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Marcel Lune - Family Grooves EP (Super Tuff Records:ST004)
Marcel Lune - Family Grooves EP

可愛らしい鼠のラベルに惹かれて試聴してみたところ、ゴージャスな響きのあるクロスオーヴァー系のディープ・ハウスにやられて購入した一枚。作品を手掛けたのは過去にはLocal TalkやStudio Rockersからもリリース歴のあるMarcel Luneで、ジャズやファンク等の要素を咀嚼したディープ・ハウスを制作するアーティストだ。本作のリリース元であるSuper Tuff Recordsは2017年発足とまだ新しいレーベルで、最初の3枚はニューカマーの紹介的なコンピレーションEPだったものの、この作品にてようやくソロアーティストの発信に着手しただけあり、その内容も充実している。出だしの"Moon Sequence"こそ意外なノンビート作品ながらも、繊細で叙情的なピアノと豊かな艶のあるシンセによってシネマティックに盛り上がっていく展開で、静かながらも壮大な世界観としっとりしたムーディーな空気が満ちている。そして"You Can Do It!"では弾ける乾いたパーカッションと軽やかなキックで爽快なリズムを刻みつつ、そこにゴージャズなシンセや控えめに耽美なピアノのコードを織り込んだディープ・ハウスだが、自由に躍動する大胆でゴージャスな光沢感あるシンセやコズミックなSEでフュージョン的な感覚も獲得している。波しぶきの音やかもめの鳴き声を用いてバレアリックなムードも打ち出した"Unknownz"はよりソリッドでジャジーな4つ打ちビート感が出ているが、ここでも眩い光を放つような輝かしいシンセソロが躍動して開放感ある野外を感じさせ、清々しい多幸感が溢れ出している。ラストの"Sun"はフラメンコのようなハンドクラップと崩れた変則ビートでじわじわと引っ張る曲で、ここでもやはり優美なシンセやストリングスが装飾しながら下部では太いベースがファンキーさを付加し、そのエレガントな音の響きが際立っている。ビートの有無にかかわらずどの曲も豊潤な響きのシンセが特徴で、そしてハウス・ミュージックを軸にしながらもクロスーオーヴァーな広がりのある音楽性が発揮されており、アーティストの個性がしっかりと感じられるお勧めな一枚だ。



Check Marcel Lune
| HOUSE13 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn - Sonics & Movements (Neroli:NERO 041)
Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn - Sonics & Movements

イタリアにて優美なハウス・ミュージック〜クロスオーヴァー系には定評のあるNeroli、その新作はTrinidadian Deep & Lars Bartkuhnによる共作だ。Ron Trent直系でオーガニックかつアフロ・パーカッシヴなフュージョン・ハウスを量産するTrinidadian Deep、そして元Needsのメンバーでありジャズやフュージョンからの要素をハウス・ミュージックへと昇華させ耽美な世界観を創造するBartkuhn、そんな二人の音楽性がNeroliに合わない訳もなく、そしてその二人がコラボレーションしたのであれば興味を惹かずにはいられない。A面にはTrinidadian Deepのソロが2曲収録されているが、揺れるリズムに軽やかで爽やかなパーカッション使い、そして煌めきのある耽美なシンセにダビーな処理を加えて奥行きも演出した爽快感溢れるディープ・ハウスの"Native Palo"は、おおよそアーティストに期待している音楽そのものだ。途中から入ってくる麗しいシンセソロなど、一曲の中で魅力的な展開も作っている。"The People"はよりトロピカルなパーカッション使いに体も軽やかになり、スティールパンの朗らかな旋律やオルガンソロが躍動して、ラテン×フュージョンのような陽気なハウスだ。そして裏面には二人の共作がバージョン違いで収録されているが、"The Parish (Full Experience)"こそ両者の音楽性が正にフュージョンして、壮大でエレガント、豊かな表情を見せるディープでアフロなハウス傑作になっている。10分を超える大作なれど様々な要素を持ち込み飽きさせる事なく、かもめの鳴き声らしいオープニングから土着的で軽やかなパーカッションが快活なリズムを刻み、すっと伸びる光沢感あるシンセと耽美なエレピのリフで優雅に引っ張っていく。咽び泣くようなエモーショナルなシンセソロでぐっと郷愁を強めつつ、ダビーなパーカッションが空間の広がりを創出し、次には繊細なピアノが滴るように入ってきて、あの手この手で装飾するように展開を繰り広げる作風はアーティスト性の強いBartkuhnの手腕が発揮されている。バージョン違いの"The Parish (Dub)"はそのタイトル通りで、民族的なパーカッションが空へと響き渡るように爽快さが強調されており、特にオリジナル以上のダブ処理によってより躍動感を獲得している。どの曲もNeroliというレーベルの華麗な美しさを纏う音楽性に沿っており、二人のアーティストの相乗効果も抜群に作用した名作と断言する。



Check Trinidadian Deep & Lars Bartkuhn
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Lovebirds - Dove Sei (Sirsounds Records:SS007)
Lovebirds - Dove Sei
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ニューディスコ〜ディープ・ハウス方面で人気を博すドイツのSebastian DoeringことLovebirds、ここ数年は一年に一枚程度とマイペースに新作をリリースしているが、その分だけ毎回のリリースの質は高くその意味では安心して聞けるアーティストではある。本作も実に一年ぶりとなるEPではあるが、彼らしい光沢感溢れるシンセのメロディーが展開されるディスコ/ブギー/イタロな作風で、懐かしい80年代フレーバーと共に現在のシーンに適合したずっしりしたグルーヴ感で正に現在形のニューディスコだ。先ずは自身によるオリジナルの"Dove Sei (Original Deep Mix)"、古典的なアナログシンセの光沢感あるメロディーが芳醇な響きを奏でており、そこにもっさりした生っぽくざらついた4つ打ちに快楽的なシンセベースでズンズンとリズムを刻むミッドテンポなディスコ・スタイルは、その快楽的で多幸感溢れるサウンドからイタロ・ハウスの系列に入っていてもおかしくはないだろう。呟き気味のボーカルが何処か呪術的でもあるが、やはり効果的に入ってくるシンセ・バーカッションやベースの鳴りによって煌めきのある音になっており、ゆっくりとリズムを刻みながらも外交的なエネルギーに溢れている。そしてリミックスは2曲収録されているが、その一つはイタロとデトロイトを結び付けるような音楽性を発揮するRaiders Of The Lost Arpによるもの。"Dove Sei (Raiders Of The Lost Arp Remix)"は原曲よりも隙間を埋めるように細かいパーカッションやギターのリフが加えられ、ディスコの成分を残しつつもよりファンキーな方向を推し進め、更にはコズミックなシンセや優美なエレピのソロも入ってくると途端に古き良き時代のディスコ感が戻ってくる原点回帰なりミックスか。一方で"Dove Sei (SIRS Cut)"は原曲の雰囲気に沿ったニューディスコで、幾分かビート感が平たく均されてスムースな4つ打ちになり、そしてビートレスなブレイクも用いてじわじわと盛り上がっていく構成が埋め込まれている。原曲のアナログシンセが豊かに鳴るバージョンは当然として、他のリミックスもファンクなりミニマルの性質を盛り込んでおり、どれもそれぞれ祝祭感溢れる曲として魅力的だ。



Check Lovebirds
| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Seb Wildblood - The One With The Remixes (Omena:OMR001)
Seb Wildblood - The One With The Remixes
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Seb Wildbloodなるアーティストについて特に存じていたわけではないが、アルバム『:~^』からのリミックス企画となる本作には注目すべきアーティストがリミックスを提供しており、十分な話題性を持っている。バレアリック・ハウスの新世代として注目を集めるTelephonesやD.K.、You're Meの一人であるYu Su、話題のStudio Barnhusを主宰するKornel Kovacsと、それぞれ異なる音楽方向を向きながらも皆が個性を持ち確かな実力を持っているのだから、当然リミックス企画としても期待しないわけにはいかない。何はともあれ11分にも及ぶ大作の"Wet Plants (Telephones Remix)"がお世辞抜きに素晴らしいバレアリック・ハウスで、ポコポコとした抜けのよいパーカッションと跳ねるようなキックの4つ打ちのハウス・グルーヴは意外にもタフだが、そこに澄んだように透明でメロウなシンセがレイヤーとなって覆い尽くしていくドリーミーな世界は南国の新緑が茂り水飛沫が弾けるエキゾチックかつトロピカルなムードで、フロア受けする事間違いなしのリミックスだ。対してブロークン・ビーツ寄りに崩れたビートとローファイな音質の"The One With The Emoticon (Yu Su Remix)"は、その無駄が無く骨が浮かび上がったリズム感に物哀しげに望郷の念が込められたような切ないメロディーでダウナーにさせる音楽性で、確かにYu Suの淡くメロウな音の鳴りをしている。"Wet Summer (Kornel Kovacs Remix)"も同様にメロウではあるが、更にローファイ寄りで音の隙間はありながらも硬いブレイク・ビーツでリズミカルに躍動しつつ、牧歌的で淡くほのぼのした音使いが昼下がりのうたた寝を誘う。そして神々しいボイスも用いて幻想的かつ神秘のニューエイジ風に仕上げた"Interlude (DK Remix)"は、オーガニックで温かい響きを活かしながらドリーミーな旋律ともやもやとした音響でぼかして、トロトロ甘い夢の世界へ誘うようだ。おおよそどのリミックスも大雑把に括ればバレアリックな方向性があり快適性は抜群だが、それでもダンスからリスニングまで明確に各々の個性を打ち出して、十分に手腕が発揮されたリミックス集で素晴らしい。



Check Seb Wildblood
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Takecha - Deep Soundscapes (Love Potion:LVPTN002)
Takecha - Deep Soundscapes
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ここ数年のジャパニーズ・ハウスのリバイバル…と言うか正確には掘り起こしではあるが、その勢いは徐々に浸透するように広がっていき埋もれていた才能が改めて日の目を見るようになっている。例えば90年代に活動していた福島武司ことTakechaもその一人で、調べてみると90年代半ばにGWM Recordsを主宰しほんの短い間に数枚のEPをリリースしていただけのようだが、2014年頃から再度活動を始めアナログや配信を用いて精力的に活動をしており、このジャパニーズ・ハウス復権の流れで注目を集めている。さて、ニューアルバムはスウェーデンの新興レーベルであるLove Potionからとなるが、実は収録された曲は1990年から2013年までに制作された過去の音源だそうで、確かに聞いてみると音的には良い意味での時代感があり、クラシックな空気のあるUSハウスからダウンテンポまで含んだその音楽性は同時期の横田進の『Fallen Angel』(過去レビュー)らと同じ匂いがする。アルバムは無駄が削ぎ落とされ控えめにエレガントなエレピのコードと軽く刻まれるシンプルな4つ打ちの"Deep Drive"で始まるが、この精錬され骨格のみが残ったような曲からは侘び寂びの美学が感じられる。"Midnight Things"も落ち着きながらも軽い足取りの4つ打ちに合わせてシンプルなシンセのコードを合わせ、その下ではベースラインが動きを出すようにうねっており、やはりその簡素な構成は洗練へと至りクラシカルなハウスの佇まいを放っている。ハウス・ミュージックだけではない、スローにどっしりしたリズムを刻むダウンテンポ調の"Factory 141"ではヒスノイズ風な音響も混ぜつつ、極めて単純ながらも耳に残るメロディーを反復させて昼下がりの夢現な体験へと導く。前述の横田進との近似を挙げるのであれば"Low Sentiment"が妥当だろうか、ゆったりとしたダウンテンポに合わせて澄んだシンセのコードが浮かぶように揺蕩い、数少ない音の構成により音の間さえも美しく感じられる程に控え目ながらも優美さがある。濁りや雑味は取り除かれ、最小限の無駄の無い音の構成により磨き上げられた美しいハウス・ミュージック〜ダウンテンポは、その響きやスタイル自体が最新のものではないだろうが、しかしタイムレスという表現が相応しい程に制作から時間が経過していても全く色褪せてはいない。



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| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ewan Jansen / Trinidadian Deep - Various Vol.1 (Chubby!:CHUB-001)
Ewan Jansen Trinidadian Deep - Various Vol.1

オーストラリアはシドニーを拠点とするパーティー/ポッドキャストであるChubby!がレーベルとしての活動を始めたそうで、その第一弾は耽美なディープ・ハウスを手掛けるオーストラリアのEwan Jansen、そして同様に耽美かつアフロなディープ・ハウスを武器とするTrinidadian Deepの二人によるスプリット盤だ。そして特筆すべきはデトロイトのベテランであるMike Grant、そして再評価を受けるジャパニーズ・ハウスの先駆けであるMissing SoulことMr. YTがリミキサーとして参加しており、つまりハウス・ミュージック好きな人にとってはその参加しているアーティストだけで十分に魅力的と言える一枚だ。Jansenによる"Plants"はスムースかつ芯のあるハウスの4つ打ちに合わせて透明感溢れる優美なパッドを伸ばし、輝きを含んだゴージャスなシンセのメロディーを配して、徐々に勢いを付けて飛翔するように壮大さを増していくハウスで、豊かに装飾されながらもけばけばしくはなく彼らしいエレガンスが光っている。対してGrantがリミックスをした"Plants (Mike Grant Remix)"はしっとり落ち着いた4つ打ちに抑えつつムーディーなエレピのコード展開を軸に控え目にシンセ等も散らし、より内向的と言うか豪華さを包み込んで控え目にする事でより耽美な空気が程良く発せられており、大人のディープ・ハウスと言った趣きは官能的ですらある。一方でディープ・ハウスという同じスタイルながらもアフロなパーカッションが印象的なTrinidadian Deepによる"Move Me"は、また彼が得意とするオルガンのソロが自由に大空を飛び回るように躍動し、鮮やかなパッドと絡み合いながら爽快な風と情熱的な空気を吹かせる。そして昔ながらのジャジー・ハウスを得意とするMr. YTによる"Move Me (Mr.YT Remix)"は、オリジナルよりも更に硬いパーカッションを弾けさせ新鮮かつ大胆なエネルギーの感じられるリミックスに仕上げており、同じパーカッシヴな味付けでもアフロではなく何処かジャジーな雰囲気があるのはやはりMr. YTの個性が故だろう。おおよそどの曲も目新しさや流行とは無縁で、それどころか各々の個性に沿ってオーセンティックなハウスを尊重したような作風は、しかしその力量があるからこそ時代に関係なく聞ける質がある。これぞディープ・ハウス。



Check Ewan Jansen & Trinidadian Deep
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Ron Trent vs. Lono Brazil vs. Dazzle Drums - Manchild (In The Promised Land) (BBE:BBE443SLP)
Ron Trent vs. Lono Brazil vs. Dazzle Drums - Manchild (In The Promised Land)
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シカゴ出身、The Beastie Boysをはじめ多くのヒップ・ホップやR&Bの制作に携わり、またハウス・ミュージックの広がりに貢献したとされるLono Brazil、そして同じくシカゴのディープ・ハウスの重鎮であり現在も尚一向に勢い収まらずに新作を大量にリリースしつつDJとしても世界各地を飛び回るRon Trent、そんな二人による新作が到着。そして何と日本からはDazzle Drumsがリミックスとして参加したという点でも話題性があり、ハウス・ミュージック好きな人にとっては見逃せない一枚だ。元となる曲自体はBrazilによるものだが、それをTrentやDazzle Drumsがそれぞれ手を加えたようで、"Ron Trent Full Vocal Version"の方は完全にTrent色に染まっておりもはやリミックスというか彼の新作と呼んでも過言はないだろう。Brazilの音楽性については詳しくないので曲にどれ程の影響が反映されているか知る由もないが、囁くようなポエトリーや大空へと響き渡る爽快なアフロ・パーカッション、そして透明感のあるシンセの下に滴るような耽美なピアノも添えて、アンビエント性や浮遊感のあるディープ・ハウスは正にTrentの個性だ。10分以上にも渡り重力から解放されて空を飛翔するような幻想的なアフロ・ジャーニーは、爽快かつ優雅で体が揺れながらも心はリラックスされる。対して"Dazzle Drums Dub"もアフロなパーカッションをふんだんに用いながらもそれはより硬質で、リズム感もかっちり硬い4つ打ちでビート感が強めに出ているが、妖艶なシンセや笛の音色のようなメロディーが入ってくるとヨーロッパ的なテック・ハウス感も現れてきたりとモダン性を伴っている。どちらのリミックスもアフロ・グルーヴという点では共通項を持ちながら、しかしそこにそれぞれのアーティストの個性が正確に反映されており、パーティーでも時間帯や屋内/屋外といった使い分けもしっかり出来る内容になっている。



Check Ron Trent & Lono Brazil & Dazzle Drums
| HOUSE13 | 14:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Mike Dunn - My House From All Angles (Moreaboutmusic:MAMBB001)
Mike Dunn - My House From All Angles

何があったのか昨今のシカゴ・ハウスに於ける名作のリイシューラッシュの勢いは驚くべきもので、Dance ManiaやTraxにChiwax等含む多くのレーベルから数え切れない程に過去の作品の掘り起こしが行われている。そんなシカゴ・ハウスが賑わう状況で2018年にはそのレジェンドであるLarry HeardことMr.Fingers名義のアルバムが24年ぶりに発表された事は記憶に新しいが、それにも負けないのが2017年の年末にリリースされたMike Dunnによる2ndアルバムである本作で、こちらは何と1990年以来の27年ぶりのアルバムになる。Dunnはシカゴ・ハウスの黎明期から活動するDJでゲットー地区生まれと言う事も影響しているのか、そのTB-303やTR-808を用いたアシッド・ハウスは荒々しく正にジャッキンなもので、それだけに留まらず数々の変名を用いてガラージやディープ・ハウスにも取り組んでいたが、アルバムを制作しなかったのはやはりDJツール的な音楽性が故だったのだろうか。しかし本人曰くやる気とアイデアが湧いてきたそうでこのアルバムへと繋がったのか、そして久しぶりのアルバムと言う事もあるのか不穏なアシッド・ハウスだけではなくボーカル・ハウスや流麗なテック・ハウス気味の曲もあったりと、ベテランとしての集大成的な構成にはただ野蛮なけではなく完成されたベテランとしての貫禄が漂っている。出だしの"Acid Rush"はうねるアシッドのベースが古典的なアシッド・ハウスではあるものの、魔術的な呟きの導入もあってか激しいと言うよりは催眠的でアシッドの幻惑的な効果が打ち出されている。"Body Muzik"もファンキーなボーカル・サンプルや呟きが用いられており、こちらはよりラフなハイハットやリズムの鳴りがジャッキンに響いており、オールド・スクールでB-Boy的だ。だがアルバムは進む毎に多様な表情を見せるようになり、4曲目の"DJ Beat That Shhh"ではMD X-Spressをフィーチャーして野暮ったくもどこかメロウな歌とスカスカなリズムのヒップ・ハウスを聞かせ、"Have It 4U Babe"では切り刻んだようなサンプリングやディスコなベースラインを用いて熱量あるソウルフルなハウスを展開し、"Modulation"に至っては潜めるようなアシッドを混ぜながらも快楽的で美しいシンセのリフがモダンで洗練されたヨーロッパ的な雰囲気のテック・ハウスを匂わせており、Dunnに対する古典的なアシッド・ハウスのアーティストという間違ったイメージを正しく塗り替える。それでも尚安っぽくて垢抜けなくも狂気が滲むアシッド・ハウスの魔力は魅力的で、その後にも"Move It, Work It"のようにたどたどしいTR系のリズムとねちっこいTBのアシッドなベースの単純な構成のシカゴ・ハウス等も用意されており、長い経験から生まれた幅のある豊かなハウス・アルバムでありつつアシッド・ハウスというルーツは変わっていない。久しぶりのアルバムだからと言って甘い評価は必要なく、シカゴの重鎮としての力量が爆発したファンキーな一枚だ。



Check Mike Dunn
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Akufen - Music 2 Wiggle 2 (Telharmonic Texture:TTX003)
Akufen - Music 2 Wiggle 2

ぶつ切りサンプリングを特徴とするマイクロ・サンプリングの先駆者であるMarc Leclairによるメイン・プロジェクトのAkufen、一年ぶりの新作はJeff Samuelが新たに設立したTelharmonic Textureのカタログ3番となる。一時期病気によって活動を停止していたのも今や昔、昨年の『EP』(過去レビュー)でも初期にも負けず劣らずなぶつ切りサンプリングを用いて面白くもファンキーなグルーヴを作り出していたが、本作でもその流れを引き継いで様々なサンプリングを盛り込みながらコミカルな面白さのあるハウストラックを披露している。"The Sketchiest Sandwich In Town"はマイナー調のややどんよりムードのコード展開から始まるが、線の細いリズムは軽快に踊り回るように跳ねて序盤から体を軽々と揺らす。細かいボーカル・サンプルや細切りになった音のサンプリングが丹念に編み込まれ、オルガンの音やうねるベースラインに可愛らしいシンセのメロディー等がかわるがわる現れてどんどん拡張する展開は、手の平からするすると抜け落ちていくように飄々としており、Akufenにしか成しえないフュージョン・テック・ハウスか。"I Love To Wiggle"はそのタイトルを呟くボーカル・サンプルを用いて生っぽいジャジーなリズムを軸に、ファンキーなギターカッティングらしき音や怪しくも色っぽいキーボードの旋律でループさせながら引っ張っていくミニマル的な構成で、生っぽい音質による生温い温度感が蒸し暑い夏にもぴったりだ。"Ritalin Swing"は鍵盤らしきリフのループに吐息のようなボーカル・サンプルを連続させて軽い爽やかなムードだが、オーボエらしき笛の音色も加わってくると妙な高揚感に包まれ、更に輝きを放つゴージャスな展開へと雪崩れ込むなどドラマティックな展開も待ち受けており、フロアをあっと沸かす事も出来るような構成だ。どれもAkufenらしい細切れのサンプリングを用いて繊細ながらもファンキーなグルーヴが走っていて、流石この種の音楽の先駆者としての自信に満ちあふれている。



Check Akufen
| HOUSE13 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Odeon - Galaxies (Edizioni Mondo:MND008)
Odeon - Galaxies
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60年代のモンド映画に触発されハウス・ミュージック側からライブラリー・ミュージック的な音楽を手掛けるEdizioni Mondoは、まだ発足から僅か5年程ではあるものの現在のバレアリック・ミュージックとも共振しながら単にダンスのためだけではない豊かな風景を換気させるような音楽性を持っている。目下レーベルの最新アルバムである本作はローマからLuciano & Valerio RaimondiとMichele & Giacomo Righiniの二組の兄弟による4人組のユニットであるOdeonによるもので、このユニットは過去にも同レーベルから2枚のEPをリリースしており、サイケデリックなロックや夢のようなコズミック・ディスコに微睡みのアンビエント性を咀嚼して、基本的にはリスニング志向ながらもロードムービーのように音楽が旅情を描写するような音楽性を披露している。アルバムでは特にそんな音楽性が活かされる事になっており、霞の奥に消えていくような4ADを思わせるサイケデリックながらも甘美なビターのディレイが特徴のロック風な"Recovery"で始まり、続く"Landing"も同じ幻想的なギターを前面に出しそこにぼやけたシンセのドローンやコズミックなSEを導入して、序盤から夢の中を旅するような心地好い陶酔の世界へ。"Parsek"は溜めが効いたロックなリズムとディレイされたボーカルに惑わされ、"Fauna"ではビートは消失し鳥の鳴き声や波の音などを用いたフィールド・レコーディングで一旦息を入れつつ、そして甘美なギターのアルペジオによってどんよりとしたメロウな雲に包まれる"Capricorn"は特に幻夢なサイケデリック性が強く、途中のアンビエントな展開もあって意識も朦朧とするようなドリーミーな世界観だ。終盤には先行シングルの"Rocket Launch"も収録されており、もはや70年代プログレッシヴ・ロックとディスコがミックスされたように、轟音ギターから甘く透明感のあるギターの変化する展開や静と動が切り替わる大胆なビートの変化など躍動感のあるダンス・ロックが、4人組でライブ演奏しているようなダイナミズムを打ち出している。アルバムという大きな作風だからこそ彼等の心情の変化を描き出すような展開の大きさが活かされており、最初から最後まで夢と現実の狭間を進むようなサイケデリックな世界を堪能する事が出来るだろう。



Check Odeon
| HOUSE13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |