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FRKWYS Vol.15: serenitatem
FRKWYS Vol.15: serenitatem (JUGEMレビュー »)
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Jon Hassell - Listening To Pictures (Pentimento Volume One) (Ndeya:NDEYA1CD)
Jon Hassell - Listening To Pictures (Pentimento Volume One)
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幾つになっても枯れない意欲と才能があれば素晴らしい音楽は生み出せる、そんな事を成し遂げた分かりやすい一例が本作。81歳という高齢のJon Hassellはトランペッターかつコンポーザーであり、Terry Rileyらの現代音楽やミニマル・ミュージックに影響を受けつつインド古典音楽にも傾倒し、古典と未来を繋ぐ試みを行う事になる。それが結実したのが電子音楽を嗜む方面からは有名なBrian Enoとの共作である1980年の『第四世界』で、今でこそ珍しくないアコースティックと電子的トリートメントの融合による何処でもない民族的音楽と呼ぶべきアンビエント・ミュージックを成し遂げていた。その後の長いキャリアについては割愛させて頂くが様々なアーティストとのコラボーレーションも含め活動は継続しており、そしてECMからの2009年作である『Last Night The Moon Came Dropping Its Clothes In The Street』がそれまでの最新作であった。それから9年、その間に電子音楽の界隈ではアンビエント・ミュージックやニュー・エイジの再考と再評価のサイクルへと突入し、今その音楽は再度春を迎えている。そんなタイミングに丁度良く完成した本作は現在のトレンドにもなっているアンビエント・ミュージックの中に自然と溶け込む存在感があり、恐らくHassell自身は最近の音楽を意識したわけでもないだろうから、つまりは時代がHassellに追いついたという事なのだろうか。始まりの"Dreaming"こそ幻想的なシンセのコードラインにぼんやりとしたトランペットが溶け込む正に夢のアンビエントだが、敢えて生音を強調する事もなく電子音楽の質感に寄らせ、アブストラクトさもある現代アンビエントを展開。しかし次の"Picnic"からは特異性が現れ、チョップしたようなIDMらしきリズムや振動するシンセが躍動し、またピアノやベースにドラム等の生演奏も加わってはいるが、やはり全体像は電子音響に染められてメランコリーながらもぼやけた世界に沈み込む。繊細な電子音の上モノが美しくループも用いてミニマルでもある"Slipstream"は、しかしダビーなパーカッションやHassellによる酩酊したトランペットはエキゾチックな匂いを誘発し、古典音楽からの影響が強く表現されている。"Al-Kongo Udu"もタブラらしきパーカッションが心地好いリズムを刻むエキゾチック色濃い曲で、そのリズムのループとパルスのような電子音の持続によって刺激的な催眠効果が発するが、中盤以降のコラージュらしき電子音響に変容する展開に最新のエレクトロニック・ミュージックとの親和性を見つける事が出来る。アルバムはアンビエントでありながらもリズムへのこだわりも強く、"Ndeya"ではパンチの効いたキックやノイズのような電子音が変則的なリズムを刻み、そこに奇怪なバイオリンやトランペットもメロディーとしてというよりはムードとして存在するように鳴りながら、刺激と穏やかさが同居したアンビエントを奏でている。スリリングな電子音や幽玄なアコースティックな響きに生命の胎動のようなリズム、それらが一つとなったエクスペリメンタルかつアンビエントな音楽は、本当に81歳の人が作ったのかと疑う程に現在の電子音楽のシーンの中に違和感無く存在する。2018年のレビューには間に合わなかったが、年間ベストに入れたかった傑作の一枚だ。



Check Jon Hassell
| ETC4 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Museum - Sandra (Indigo Aera:AERA023)
Museum -  Sandra

デトロイト・テクノのエモーショナル性と共振しながらヨーロッパ的な洗練されたモダン・テクノを送り続けるIndigo Aera、そのレーベルの最新作は過去にも同レーベルからリリース歴のあるMuseumによるもの。MuseumはRadialとしても活動するJeroen LiebregtsとAnton Pieeteによるユニットで、それぞれ長いキャリアを持ちソロ活動や過去のMuseum名義ではMarcel Dettmann RecordsやDrumcodeにRejectedやOvum Recordingsからもリリースしていた事からも分かる通り、ハードで機能的なテクノの音楽性が強く一見Indigo Aeraとの親和性については不可解と思う点もあるかもしれない。しかし蓋を開けてみれば90年代前半のデトロイトにあったミニマル・テクノとエモーショナルなテクノの自然な融和が成されたテクノが詰まっており、Indigo Aeraらしい叙情性に寄り添いながらMuseumのハードな作風を貫いている。冒頭の"Plex"はこん棒で乱打するようなキックやカチカチしたパーカッションがハードさを演出しているが、途中からはコズミック感と躍動感を伴うシンセの旋律によってデトロイト・テクノらしくなるメロディアスなテクノで、疾走する勢いもあって非常にフロア映えするであろう曲だ。それに対し変則的なリズムで揺らぎを作る"Sandra"はやはり動きの多いシンセが控えめに叙情性を匂わせて、シンセの音自体もリズムとなって軽く跳ねるようなグルーヴを刻む事でツール性も強く表現されている。"Cafe"は例えばPurpose Maker路線のトライバル感もあるリズム感がファンキーなテクノで、ミステリアスなシンセの使い方は近年のスペーシーな路線のJeff Millsを思い起こさせる一面もあり、やはりデトロイトのテクノへのシンパシーが感じられる。"Sum"はデトロイト・テクノがダブ化したらこんな曲だろうか、切れ味鋭いリズムと音の隙間を目立たせながらダビーなシンセを用いる事で空間の広がりを感じさせ、EPの中では地味な作風ながらも機能性を体現している。結果的にはIndigo Aeraらしさ、そしてMuseumらしさのその両方のいいとこ取りな音楽性が表現されており、どれもフロアで耳を引き付ける魅力を持っている。それはデトロイト・テクノ好きにも、そしてモダンなテクノが好きな人にとっても訴求する。



Check Museum
| TECHNO14 | 22:30 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Waveguide - Venera EP (WAVEGUIDE:WAV.G002)
Waveguide - Venera EP

日本を飛び出しベルリンへと移住して(現在は更にリスボンで活動中のようだ)海外を拠点に活動しているKen SumitaniことSTEREOCiTI、当初の活動はベルリンはMojubaからの幽玄かつ仄かの情緒を忍ばせたディープ・ハウスな作風が特徴だったが、海外での音楽環境から受けた影響はテクノへと歩みを進ませる事になり、2017年には遂にモダン・テクノへとフォーカスしたWAVEGUIDEを設立していた。そしてそんなレーベルが遂にはアーティスト名にもなったレーベル第二弾が本作、『Venera EP』だ。テクノを送り出すレーベルがそのままアーティスト名になったのだから、よりハードなテクノ性が押し出される事となり、過去の作風と比べても非常にツール性の高いミニマルなモダン・テクノが出来上がっている。特にタイトル曲となる"Venera"、変則的なぶれるキックに鋭いハイハット、そして金属的なパーカッションの連打が組み合わさり、荒廃した闇の中を猛スピードで駆け抜けるトラックだが、中盤からは幽玄な上モノとヒプノティックな反復音も加わって、ミニマルな持続感を伴いながら深く潜っていくような感覚もあるハイエナジーなテクノだ。"Zond"はつんのめったリズム感でグルーヴは抑制されながらも、金属的な音のループと奥で鳴っているようなダビーなパーカッションを前面に打ち出して、奇矯な効果音も時折折り込みながらリズム重視で引っ張っていく作風で、より感情性を排してツールとして特化させている。"Rosetta"になってくると冷えたハイハットのリズムと唸る低音のベースライン、そしてサイケデリックかつミステリアスな上モノの音響が相乗的にインダストリアルな雰囲気を生み出しており、昔のハードミニマル全盛時代から派手さは削ぎ落として骨太さのみを残したようなハードさが伺える。"Philae"はチキチキと粗い質感のハイハットと落ち着いたキックの4つ打ちが平たいリズムを刻んでいるが、それに合わせて抽象的に鈍くうねる金属的な電子音響がアブストラクトな空気を作り、その不明瞭な響きがサイケデリック性に繋がるこれもDJツール。本作以前からもテクノ化の傾向は見られたものの、本作によってその志向は完全に達成され、そして新たWaveguideなる名義となったのも納得の路線。全く過去のSTEREOCiTIとは異なるものの、小手先の音楽ではなく本気でテクノを歩もうとしているのが感じられる。



Check STEREOCiTI
| TECHNO14 | 21:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Papeete Sun - Pacific Soul (Voodoo Gold:VG 007)
Papeete Sun - Pacific Soul

顔面がコラージュされた怪しいジャケットだけを見ては食指は動かないが、試聴をしたところローファイながらもLarry Heardばりの憂いに満ちた切ないディープ・ハウス路線に魅了され、即座に購入を決意した一枚。Papeete Sunなるアーティストについては全く耳にした事がなかったのだが、オランダのエレクトロ・レーベルであるVoodoo Goldからのリリースであり、Voodoo Gold自体がAmazon ClubやAquarian MotionにJeremiah R.といったMarvis Deeの変名の作品をリリースしている事から、どうやら本作もMarvis Deeの変名活動の一つのようだ。様々な変名を用いて膨大な作品をリリースしているDee、切れ味鋭いオールド・エレクトロから情緒の強いシカゴ系のディープ・ハウスにアンビエントな雰囲気やテクノの質感も伴っていたりとその名義の広さと比例して音楽性も幅広いが、どれもオールド・スクールなリズム・マシンの味わいという点で共通項を持っている。さてこのPapeete Sun名義でのデビューアルバムは前述の通りシカゴのディープ・ハウス路線の音楽性が強く、冒頭の"Island Sunset"はビート無しの幽玄なシンセパッドが望郷を誘うアンビエントな曲で、静かな幕開けとして雰囲気を作っている。続く"Pacific Soul"では乾いてカタカタとしたTR系のリズムも入ってきて早速シカゴ・ハウスを見せつけ、そこにHeardばりの胸を締め付けるような切ない感情性豊かなシンセのメロディーも入ってくれば、この時点で心は鷲掴みされるだろう。続く"Life"も全く同じ路線で安っぽいリズム・マシンによる4つ打ちのビートが空虚に響き、そこに悲しみに黄昏れるようなシンプルなコードラインの上モノを配して、メロウさを際立たせたディープ・ハウス。"Exploring Rivers"はややダウンテンポにも寄り添った落ち着きのあるビート感で、シンプルなコード展開とほのぼのとしてベースラインも相まって穏やかさを演出している。裏面も対して大きな変化はなく、"Voices In Your Head"はチャカポコなパーカッションが爽やかに響く中をドリーミーなアナログシンセが夢現な幻想に浸らせるように鳴り、これもいかにもHeardらしいアンビエント感あるディープ・ハウスだ。そして荒れた質感のリズムにスリージーなシカゴ・ハウスらしさが現れている"Expedition"はほんのりと情緒漂うシンセのメロディーも効いていて、悪びれた激しさの中にも優しさが感じられる。最後の"Voices From The Past"ではアルバム冒頭に戻ったかのように再度リズムは無くなり、アンビエント感に満ちたシンセが揺らいで霧に包み込むように微睡みながら消えていく。LPで9曲と実質アルバムとしての作品なのだろう起承転結らしい流れがあり、また1曲1曲がリスニングとダンスのバランスをとったそつのない作りで、この名義でのデビュー作ながらも非常に聴き応えのあるアルバムだ。古典的なディープ・ハウスやシカゴ・ハウス好きな人には、有無を言わさずお勧め出来る。



Check Papeete Sun
| HOUSE14 | 10:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Powder - Powder In Space (Beats In Space Records:BIS036)
Powder - Powder In Space
Amazonで詳しく見る(アナログ盤)

2015年のESP Instituteからのデビューに始まりBorn Free RecordsやCockTail d'Amore Musicからの作品もヒットかつ高い評価を獲得しているPowder。今では世界各地のパーティー/フェスにも出演するなど、今日本の若手アーティストの中では最も勢いがあり期待が注がれているアーティスト、それがPowderだ。久しぶりとなる新作は人気レーベルのBeats In Spaceからで、何でも新ミックスシリーズ立ち上げとなる初作からのシングルカット的なEPだそうだ。勿論このレーベルからでもPowderらしい個性的で踊れる電子音楽は変わらず、より一層Powderの特異性を強めてその評価を着実なものにする事は間違いないだろう。新曲は2曲のみだが、どちらもユニークかつ間違いなくフロアで戦力となる性能を秘めている。"New Tribe"は既に先日パーティーでプレイされているのも体験したエグい曲で、鞭打つ痺れるリズムに鈍くうねる電子音のループがビートを叩き出すダークで緊張感が張り詰める雰囲気があるが、薄っすらと女性のウイスパーボイスも聞こえたり爽快な電子音の上モノが壮大に覆っていきながら、徐々に宇宙へと飛び立っていくようなスケール感の大きさによって間違いなくフロアを沸かすキラートラックに成り得る。対照的に"Gift"は序盤から泡が弾けるような可愛らしい電子音のループに合わせずっしりしたキックの4つ打ちが安定感を生み出しており、そこに入ってくる透明感のある水彩画風なシンセの旋律が和んだ牧歌的ムードに染めて、軽やかなダンスのグルーヴに大らかさを感じて天真爛漫な無邪気さが感じられる。裏面には前述のMIXCDに収録されている曲から2曲が収録されており、その内のDaphneによる"When You Love Someone (Groove Instrumental)"は1993年作の古典ディープ・ハウスで、弾性のあるビート感が走りつつヴィブラフォンや鍵盤を用いたムーディーな上モノによっていかにもな時代感を閉じ込めた名曲。そしてもう1曲はSamo & Hidden Operatorによる新録となる"Capture Behind Rox"、低音が効きロウな質感による溜めのあるリズムが変則的ながらも、素朴な響きによるエモーショナルなシンセも相まってじわじわと引っ張られ、ダビーなボイスサンプリングなども効果的に用いて惑わすようなトリッキーさが面白い。Powderの素晴らしい新曲と他の2曲も合わせてどれもDJMIX仕様は前提として個性やクラシカル性があったりと、文句無しの出来栄えでテクノ/ハウスの両面から推したい一枚だ。



Check Powder
| TECHNO14 | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |