMAの魂を震わすDJなのだ。驚くべき展開は無いかもしれない、流行を意識する事もない、そんな事に頼らずともクラブでのパーティーで培われた経験を元に実直に音楽に向き合った結果、真っ直ぐにプレイする事が感情が最もダイレクトに伝わる事を証明しているかのようだ。

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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Sleazy Mcqueen & The Solid Gold Band - Huit Etoiles (LPH WHITE:LPHWHTX)
Sleazy Mcqueen & the Solid Gold Band - Huit Etoiles
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リエディットやニュー・ディスコ/ブギー系の音楽では一頭地を抜くWhiskey Disco、それを主宰するSleazy Mcqueenの新作が同じくリエディット系では定評のあるLet’s Play HouseのオフシュートであるLPH WHITEから到着。普段はこのアーティストの作品を追い求めているわけではない筆者が本作を手にしたきっかけは、リミキサーに瀧見憲司&神田朋樹、つまりはBeing Boringsや、Running BackのオーナーであるGerd Jansonが参加しているからであり、音楽的な共通点もあるSleazyに期待を込めて購入をしてみたのだ。先ずはオリジナルである"Huit Etoiles"、どっしりもっさりとした4つ打ちグルーヴに合わせてファンキーなギターカッティングを被せ、そこからしとやかなピアノソロも交えてブギー&ファンキーに安定感を持って突き進むニュー・ディスコは、この手の音楽では王道にも聞こえる程だ。何か目新しさがあるわけではないが、低い重心と煌めく上モノが奇を衒う事なくニュー・ディスコの魅力を存分に発揮している。Being Boringsによる"Huit Etoiles (Kenji Takimi & Tomoki Kanda Remix)"は原曲より武骨で厳ついキックへと変化させる事で野太く野性的な荒さを身に纏い、更には原始的な雄叫びも加える事でシカゴ・ハウス的な方向へと振れたサイケデリックかつハードな作風へと予想外のリミックスを披露し、このパワフルさはピークタイムへも嵌るのではと思わせる。対してGerd Jansonによる"Huit Etoiles (Gerd Janson Remix)"はよりディスコ的と呼ぶべきか、生っぽく湿ったキックを活用しつつもエレクトロニックに輝くシーケンスによってモダンさも兼ね備えたドンシャリ系ディスコで、オリジナルよりドライヴィング感を増している。三者三様の作風だが、やはりその強烈さで言えば瀧見&神田のリミックスが印象に残るだろう。Sleazyによるもう一つの新作である"Galway Jam"もうねり脈動するベースラインやディスコでよく聞かれるコズミックなSEの挿入により、古き良き時代の感覚を今に蘇らせたようなクラシカルなディスコで、うきうきと気分が上がるトラックで良い出来になっている。



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Claes Rosen - Kvasten I Hornet (Local Talk:LT073)
Claes Rosen - Kvasten I Hornet
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スウェーデンを代表するハウスレーベルにまで成長したLocal Talkというある種のブランドが背景にあるとしても、本作はディープ・ハウス好きならば注視せずにはいられないだろう。L-WIZと言うユニットではダブ・ステップをルーツ・レゲエも取り込んだダブ・ステップを披露し、そしてこのClaes Rosenのソロ活動ではデジタル配信を軸にギラついたプログレッシヴ・ハウスから近年は洗練された優雅なディープ・ハウスへと移行しているアーティストの新作で、特筆すべきは2000年代のディープ・ハウスのシーンを席巻したドイツのNeedsが久しぶりにリミックスを提供している事だ。近年はNeedsの一人であるLars Bartkuhnの活動ばかりが目立っていたが、Needs名義がその実Larsによるものかどうかは抜きにしても期待せずにはいられないものだ。それはさておきClaesによる"Kvasten I Hornet"もLocal Talkの名に恥じぬ明るく親和性の高いディープ・ハウスで、フュージョンを思わせる躍動感あるシンセのメロディーとブギーな4つ打ちでどっしり安定したグルーヴを生み、そこに開放感に繋がる広がりのあるコーラスや青々しいサウンドも被せて新鮮な爽快感が満ちる作風は正にレーベル性に沿っている。プログレッシヴ・ハウスを手掛けていたアーティストがこうもモダンに様変わりするのは意外だが、メロディアスな部分では以前からそう変わっていないのかもしれない。さて、本作の目玉である"Kvasten I Hornet (Needs Remix)"は原曲よりも派手さを抑えておしとやかなエレピのコード展開で控え目なエレガンスを展開しつつ、しかし弾けて空気感溢れるパーカッションを大胆に用いるのはNeedsの十八番と呼ぶべきか、この繊細で精密な構成と上品な耽美な世界観は確かにNeeds以外の何物でもないだろう。酔いしれて白昼夢に溺れるような快適性に優れており流石のディープ・ハウスだが、今になってNeeds名義を用いた事に今後の活動が何かあるのかと期待せずにはいられない。



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Harvey Sutherland & Bermuda - Priestess / Bravado (Clarity Recordings:CRC-01)
Harvey Sutherland & Bermuda - Priestess Bravado

メルボルンからの昇り龍、Mike KatzことHarvey Sutherlandの実力をもはや疑う者はいないだろう。特にMCDEからリリースされた『Bermuda』(過去レビュー)でそれは決定的となり確かな知名度を経ているが、Juno 60等の温かいアナログシンセを多用したメロディーやライブ感のあるベースやドラムを用いて表現したセッション性の高いディープ・ハウスは、ハウスだけに括るにはもったいないブギーでフュージョンな音楽性で評価されるべきだ。アーティストとしての歩みは留まる事を知らず、最近ではドラマーや弦楽器奏者とのセッションへと果敢にも挑戦し(その動画はこちら)、その成果はリリースされる作品へも影響を及ぼしている。それが最新作である本作で、ここでも前述の奏者を起用しつつ更には9人のハンドクラップも導入するなど、クラブのダンス・ミュージックという枠を越えてより音楽的な旨味を成熟させる方向を推し進めている。"Priestess"は9分にも及ぶ大作で優雅に舞うストリングスや華麗なピアノの響きが前面に出て、そこに爽やかな響きを生むハンドクラップやざらついて生き生きとしたドラムのリズムが躍動感を生んでいく。既にハウスと言うよりは古典的でさえもあるディスコやファンクの要素の方が強いだろうが、それは懐古的なのではなくルーツへの理解を自信を持って表現した様に思われ、古臭く感じる事はない。もう一方の"Bravado"は振動するような図太いシンセサウンドやベースが特徴的で、ブギーでのどかなグルーヴを刻む4つ打ちの前半から中盤までは大人しめに引っ張りつつ、終盤に向かって渾然一体と様々な音色が煌めくような色彩の響きとなりドラムはけたたましくビートを叩き出して、一気にゴージャスなディスコ・ファンクへと突入する流れに誰しも盛り上がるに違いない。クラブのダンス・ミュージックの枠を越えてと述べたものの、しかしそれでも尚肉体を刺激するダンス・ミュージックである前提もあり、豊かな表現力を持ったDJではないアーティストである事を証明している。



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| HOUSE12 | 18:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Shinichiro Yokota Presents Do It Again and Again (Far East Recording:FER-06910)
Shinichiro Yokota Presents Do It Again and Again
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ジャパニーズ・ハウスの再評価の一人に寺田創一が居るのは周知の事実だが、それに連れられて続々とその波の大きさは増している。共鳴するように失われた作品が現代に一斉に浮かび上がってきているが、横田信一郎もその一人だ。寺田は自身でFar East Recordingと言うレーベルを主宰しており、そしてそのレーベルで行動を共にしていたのが横田だそうで、寺田からハウス・ミュージックやシンセサイザーの手ほどきを受けて共同の制作を行うようになり、複数のハウスをレーベルに残していた。但し寺田に比べると横田のリリースされた作品は決して多くはなく、言葉通りに歴史に埋もれてしまっていたアーティストだ。そんな彼の80年代後半から2000年以降の実に27年間にも及ぶ長い期間に制作された楽曲を纏めたのが本作であり、横田にとっての初のアルバムである。流石に時代的に古い楽曲が多い事もあって音楽的な目新しさは皆無だが、だからこそ90年代前後のNYハウスに影響を受けたクラシカルかつポップな作風が今になって評価される所謂ジャパニーズ・ハウスらしく、逆説的に新鮮に感じられるに違いない。始まりは正にタイトル通りに鐘の響きが特徴の"Bells"、リズムはすかすかでスリムながらもバウンスするように跳ねて数少ないシンプルな旋律だからこそ、ごまかしの無い楽曲性が際立っている。あの有名なハウスの声の部分をサンプリングした"Gotta Have House"、ブレイク・ビーツ気味なビートも相まって90年代のラフな質感のハウス・ミュージックのグルーヴそのもので、日本にもこんなセンスが埋もれていたかと思うと感慨深い。同じように日本の童謡をサンプリングした"Machibouke"も和の雰囲気を持ちながらもハウスになっていたり、三味線を用いてエキゾチック感炸裂な"Sora - Sky Magic"では江戸時代を匂わせる時代錯誤なユーモアもあったり、日本と言う背景をそのまんまハウスに投影させている。他にもロービートやダウンテンポまで披露しているが、基本的にはハウスによく見られるピアノの使い方や跳ねるハウスのビートに派手なサンプリングなど、90年代のUSのハウスの影響を彼なりに消化したように思われる。何故にこんな良質なジャパニーズ・ハウスが埋もれていたのか、それはきっと早過ぎたのかもしれないが、素晴らしい作品は今になっても色褪せる事はない。



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Randolph - Not Gonna Let (Remixes) (Mahogani Music:MM-38)
Randolph - Not Gonna Let (Remixes)
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自身の作品だけではなくボーカリストとしてJazzanovaとの共演や、Innerzone Orchestraにはベーシストとして参加をするなど、デトロイトの中でもマルチな才能を誇るPaul Randolph。ハウスという枠組みに収まる事なくR&Bやファンクにソウルなど黒人音楽を自然と包括する音楽性をプレイヤーとしての技量で表現し、だからこそ他の多くのアーティストからもシンガーやプレイヤーとして起用されるのも当然の事なのだろう。さて、ソロとしては実に10年ぶりとなるアルバム・リリースに先駆けてリリースされる新作は、古巣Mahogani Musicへと戻りレーベル性も意識したのか以前にも増してセクシャリティーになった歌モノ作品で、リミックスも含めて期待を裏切らない。新作は2曲、その一つである”Not Gonna Let”は自身で色っぽく官能的な歌を披露するニューソウルとでも呼ぶべき甘い曲で、ヒップ・ホップ調のダウンビートにしっとりしたオルガンや凛としたピアノを合わせて、濃密な黒さで染めていくブラック・ミュージック。これまで以上にぐっと夜に生きる大人のような色気を増して、肌にしっとりと染みこむようなソウルフルな歌モノだ。一方で"Peace"も演奏は無しにRandolphによる歌とコーラスのみを合わせた曲で、ちょっとした息抜きと言うかインタールードと言うか、それでもRandolphの甘く誘うような歌が魅力的だ。さて、本作にはリミキサーにも強力が二人がフィーチャーされており、その内の一人はUKにて甘美なハウスならお任せのベテラン・Charles Webster。こちらのリミックスは原曲の溶けるような甘さを、ねっとりとした4つ打ちのディープ・ハウスへと変化させる事で、より濃密でお洒落さも増したWebsterお得意の色気爆発な音楽性が反映されている。方やMahogani Music繋がりでもあり同郷のDez Andresがリミックスした方は、4つ打ちではあるもののざっくりしたヒップ・ホップ感が爽やかなビートに繋がっており、Websterの粘性の高いリミックスとは逆に音を削ぎ落として控え目にメロウで小気味良いブギーな感覚のあるハウスに仕上がっている。どちらもアーティストの音楽性がはっきりと感じられるリミックスで、原曲とリミックスのどれもが異なる場面で使い方はそれぞれと、充実したEPであるのは間違いない。



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HVL - Bizarre Realms EP (Hesperian Sound Division:HESP003)
HVL - Bizarre Realms EP

ロサンゼルス発の新興ハウスレーベルであるHesperian Sound Divisionの新作は、Rough House Rosie等を中心に活動するロシアのディープ・ハウスで頭角を現すGigi JikiaことHVLによるもの。この数年は継続して年に2〜3枚のEPを前述のRHRを含む複数のレーベルから淡々とリリースしており、音響〜アンビエントを駆使したハウスを武器として個性的な音楽性を確立している。本作でもその路線を踏襲しつつ更にはKiyadama名義でのアシッド・ハウスの要素を持ち込んで、何処までも深化を続けている。特にその深くサイケデリックな音響が主張しているのが"Bizarre Realms"で、あぶくが立つような環境音に似せたシンセのフレーズに幻想的な響きを作る薄いパッドを伸ばしていき、そして淡々とした盛り上がりを抑制したロウな4つ打ちが続く中で時折強烈なサウンド・エフェクトを挿入する事で、引いては寄せる波のような盛り上がりを生んでいる。広がっていくような立体的な音響空間は正にディープ・ハウスだが、一転して"Escape In Time"ではアシッド・ベースを用いてシカゴ・ハウスな雰囲気もある作風を見せ、特に粗いハイハット等からはロウ・ハウスの影響も垣間見れる。"Sio"でも生々しいざらついたリズムを用いつつもグルーヴは溶けるような弛緩し、そこに揺らめくような官能的な上モノが波打つ事でアンビエント性の強いダブ・ハウスとなっており、その快適性は随一だ。"Sforzando Joy"では逆にKiyadama名義を継承する凶悪なアシッド・ベースが這いずり回る攻撃的なアシッド・ハウスとなっており、フィルターやレゾナンスによる過剰な変化で毒々しく頭もくらくらするような展開が刺激的だ。バリエーション豊かでアーティストとしての底の深さはまだ見えず、そろそろアルバムによる包括的な表現も期待したいものだ。



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