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Anthony Child - Electronic Recordings From Maui Jungle Vol.2
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ハワイはマウイ島のジャングルにモジュラーシンセを持ち込んで、自然との一体感の中でインプロビゼーション的に制作を行ったVol.1から1年、その第2弾が早くも到着した。制作はUKハードテクノの重鎮であるSurgeonことAnthony Childで、ハードテクノのみならずアンビエントやドローンの音響にも長けている彼だからこそ、決してハードなだけではない聞かせるテクノに対しても小手先にならずに前作で環境音と調和したライブ感溢れるテクノを披露していた。特にキモとなるのがここ数年復活というか流行りになっているモジュラーシンセを用いた制作環境で、その機材に魅了されたChildはDJプレイにもそれを持ち込んでDJとライブの狭間にあるような挑戦も行っており、その延長線上にあるのが大自然の開放感の中で制作をするという本シリーズなのだろう。モジュラーシンセの規格故に本作もVol.1と作風は大きく変わらずシンセのモノフォニックでアルペジオを多用した旋律、そして背景にはジャングルで録音されたであろう虫の鳴き声や鳥のさえずりにしとしとと降り注ぐ雨音に木々のざわめきまで流して、フィールド・レコーディングの手法を用いてドローンやアンビエントを展開している。オープニングに用意された"Open Channeling"は早速虫の鳴き声を用いつつミニマル的な反復のアルペジオのシンセが鳴らし、少しずつ変化を導入しながらアルバムの流れへと引き込むような催眠の効果が働いている。"Old Technology"も同様に虫の鳴き声が浮かび上がりジャングルの中にいるような錯覚を覚えるが、メロディーはより抽象的になる事でドローンとしての作用が強くなり、シンセと自然音の一体感が打ち出た事で空間の広がりに繋がっている。ラストの"Farthest Known Object"はおどろおどろしいドローンと共に複雑な電子音が星の煌きのような始まり方だが、次第に奇怪な電子音がパルスのように響いては引く波のように消え、そこから森林の生命の営みの響きが立ち上がってくる事でジャングルという大自然のへの回帰を示唆している。モジュラーシンセという原始的な機器を原始の森に持ち込み、その場の開放的な空気を肌に感じながら録音された本作は、決して複雑な作品ではないがインスピレーションを元に生まれた大自然が広がるサウンド・スケープだ。とは言いながらも作風としては出来上がっておりこれ以上の進化は無いだろうし、コンセプトありきのシリーズとしては本作で打ち止めでも十分ではないかと思う。



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| TECHNO13 | 13:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Various - Dance 2017 (Secretsundaze:SSXCD004)
Various - Dance 2017
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Giles Smith & James Priestleyによって主宰されているロンドンのSecretsundaze、同名のサンデー・アフタヌーン・パーティーとしても定着しているパーティー兼レーベルは、今までにその二人によってパーティーの雰囲気をパッキングしたであろうMIXCDをリリースしてきたが、この度初のレーベル・コンピレーションを纏め上げた。彼等の説明に拠れば「'80年代後期から'90年代かけてのダンスコンピレーションのタイトルに因んで付けた」との事だが、その内容は90年代とはかけ離れた現在のテクノやハウスを収録しており、一部の曲を除いてレーベルが過去に発表した曲の編集であるから正にレーベル・ショーケースなのだ。レーベルから3枚のEPをリリースしている事から特に信頼を得ているであろうEthyl & Floriは、音数を絞ったハウシーな4つ打ちに憂いを感じさせるエレピを展開させた”Shelter"を提供しており、非常にシンプルではある作風だが丁寧に情緒的な空気を作っている。今や売れっ子の一人であるハウスDJのBrawtherによる"Spaceman Funk (Deep Club Mix)"も同様に無駄の少ないハウスだが、こちらは跳ねるような軽快な4つ打ちに疾走感がありその上でふんわりとした浮遊感ある上モノを被せる事でよりグルーヴの走りが強まっている。Wbeezaによる"Ferguson"は特に勢いのあるツール的な曲で、これもハウシーな4つ打ちではあるもののカチッとした硬いリズム感で疾走する意外にもハードさもあり、ミニマルなトラックとの相性も良さそうだ。喜ばしい事に未発表も収録されており、エグいアシッド・サウンドが侵食しつつ情緒的なストリングスで仄かに優美さの映えるディープ・ハウスの"Baia 2012 (Aybee's Solar Dub)"や、またネタとして有名な"Little Sunflower"をサンプリングしたFred Pによる花弁が静かに花開くような優雅さを聞かせるハイテックな"Trust"と、これらもSecretsundazeのアーバンかつモダンな作風が根付いている。他にも激しくビートが躍動するテクノや朗らかなムードが広がるジャジー・ハウスも収録されており、思っている以上にジャンルとしての幅は広いもののレーベルの音に対する確かな嗅覚を感じ取れるであろう良作揃いで、流石15年以上も同名パーティーを続けているだけの経験に培われた音楽センスだ。尚、Disc2は曲順も同じままに軽くミックスされた物だが、これは特に必要性はないのでは?と思う。



Tracklistは続きで。
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| HOUSE12 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
2017/4/29 Choutsugai presents Harvey Sutherland Japan Limited Album Release Party @ Circus Tokyo
2016年の初来日から1年、オーストラリアはメルボルンの昇り龍であるHarvey Sutherlandが待望の再来日を果たす。昨年と同様にCHOUTSUGAIのパーティーに出演となるものの、今回は前回と変わりオールナイトでの開催となり、更に日本からはトラックメーカとして海外でも名を馳せるTakuya Matsumoto、Xtalのディスコセット、ブロークンビーツからブギーなディープ・ハウスにはプレイに定評のあるSayuriらも集結し盤石の体制だ。
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| EVENT REPORT6 | 12:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
TC80 - Vestiges Of Fools (Cabaret Recordings:CABARET 010)
TC80 - Vestiges Of Fools

日本から世界へ、アンダーグラウンド性の高いミニマルな楽曲性を追求して確かな評価と人気を獲得しているCabaret Recordings。dj masdaとSo Inagawaによって運営されているこのレーベルは、アナログでのリリースに拘り配信も一切行わないが、多くのテクノ系のDJを魅了してこのご時世にもかかわらず比較的多めにプレスされながらも販売から直ぐに売り切れになる程の人気だ。基本的にはDJが使うためのツール性の高い音楽である為にアルバムよりもEPに力を入れているが、珍しくフランス人DJのTC80が手掛けた本アルバムが2016年にリリースされた。しかし単にミニマルなだけのアルバムと思っていたら、そんなレーベルに対する思い込みは誤りであったと気付かされる。実際にCabaretのパーティーに参加している者であればエレクトロやブレイク・ビーツもプレイされていた事を身をもって知っている筈で、そこからの流れで本作を聴くとあぁなる程と納得するようなレーベルの多様性を感じ取れるだろう。タイトル曲である"Vestiges Of Fool"からして端的にそれを表現しており、音の数を絞りミニマル性を強調しながらもリズムは変拍子を刻み、ベースの動きや情緒的な上モノによって雰囲気を作っていくミニマル・ハウスは、確かな機能性とそれだけではないリスニングとしての面を兼ね備えている。"Seed"も微かな上モノや奇妙な効果音が漂っているものの、リズムは更に複雑かつ鋭角的になり刺激的なエレクトロ調を強め、"Shadhahvar"でもつんのめるようなブレイク・ビーツに怪しさ漂う電子音のエレクトロで闇を誘う。エレクトロとブレイク・ビーツの探求が最も強く出た"Interfaces"は、そのピコピコな電子音や生々しいビートからデトロイト・エレクトロさえも思わせるが、それでも尚ミニマルなトラックとの親和性を持っているのがCabaretらしい。アルバムの中で唯一の端正な4つ打ちを刻む"Chrono Trigger"、そのスタイルもあってすっと流れるようなすっきりしたグルーヴと控え目にメロウな上モノによって、朝方のフロアにもはまりそうな穏やかな響きをするミニマル・ハウスだ。フロアを意識したツールとしての機能性は前提にありつつ、しかし曲そのものを聞くリスニングとしての質もあり、アルバムとしてリリースされたのは適切だろう。Cabaretのレーベル性を理解するに相応しいアルバムだ。



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| TECHNO13 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Harvey Sutherland - Harvey Sutherland (Music 4 Your Legs:MFYLR002)
Harvey Sutherland - Harvey Sutherland
Amazonで詳しく見る(日本盤)

日本への再来日ライブが間近に迫っているオーストリラリアはメルボルンのHarvey Sutherland。何と言っても2015年にMCDEからリリースされた『Bermuda』でのシンセブギーな作品でその知名度を一気に高めて、今や世界各地でDJではなくライブアーティストとしてツアーを行う程になっている。残念ながらアナログ中心でのリリースのため聞く機会が少なかった人もいたであろが、ここ日本では幸いな事に今までにリリースされたアナログから8曲を纏め、更に未発表曲2曲を追加して本アルバム化された。本人はキーボードをプレイする演奏家であり、最近ではドラマーや弦楽器奏者とのセッションも行う事でより昔のブギーなディスコ色を強めて、現在の機能的なダンス・ミュージックとの親和性もありながらソウルフルな感覚を生み出している。特に近年の曲になればなる程その楽曲性の豊かさは増しており、生ドラムを導入した"Bravado"はヴィンテージなアナログ・シンセの艶のある音色も気持ち良いものだが、途中からゴージャス感を強めてシンセ・ファンクやディスコのバンド風な一体感を見せて盛り上がっていく展開は実に華々しい。MCDEからリリースされら"Bermuda"も光沢のあるシンセに耽美なエレピにストリングスなどふんだんに艶のある音を用い豊かな色彩を見せ、ジャジーなドラムが軽快なグルーヴを生み、うきうきとしたブギーな雰囲気に包まれる。ただプレイヤーではありながらも過剰に広げ過ぎない事も現在のダンス・ミュージックに沿う点であり、"Bamboo"でも美しい電子ピアノやざっくりした生のドラムを用いたジャジーな要素はあるが、シンセやドラムにしても基本は程々にミニマルな展開であり、そこからドラマティックに盛り上げていく構成の上手さがある。また未発表曲の"Lovenest"はいつ頃の作品かは不明だが、昔のディスコのダブ的要素も用いて他の作品とはやや毛並みが異なっており、落ち着いた空気の中にしんみりとした切ないシンセを加える辺りはHarvey Sutherlandのエモーショナル性が発揮されている。どれもこれも演奏家としての作曲性に裏打ちされたメロディーや構成と展開があり、当然ライブでこそ聞きたくなる豊かな音楽性を秘めているからこそ、こうしてアルバム化されて纏めて聞く事が出来るのはありがたい。素晴らしい企画作品である。







Check "Harvey Sutherland"

Tracklistは続きで。
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| HOUSE12 | 11:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |