Gui Boratto - Chromophobia (Kompakt:KOMPAKTCD56)
Gui Boratto-Chromophobia
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最近新譜の量が多すぎて買いそびれてしまう事が多く、コレもその中の一つ。レーベルはKompaktからで試聴した結果も良かったので早く買おうと思っていましたが、発売からいつの間にか2ヶ月も経ってしまいました。その間にびびんば氏のacid over the rainbow(レビュー)やNove氏のNove-lyze(レビュー)でも取り上げられて、高い評価を得ているようでございます。僕も早速聴いてみましたが、エレクトロハウスにミニマル、プログレなど流行の音を取り込んで、いままでのKompaktからは無かった風味が感じられます。Kompaktと言えばミニマル〜テックハウス中心だったのですが、Kompaktも時代の流れには逆らえないのかそれとも器用なのか、ちゃっかり流行の音に流れてしまったのにはちょっと考え物ですね。しかしKompaktらしいポップさも失われておらず、尚かつ神経に作用するドラッギーな音や反復とミニマルによる高揚感も有り、聴き易くもありますが飽きの来ない奥深いアルバムです。この手の流行に乗った作品は数多く乱造されても、さすがKompaktはその中に埋もれる事なく素晴らしい作品をリリースしてくれるので本当に安心出来ますね。リスニング系からフロアトラックまで一辺倒にならないよう曲幅を持たせてあり、これはまじで超お勧めです。モロにBorder Communityを意識した様な音で、むしろそっちからリリースされてもおかしくないね。



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| TECHNO4 | 21:30 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Vladislav Delay - Whistleblower (Huume:HUUME13)
Vladislav Delay-Whistleblower
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今は懐かしChain ReactionやMille Plateauxから深遠で極限までアブストラクナなテクノをリリースしていたVladislav Delayが、2年ぶりに新作をリリース。と言ってもその間にLuomo、Uusitaloなどのハウス名義でもリリースしているので、久しぶりって感じでもないですね。むしろ継続的に作品を作り続けているその意欲には、頭が下がる思いです。さてこのVladislav Delay名義ですが、相変わらず一本気質で明確なメロディーも無ければリズムも無いし、自分がどこに居るのかも分からなくなるような迷宮的音楽です。彼の出身であるフィンランドって寒い地方だと思うんだけど、一年中豪雪にでも覆われているのかい?景色が不鮮明だし色も霞んで灰色の世界しか聞こえてこなくて、どこにも逃げる事の出来ない閉塞的な感覚ですね。ミニマルだとかダブだとかそんなジャンルを通り越して、もはや言葉では説明出来ない尋常ならぬ音楽です。でも何度も聴いていたらいつの間にかズブズブの世界に引き込まれていて、不思議と安堵と落ち着きを感じていて妙な心地良さに包まれていました。使い方次第ではチルアウトの効果有りかも。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(0) | |
Fuse Presents Steve Bug (Music Man Records:MMCD028)
Fuse Presents Steve Bug
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テクノの定番MIXCDシリーズ・FUSEの最新作は、近年のミニマルハウス流行の中で大躍進を遂げたPoker Flatのボス・Steve Bugが担当しています。数年前まではそこまで人気無かった気がしますが、近年では現在の時流の音であり、またドイツを象徴する音でもあり、思ったよりも知名度も実力に追いついてきたなと感じます。この人は今までも何枚かMIXCDをリリースしているのですが、どれを聴いても強引に盛り上げる無理な展開は無く徐々に自分の世界に引き込んでしまう魅力があるんですね。本作も今までの路線を強襲したディープ目のミニマルハウス、テックハウスを中心に淡々としたミックスを披露しています。相変わらず派手な音は皆無で冷たさと暗さで一杯で、半ば秘めたる狂気さえも感じさせます。今作が面白いのはシカゴハウスのオールドスクールな曲を混ぜている事で、それらが最新の音と違和感無く並んでいるのはなんとも不思議ですね。ドイツの音と言うと不穏なアシッディーさも特徴なので、それらはシカゴハウスと相性が良いのかもしれないですね。正直この手のMIXCDが大量にリリースされ少々食傷気味ではありますが、やっぱりベテランのプレイと言う物は質が高いなと感心致します。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(2) | |
Joris Voorn - From A Deep Place (Green:GR101CD)
Joris Voorn-From A Deep Place
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テクノシーンを賑わせた超大作"Future History"(過去レビュー)から2年半、オランダのテクノ貴公子・Joris Voornがまたも大作を携えて帰ってきました。本作がリリースされるまでの間、テクノ、ハウスシーンに限られる事なく彼のトラックは何度もフロアを震撼させ、多くのクラバーを熱狂させてきました。前作からまもなく3年が経とうとしているのに一向に人気が衰える事もなく、それどころか多くの人が新作を期待し待ちわびていたのではないでしょうか。心配だったのは余りにもデビューアルバムが出来すぎていると次作で才能が枯渇してしまう事が多いのですが、Joris Voornに限ってはそんな心配は無用だったみたいです。

前作"Future History"が若い瞬発力を生かしていたとしたら、本作はそれに円熟味をかけたお決まり通りの新作と言えるかもしれません。元々新機軸など全く無い人なので本作もその通りなのですが、何故彼の音楽はこんなにも人を惹き付けるのか。お決まり的な王道テクノ、ともすればオールドスクールとも捕らわれかねないのに。そこにはメロディーを大事にしたメランコリックな旋律、透明感のあり美しいシンセのサウンド、クラブ・ホームに対応したアクセントのある展開があり、余りにも直球過ぎるが故にむしろ基本的な質の高さが前面に出て誰にでも受け入れられる作品となっているのではないでしょうか。デトロイトテクノやUKテクノの先人から影響を受けているとの発言通り、デトロイトのメランコリーと欧州の耽美さを兼ね備えており、テクノの良い所を全て吸収してしまった人なのかもしれません。多分彼のこの吸収力と理解力があれば、10年後も素晴らしい作品を作り続けて居る事は容易に想像しうるのでは。新機軸を求めない人以外には本作も当然聴くに値すべき作品であり、また長年聴くに耐えうるクラシックとなる事間違いないでしょう。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(1) | |
Dominik Eulberg - Heimische Gefilde (Traum Schallplatten:TRAUMCD19)
Dominik Eulberg-Heimische Gefilde
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ヒィヒィ(´д`;)最近の新譜のリリースの量ったら尋常じゃないもんでありまして、出費もきつければ聴く時間も足りないし、嬉しいのやら悲しいのやら。 しかもリリースされる新譜がことごとく高品質でありまして、どれもこれもお勧めな盤ばかり。そんで近年のミニマルハウス流行の中で、数々のアーティストがMIXCDで回しているのがこのDominik Eulbergです。彼も流行の一部とは言えなくもないのですが、その中でも一歩抜きん出ている存在でありまして、毒々しいベースラインはポストアシッドハウスを象徴し、パーカッシブで図太いリズムとヘロヘロな中毒性の高い上物が異常に恍惚感を誘う訳ですな。ぶっちゃけ余裕綽々な態度のジャケットにはちょっとむかつきますが、中身は相当にドゥープで底なし沼に一気にずぶずぶと足を踏み入れる様なヤバサがあります。既にリリースされたEPなどを使ったMIXCDと言う形態ですが自身の曲の合間に自然音や語りを挟んで、一曲毎に区分けされていてコンピレーションとも取れる企画盤。彼の最近の傾向を知るにはもってこいで、充分にジャーマンアシッド+ミニマルハウスと言う流行の音を堪能出来ますよ。最近はCocoon Recordingsからもリリースしたりしてるけど、個人的にはKompaktなどが好きな人向けにぴったりかなと思います。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(2) | trackbacks(1) | |
The Black Dog - Book Of Dogma (Soma Quality Recordings:SOMACD57)
The Black Dog-Book Of Dogma
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「教義の聖典」とでも訳せばいいのでしょうか、何やら随分と自分たちを奉る様なタイトルですね。それもそのはず90年代前半の輝かしきテクノ黄金時代で俄然注目を浴びていたThe Black Dogが、過去のレアなEPをまとめて2枚組にコンパイルしちゃったのだから大事件であります。つかその当時流行っていたAI(Artificial Intelligence)シリーズはUKが誇る最先端のテクノレーベル・Warp Recordsが先導していたのだけど、何故か本作はSoma Quality Recordingsがリリースしています。なんでだろう〜なんでだろう〜?それはさておき89〜92年頃までの作品を集めただけあって、流石に古臭さは否めませんね。僕は懐かしい音だなと感じますが、The Black Dogを初めて聴く人なんかは今の時代に合わない音と感じるのかな?でも複雑なビートから生まれるブロークンビーツと、幻想的なシンセ音の使い方とか、夢の中を彷徨う様なイマジネイティブな世界観など、やっぱり彼ら特有の音と言う物は本物です。デトロイトテクノがリヴァイバルしていた頃、The Black Dogもその波に乗りデトロイトに負けじとエモーショナルなテクノを創り上げていたのですね。デトオタは舌を巻くだろうし、綺麗目のテクノ好きな方は絶対に気に入るようなお手本的作品ですよ。しかしこれを今聴くと西ロンのブロークンビーツよりも、The Black Dogの方が全然早かったんだなーと感嘆します。恐るべしだ。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Two Lone Swordsmen - The Fifth Mission (Return To The Flightpath Estate) [Limited Edition] (Spiral Records:XQAW-1004)
Two Lone Swordsmen-The Fifth Mission (Return To The Flightpath Estate)
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連日紹介している「Electric Soul Classics」シリーズ第二弾もコレで最後、名プロデューサー・Andrew Weatherallが舵を取るTwo Lone Swordsmenの1stアルバムが再発です。彼の音楽性の広さはプロデュースやリミックス作品を聴けば分かる通り、テクノからハウス、ダブやエレクトロ、そしてブレイクビーツやなんとパンクまで本当に幅が広いんですね。ただ一貫して根底にあるのはアンダーグラウンドスピリッツと言うべき物で、ドロドロと闇の奥底で蠢き黒光りするソウルがあります。どんなジャンルの音楽を手掛けたとしても常にどこか影のある憂いを秘め、安易でコマーシャルな世界からは離れた位置に距離を置いています。彼がそんな姿勢を失わない限りは、きっとこれからも僕は音楽に失望しなくて済みそうです。それはさておき本作は彼の作品の中でも、一番テクノと言う音楽に接近しています。テクノと言っても4つ打ちオンリーでも無く、ダブの音響とエレクトロの音質、そしてブレイクビーツのリズムを組み合わせたほんとにユニークなサウンドですね。踊れなくもないけれどネチネチとした世界観がある深い音は、家の中でじっくり聴き混むとずぶずぶと沈み込んで引き籠もれるので気持ちが良いです。救いの無い闇に囲まれていくようで決して幸福になれる音楽だとも思えないけれど、闇には闇の美しさがあると言うの身を以て教えてくれるんですね。(Drexciya+Aphex Twin)÷2みたいな狂気の大作2枚組なんで、しっかり体調を整えてから聴くべし。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Reagenz [Limited Edition] (Spiral Records:WQAW-1007)
Reagenz
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昨日に引き続き今日も「Electric Soul Classics」の第二弾の紹介です。ところでこの再発シリーズは実に素晴らしい事なんですが、僕は殆どの作品のオリジナルリリースを所持しています。でもこのReagenzに関しては所持していない所か、名前さえも知りませんでした。色々調べてみるとReagenzとはSpacetime Continuum名義で活躍していたJonah Sharpと、David Moufangと言うアーティストのコラボレートとの事。Spacetime Continuumに関してはデトロイトテクノとも並べて語られる音楽性を持っていて、一方David MoufangはPete Namlook等とも共作した事があるアンビエント系のアーティストだそうです。と言う事はその二人の音楽性が融合したReagenzは、当然素晴らしい音楽性を持っていたのです(再発される位だから当たり前か…)。その内容はと言うと掻い摘んで言うならば、初期The Black Dogなどに代表されるWARPのArtificial Intelligence系のピュアなテクノでしょうか。この作品がリリースされたのは1994年と言う事なので、正にAIシリーズ直後だった頃でありまして、時代の空気を身に纏った最先端のテクノだったのですね。そう言ってしまえばただの流行の音楽だったと思われる恐れもありますが、本作は今聴いてもなおテクノの奥深さと未来への期待を秘める素晴らしいアンビエントテクノだと断言出来ます。ブレイクビーツ系の多彩で繊細なリズムと、アナログ機材の滑らかで透き通るウワモノ、そして儚くもあり感傷的なメロディー、これらがある一種のインナートリップを誘発し、想像を喚起させ思考を張り巡らせます。しかし決してそれは心の中に閉じこもる作用として働くのではなく、心を解放しイメージを膨らませる事に成功するのでした。本作が再発されるなんて本当に素晴らしく思うし、感謝の気持ちで一杯になりました。

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| TECHNO4 | 22:30 | comments(4) | trackbacks(0) | |
Slam - Azure (Soma Quality Recordings:SOMA216)
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スコットランドのグラスゴーからお届けするのは、Soma Quality Recordingsのボス・Slam様のニューEPです。普段アルバムばかり紹介している僕ですが、EPを紹介する時にはかなり入れ込んでいる証拠です。なんでSlam様の新譜も相当にキテいます。ハードさとメランコリーを兼ね備え、デトロイトテクノからの影響もかなり見られるSlam様。今作もやはりメランコリックと言うか、ある意味トランシーとも言えるシンセシーケンスが幻想的で気持ち良すぎ。執拗な位に妖艶なシンセを使ってると思いますが、Slam様は軟弱になった訳でもなく今までと同様にフロアで抜群に効果を発揮するトラックを聴かせてくれます。この路線でアルバム出してくれるのでしょうか、かなり新作に期待してしまいます。ほんとSlam様々ですね。

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| TECHNO4 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | |
Pole - Steingarten (~scape:sc044cd)
Pole-Steingarten
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Kit Clayton、Jan Jelinek、Deadbeat、Portableらが所属しているレーベルと言えば、テクノ帝国・ドイツの~scapeです。多分このレーベルが注目を集めたのはエレクトロニカ全盛期の頃で、今では多くのレーベルが淘汰されたシーンにおいて今でも更に進化を遂げて成長している重要なレーベルの一つであります。そしてそのレーベルの首謀者がStefan BetkeことPoleでして、その経歴はBasic Channel関連のスタジオでエンジニアとして務めていたとか。Poleとしては既に複数枚のアルバムを発表していて、初期の頃はベーチャン継承者としてミニマルダブなる音楽をリリースしていました。そして最新作である本作においては、ダブな深い音響に更にフロアライクな踊れるリズムをプラスして躍動感のある音楽に変容しています。かっちりくっきりなリズムは今までのドロドロな世界を見事に固形的な世界へと作り替えたのですが、かと言って立体的で奥深い音響世界を失う事もなくPoleらしさもしっかり残っています。妙にノリの良いトラックもあったりして少々面食らいましたが、ある意味聴きやすくなって入門としては良いかもしれないですね。チリチリとしたノイズとかも入ったりしていてエレクトロニカ的な面もあれば、淡々とした反復リズムはミニマルミュージックだし、これぞ正に~scapeサウンドです。さすが~scapeのボスだけあって、完成度の高い一枚を打ち出してきましたね。

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